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源氏物語の個人的な推しシーン3選、考えてみました😃

今年の大河ドラマ「光る君へ」は、ところどころで枕草子と源氏物語を引用した演出があるのが楽しいです。
たとえば、左大臣家の倫子さまが猫を可愛がる設定なのは、とっても意味深…。
「夫に重んじられるが、形ばかりの妻」
のニュアンスが漂っているし、実際に道長・倫子夫妻はビジネスパートナー的な夫婦だったのかな、と感じる節もあります。
旦那さんが社長、奥さんが出資者で
「家を盛り立てて、娘を中宮にする」
という事業に取り組んでいる感じ。
劇中で定子さまが実家の兄のため、あれこれと策を立てて政治的な立ち回りをするのも、でしゃばり・悪女というわけではなくて、役割として当たり前のことをしたまでかな、と思います。

早々に話が脱線していますが、ドラマでは引用されなくても源氏物語には魅力的なシーンがたくさん。
ぜひ映像化してほしい!と希望するシーンを3つ考えてみました。
勝手に言うだけなので、
「あれを忘れてるじゃないか!」
というツッコミ、異論反論は大歓迎です。

個人的に映像化してほしいシーン3位
「野分」
紫の上が嵐の強風で荒れる庭を眺め興じているのを垣間見されるシーン。
慎重に人目を避けて屋敷の奥に住む奥方が、嵐をきっかけに端近に出て姿を人に見られるという話の運びがいい。
強風を怖がらないのも、奥方の気性の大胆さを印象付けていて上手い。

個人的に映像化してほしいシーン2位
「若菜下」
人に見られたら破滅する秘密の文が見つかってしまい、女三宮の不倫が露呈するシーン。
女三宮のキャラクターが
「子どもっぽくて考えが足りない」
という設定が効いているのと、事件が起きる時は重大なミスが重なるというよりは、小さいうっかりでダムが決壊するように大惨事につながるのだろうな、と思わせるリアルがあります。
作者の紫式部のストーリーテリングの腕を感じる素晴らしいシーンです。

個人的に映像化してほしいシーン1位
「御法」
紫の上がお気に入りの孫に桜を託すシーン。
古いつきあいのある人々にそれとなくお別れを伝えて、形見分けのつもりで
「花の季節には眺めて、仏様にお供えしてくださいね」
と孫の皇子に伝える文章は、抑制が効いていてしみじみと悲しい。
今でも時々読み返してはしんみりします。

美男美女のラブロマンスも素敵だけれど、それ以外にも名場面が多く、むしろそちらが心に残ります。


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