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novel ジュプ・エ・ポァンタロン

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2023年1月31日から2月17日にかけて note で公開した小説「ジュプ・エ・ポァンタロン」
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#大学

ジュプ・エ・ポァンタロン プロローグ

 大学入学のガイダンスは入学式の前に予定されていた。それも一週間も早く三月中に実施すると…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (1)入学ガイダンスで

 初日ではあったが、大学に来たことをすでに後悔していた。  新入生たちが大きな講義室に集…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (2)ここがレストラン?

 駅には十分前に着いた。駅前の広場に三人組の一人がいた。相手は孝子に気がつき 「来てくれ…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (3)二駅先の喫茶店

 お店から出てきた三人は駅に向かって歩いていた。  後から来た女性は 「あの幹事の三人組、…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (4)大学 入るのやめる?

 孝子はすこしだまってしまった。  カズエが 「どうしたの? なにかあったの?」 「今日はが…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (5)あちこち行ってみた

 翌日、環状線で対角線の反対側にある駅までやってきた。  三十分もかかった。  なんとなく…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (6)坂の途中のお店

 ゆっくりと食事を終えてからお店を出て、踏切の向こう側へ行ってみることにした。  駅の近くにあるその踏切はすぐには開かなかった。到着する電車が通り過ぎたら、次は逆方向の出発する電車を待たなければならなかった。その電車が通り過ぎると反対方向の電車がまた駅に入ってくる。後でわかったことなのだが、特急が停まる駅で、特急のすぐ後に各駅停車がやってくるために、反対側の発車タイミングもあって両方向の合計三本の電車を待たなければならないらしい。朝夕の混雑する時間帯だと、逆方向も特急、各停の

ジュプ・エ・ポァンタロン (7)ちょっとお店番

 そのお店は駅から少し離れた上り坂の途中にあった。お店の看板はあまり派手にならないように…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (9)店長とのおしゃべり

 マダムを送った店長と孝子はお店の中に戻った。店長は孝子をテーブル席に座らせてからキッチ…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (10)お店でアフタヌーンティー

 孝子は部屋に着いて、実家から送った引っ越しの段ボール箱の一つを引っ張り出し、ガムテープ…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (11)孝子のデッサン画

 裁縫のお母さんと店長はこのあたりのおいしいお店の話しに花を咲かせていた。孝子は聞いてい…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (12)居酒屋の騒ぎ

 アフタヌーンティーの翌日はガイダンスの日から三日目。孝子がクラスメートのカズエ、翔と会…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (13)居酒屋騒動の後始末

 大学の職員が数人、最寄り駅の近くにいた。三月中ではあるが新入生ガイダンスが始まったこの…

和泉佑里
1年前
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ジュプ・エ・ポァンタロン (14)孝子の結論

「そんなことがあったんだ」  孝子は、ことの展開に驚いた。 「あなたの勇気ある行動がクラスのみんなを救ったってことになってるわよ」 「そんな、大袈裟な」 「だって。大学の職員の人たちが見回りしていたんだから。みんなが宴会に参加したのがイヤイヤながらだったとしても、誰かが一人でもアルコールを飲んでいるところを見つかったら、全員捕まったのよ。あなたの行動がきっかけで宴会が始まる前にみんなが脱出できたんだから」 「…」 「それで。熱血漢の男の子がいたでしょ。個人情報保護を持ち出して