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小説同人誌を作ろう!~同人誌の作り方のいろは~


先日突然、友人から「小説同人誌の作り方を教えて!」と聞かれました。人はある日突然同人誌を作りたくなってしまう生き物!
そこで一連の流れを、私が同人誌を作る際に参考にしているサイトと共にまとめてみました。

1年前まで本を出したことがなかった&PNGデータとうの画像データの意味すら分からなかった私でもなんとかなった方法をまとめているので、これから同人誌を作ってみようかな〜でもやり方がいまいち分からないな〜という方のお役に立てれば嬉しいです。


大まかな流れ


①本文を書く
②書式を整える
③目次・扉・奥付を作る
④入稿用データに変換する
⑤表紙を作る
⑥印刷屋さんにデータを入稿
⑦完成

ざっくりですが、だいたいこのような流れで本ができます。ここから先は以上の工程に沿って説明していきますね。

①本文を書く

己の性癖に従って書きましょう。自分で書いた本は誰が何と言おうと神本!

②書式を整える

印刷屋さんに提出(入稿)するデータを作る際に必要な工程です。面倒ですが覚えちゃえば今後も本を出す時にかなりラクになります。

ツールについて
ここでは2つのツールをご紹介します。
おすすめは二つ。Wordと「縦式」というアプリです。
◇Word
→PCで作業したい人向け。慣れると簡単。
◇縦式
→スマホで本文データを作りたい人向け。但し、スマホだと画面が小さく指で操作しづらくなることもあるためキーボードがあった方が便利かもです(もちろんキーボードなしでもできます)。iPadでも操作可能。
私は最初は気軽にスマホで入稿データを作りたかったので、iPhoneのメモで書いた原稿を縦式に流し込んで作ってました!今はWord派です。

サイズについて
本を作る際に重要になってくるのが本のサイズ。目的によってサイズが変わってくるので、抑えておきたいところです。
小説の同人誌で一般的なサイズはA5とA6。
たまに新書サイズのものも見かけますが、ここではオーソドックスなA5とA6を説明します。
◇A6
→文庫本のサイズ。書店で売っている文庫本のサイズにしたい場合はこれ。5万字くらいからだと背幅(背表紙の幅)が出て来てサマになります。薄くてもミニ本みたいになって可愛い。
◇A5
→A3のクリアファイルの半分のサイズ。薄めの本からチャレンジしたい場合や、表紙を推しカプのイラストで派手にしたい・目立たせたい場合などにおすすめ。「二段組」(本文の行が縦二段に分かれる作り)が多い。

以下私が参考にしているサイトです。
◆Word/A6設定で参考にしているサイト
◆Word/A5設定で参考にしているサイト
◆縦式の使い方
(※行数の設定などはWordのサイト参考)

①の工程で別のアプリで書いた文章をコピペするのでも、書式を設定してから書くのもよし。バックアップは必ず取っておきましょう!

本文のファイルは章ごとに作るのがおすすめです。
目次・扉・本文・奥付を全て一つのファイルで作ると、大幅な修正が入った時にページ数の調整が面倒だからです。通しのページ番号だけずれないように注意! 台割を作っておくのもいいですね。

Wordにないフォントを使いたい場合は、フリーフォントをインストールすると使えるようになります。その際はフォントの埋め込みを忘れずに!
私のおすすめフォントは「源瑛こぶり明朝」と「源瑛ちくご明朝」。


◆フリーフォントサイト例
◆Word/フォントのダウンロード設定
縦式のフォントのインストールは少し複雑だったので割愛します(それもあって今はWord派になりました)。


③目次・扉・奥付を作る

私は面倒なのでデザイナーさんにお任せすることが多いです。プロの手を借りるのも一つの手。
本文と同様Word・縦式でも作れます。


参考までに・・・

◆Word/目次の作り方



◆Word/奥付の作り方


◆縦式/目次・奥付の作り方


◆扉ページとは

↑Wordや縦式を応用して作れる・・・はず!


奥付とは
本の巻末にある、いつ・誰が発行したのか、本の責任者の所在を明記する非常に大切なページです。
ここに正しく記載がないと印刷屋さんで印刷ができなくなったり本が出せなくなってしまいます。また、盗作されてしまった時の重要な証拠にもなるので絶対に付けましょう!
・発行者の名前(ハンドルネーム可、サークル名可)
・発行者の連絡先(メールアドレス、TwitterID、支部のIDなど)
・発行年月日(イベントの日程)
・印刷会社

↑最低限必要な要素。表紙をデザイナーさんに依頼した場合はデザイナーさんのTwitterなどを入れると宣伝になって好印象! 感想が欲しい場合はマシュマロなどのQRコードを入れるのもよし!


