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おすすめの詩

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noteで見かけたおすすめの詩を取り上げて、勝手に感想を書かせて頂いてます。
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記事一覧

おすすめnote詩「8F」

一連ずつ脈絡なくつづいていく。だけど、そのそれぞれに輝きがあって絶妙な距離感。そういう風に読みました。

世の中は色で溢れてる。夜の8時なら尚更かもしれない。街を歩けばネオンの光。お店の中は不自然な明るさで、それがかえって神々しい。

でも色がついていないものはたくさんある。今回の詩を読んでそう思う。

「毛糸玉になったハートがある」ってなんだろう。ぐるぐる回って形になっていくもの。でも決まった形

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おすすめnote詩「灰色の夢」

まず写真を見た。灰色の雲。灰色の文字のタイトル。黒と白を混ぜた色。二つの間の色。溶けた色だし、曖昧な色かもしれない。ぼんやりしたもの。そういうもの。灰色というものは。

詩のなかでも二つの相反するものがたくさん出てくる。そのどれもが灰色だと言っている。「灰色の夢」夢が間にあるものだとしたら、何と何の間にあるものだろう。生死。眠りと起きてる間のもの。そうか、たしかに夢も灰色なのかも。

喜怒も哀楽に

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おすすめnote詩『陶と椿』19

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

交わりの後を描写している詩なのかな、と思いました。どことなく二人の関係性が仄めかされているような気がします。それはひと言で表現されるようなものではなくて、今回の詩のように、幾つもの連を並べることによってでしか浮かびあがらない、行間のような淡い感情なのだと思いました。

前半部。「部屋の中が白く霞んで/ここには現実しかない」

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おすすめnote詩「暗い水中、暗い空中」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

ツイッターを見ながら、ある人のツイートが気になる。そこからどんどんと惹き込まれていく様子が描かれているのだと読みました。でも「しゅぽッツ」というツイート音でしょうか、そこでその世界から戻ってくる。今回の詩は、その現実と空想、(もっと上手い言い方ないだろうか)の境い目、その2つの世界の違い、不思議さ、そこを描くことから発想を

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おすすめnote詩「底なしの春」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

今回はとても短い詩です。とにかく題名に惹かれました。「底なしの春」何回読んでも良いです。そして最終行の「底なしの春を待っている」。なんというか、「底なしの春」が表現しようとしている「春」の意味というより、とにかくこの言葉の組合せが美しすぎます。

さて、この詩から気づいた点です。

①リズム
今回の詩はとにかくリズムだと思

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おすすめnote詩「たのしい暴力」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

「愛ほど歪んだ呪いはないよ」この詩を読みながら「呪術廻戦 0」に出てくる台詞を思い出してました。「ありがとう」も「ごめんね」も「好きだよ」も、誰がどういう場面で使うか、どういう背景があって、どういう気持ちで使うかによって全然、意味が変わってしまう。いや、意味は変わらない事もある、でも、受け手がどう感じているかによっても意味

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おすすめnote詩「鱗の眼」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

「世界が違って見える」って言う時の「世界」って言葉が好きです。きっとそれはニュースで観る「世界」じゃないし、もっと個人的な「世界」。私だけの「世界」で誰にも影響を及ばさない。ひとつの新しい気づきで容易に変わる「世界」。毎秒、目に見えてる「世界」は変わっているとも言える。そういう「世界」。

さて、以下、私がこの詩を通して気

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おすすめnote詩「耳の裏」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

恋愛詩、もしかしたら失恋詩。そんな風に読みました。繊細な感覚をお持ちだと思われます。まだ失恋という段階ではないのであれば、後悔がない行動をした方がいい、なんてことを言ってしまうのは、もう私が老いている証拠なのでしょう。

さて、ここからは私がこの詩で解析したことをつらつらと書いていきたいと思います。

①細部を書くことの大

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おすすめnote詩「梅雨待ちと風のメモリー」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

人との思い出、記憶、って不思議。過ごした期間が長かったとしても、どうして思い出や記憶は瞬間的なものなの?でもたとえそれが瞬間的なものだとしても、その時間的な短さと感情の深さは比例しない。もし、瞬間をすべてつなぎ合わせることが出来たら一体何が見えて来るだろう。そこに意味を見いだすことは、きっと野暮だろうな。

さて詩の構成に

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おすすめnote詩「血と飴玉と男と女」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

おそらくジェンダーに関わる詩なのだと思い読みました。

①比喩と言葉とジェンダー

①比喩と言葉とジェンダー
正直に言いましてそれほど考えてこなかったテーマだったので目から鱗の詩でした。ジェンダー。「社会的・文化的につくられる性別のことを指す」とネットにあります。

読みながら改めて本来の私って「人間」なのだなと思いました

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おすすめnote詩「癖」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

詩のタイトルは「癖」です。「癖」というと、どこか軽いイメージ。日々の癖。ちょっとした些細なもの。でもこの詩での「癖」は重みが違います。

①構成とか
②自分と自分

①構成とか
三連で構成されています。この詩の核は二連目だと読みました。この二連目。どうしてこの位置に置かれているのでしょう。そこに考えを巡らしてみました。例え

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おすすめnote詩「無題」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

場合によってはネタバレのようになってしまうので、まずは詩作品を読んで頂いてからこちらの記事も読んで頂ければ幸いです。

さあ感想。
詩って色んな楽しみ方があって楽しいものだ、と思える詩でした。

①詩の面白味
②擬音語

①詩の面白味
まず正直に言いますと、最初、自分は詩の中に「口」が何個あるのかを一生懸命数えていました。

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おすすめnote詩「祖層」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

どことなく詩に不穏な空気感がありました。配置されている言葉のイメージから、もしかするとお葬式に関するものなのかと推測しましたが、そこは分かりません。

①句読点
②詩的な表現
③詩と文法と現実

①句読点
おそらく今回は散文詩というものでしょう。そのなかで特徴的なのは、ここに句読点が置かれるだろうな、という所に全然それらが

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おすすめnote詩「余剰」

散文詩、と言われる形式だと思います。「世界」と「私」との関係が書かれている詩だと思い読みました。

全体の構成。まず「世界と今の私」が書かれています。そこから「世界と言葉」「世界と実在」「世界と時間」「世界と未来の私」というように書かれているのだと思います。

「世界」との関係性が書かれているのと同時に「言葉は彫り出し組み立てねばならない」にあるように「詩人としての在り方」も書かれているように思い

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