見出し画像

生ごみが地球を救う?

今、さまざまな脅威が日々情報として飛び交い、不安や心配の種は尽きない。食糧危機ついても、耳にすることは多いだろう。人間は常に、何かに怯え未来を悲観し、シミュレーションし目標を掲げる。それでも結果をもたらすことができないまま、経済を優先させていくしかない社会。

この2年ほど、世界が激変し混乱する中で、価値観に変化をもたらした人も多いだろう。私自身も例外ではない。漠然とした不安の中、これからの生き方について考えた。20年ほど前から、合成界面活性剤がヘドロの要因であると知り、個人でも何かできないかと考えた結果、無添加せっけんづくりを始めた。洗顔用から掃除に至るまで1つの石鹸で用を足せるまでになると、家の棚からプラスティック容器の洗剤が消えた。自作はゴミが消えると知れば、自然と保存食づくりに目が向く。今度は保存容器がガラス瓶に変わった。そして次に消えたのが「生ごみ」だった。生ごみから、良質な土ができる事に辿り着く。それは新たな糧が生まれることを意味する。更に知りたいと書籍を読み漁る。そこでアーバスキュラー菌根菌の存在、化学肥料を使い続けた結果、病原菌の発生、微生物の存在に気付く。日本が排出する生ごみの量にも目が留まる。化学肥料が大量生産を可能にし、私たちの食を安定供給していることもわかってはいるが、未来を考えた時、痩せ栄養分がなくなった土から生まれる作物。デイビット・モンドゴメリー氏など様々な書籍でも似たような見解だ。ではせめて、自分ができる事を模索し、「生ごみ先生」こと吉田俊道先生にたどり着く。土づくりに重要な自家製ボカシ肥の作り方を知り試みた。米ぬかと黒蜜、キトサン、微生物液で優良の肥料が出来てしまうところは、石けんづくりの面白さに似ていた。俳優の山田孝之さんや柴咲コウさんらも実践しているこの土づくりは、甘い香りがすることに私は衝撃を受けた。雑草も捨てずに堆肥に。虫が分解者となり微生物たちに繋げていく。そして面白いのは、糸状菌である菌根菌が植物に必要な栄養分を足りない植物へと伝達しながら供給していくのだ。私の庭は、化学に頼らず微生物の力で豊かな土壌をつくりあげる小さな実験場となった。これは素人の研究に過ぎないが、少なくとも一個人の家から生ごみが消え、食生活が正され循環していく。独学的自由研究は、いつしか未来を救えるかもしれない。
#未来のためにできること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?