④入稿用データに変換する

さて、本文ができたら次は印刷屋さんに入稿するためのデータに変換します。基本的にはPDFに変換でOK。


◇Word
1.フォントを埋め込む
これをしないと文字化けして悲惨なことになります(涙)。注意!

2.PDFに変換
色々方法はありますが、私はよく"ファイルをエクスポート"でやってます。


◇縦式



⑤表紙を作る

私はいつも同人誌のデザイナーさんに依頼してます!その分本文に注力できるのでおすすめ。
私の周りの自分でできる知り合いはイラレ等を使って作成しているそうです。
予約が埋まってしまう&納期と締め切りとの兼ね合いもあるので、本文と並行しながらデザイナーさんとコンタクトを取ってお願いしましょう!
「同人誌 表紙 デザイナー」で調べてみるのもよし、気になる装丁の同人誌の奥付を確認してデザイナーさんのTwitterを探してみるもよし!


※二次創作のイラスト表紙依頼について※
できるだけ知り合いか友人にお願いするのが安全だと私は思います。ガイドラインに沿って行いましょう。


納品・入稿データについて
デザイナーさんから、印刷屋さんに入稿するデータをもらうときに「PNG」形式のデータか「PSD」形式のデータか選ぶことがあるので注意。
また、印刷屋さんによっては「PNG不可」の場所もあるのでそれも合わせて注意。
◇PNGデータ
PCで画像を再生するのがメインのデータ。基本的にどのPCでも再生可能。但しあくまでもPCでの再生を想定した画像なので、多少の色あせの可能性は有。と言っても私もよくPNG入稿を使っていますが、そこまで気になりません。
◇PSDデータ
印刷を想定したデータ。Photoshop(有料)がインストールされたPCでないと再生できません。ただPSDであれば基本どこの印刷屋さんでも入稿できるから無敵なデータでもあります。



⑥印刷屋さんにデータを入稿

データができたらついに印刷屋さんに入稿です!
ただ印刷屋さんって多過ぎてどこを選べばいいのか分からないですし、どんな基準で選べばいいのか難しいですよね。
そこで私おすすめの印刷屋さんをいくつか紹介します。


◇おたクラブ

・安い
・10部から作成可能
・PNG入稿可能、比較的簡単な入稿作業
・発色がきれい
・とにかく安い

よくお世話になってます!安価で少部数から作成できるので初心者の方でもチャレンジしやすい。


◇スターブックス

・本文用紙の種類が豊富
・箔押ししたいならここ
・入稿が早くなればなるほど値引きが効く
・10部から作成可能
・PSD入稿

私の周りで大人気のスターブックス!入稿が早いと安くなるので計画的に進められる方は絶対使った方がいい。

◇プリントオン

・10部から作成可能
・ブックカバーの紙の種類が豊富
・特殊な素材の紙が多い
・PSD入稿

紙の種類がとにかく多い!カバーや帯にも拘りたい方におすすめです。


今まで買った同人誌の奥付を見て、気になる印刷屋さんがあったら調べてみるもよし!印刷屋さんによっては見本紙を一式取り寄せることもできるので、一度取り寄せて見て色々な種類の紙を実際に目で見てみるのも楽しみの一つですね。

⑦完成!

このようにして小説の同人誌はできます!
とりあえず作ってみると意外となんとかなります。

届いた同人誌の箱を開けた時の感動、イベントで本を受け取ってくださった時の感動はきっと一生の思い出になること間違いなしです!


その他

本の出し方は分かった!でもやっぱり腰が上がらない.......なあなたに!

◆入稿以外全部やってくれるサービス/ヲタスケラボ 
Twitter 

本文はできているけれど、それ以外の作業は誰かにお願いしたい!な限界オタク向けのサービス。入稿用データを全部作ってくれます。



◆イベントに申し込む

締め切りを金で買って逃げ道を無くします。webオンリー(ピクトスクエア)だと550円、赤ブーだとだいたい6500円前後します。ここまでしたら出すしかない!


◆正気を捨てること

原稿を進めていると、「本当にこれ面白いのかなあ」と不安になる時もあるかと思います。でもあなたの妄想を文字にできるのはあなただけ!そのパッションをぶつけて本という形に残しましょう!!



誰でも初めてのことには不安になりますよね。私もそうでした。本を作るのって難しそうだし、難しそうだから本は出さなくてもいいかな...って考えてました。でもいざ作ってイベントに出ると本当に楽しくて!いつの間にか次のイベントにも申し込んでしまうのが不思議です。原稿が終わると次の原稿が待っている。



以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました!!この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。みんなで神本作ろうぜ!!!!!


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