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「神はサイコロを振らない」って一度聞いたら忘れないバンド名

「愛しい嘘、優しい闇」のドラマ挿入歌を歌っていた「神サイ」

今回は頂いたおたよりを基にお話ししていきたいと思います。カザルナヲさん、お便りありがとうございます。頂いたお便りがですね、「神はサイコロを振らない」というバンドについてお話ししてもらいたいです、というものでした。2022年1月から放送されていたドラマ「愛しい嘘、優しい闇」、私も見ていたのですが、そのドラマの挿入歌として「神はサイコロを振らない」というバンドの『あなただけ』という曲が使われていて、その曲にとても心を打たれたので、神はサイコロを振らないというバンドについてより詳しく知りたいです、というリクエストをいただきました。
なので本日は「神はサイコロを振らない」、通称「神サイ」についてお話ししていきたいと思います。

TikiTokで『夜永唄』がバイラルヒット

神サイ、ここからはバンド名を神サイと、皆さんが呼んでいる愛称で呼ばせてもらいますね。神サイは2015年に結成されたバンドなのですが、広く名前を知られるようになったきっかけは2019年にリリースされた『夜永唄』です。私もこの曲で神サイの名前を知りました。
『夜永唄』はリリース自体2019年なんですが、話題になったのは2020年の中頃、6月くらいの印象です。話題になったきっかけはTikTokを中心としたSNSと言われてます。実際にTikTokで『夜永唄』を検索してみると、この曲が使われた投稿が沢山出てきます。

『夜永唄』はボーカル柳田さんの切なくて儚い、息継ぎや息の混ざった歌声が印象的なバラードで、バックミュージックもバンドの音だけでなく、メロのピアノやチェロっぽい音が印象的な、すごく切ない曲なんですけど、TikTokではこの曲に乗せて沢山の人が、それぞれの感性で、切ないミュージックビデオのような投稿をされていて、それがバズっていたような印象を受けました。すごく切ない曲と歌声が、TikTokのメインユーザーである10代の若者たちの切ない感情にマッチしたのだろうなぁと思いました。

重めロックな初期「神サイ」

この曲で神サイを知ったので、てっきりこういう切ない路線の曲をやってきたバンドなのかと思っていたのですが、初期は重めの王道ロックみたいな曲を主にやってきていたみたいですね。確かに、神サイのYouTubeチャンネルの一番最初の投稿が『アノニマス』という曲のミュージックビデオなんですけど、この曲は結構重めためのロックで、歌い方も『夜永唄』とは結構違って、もっと声を張って深い響きもあるような歌い方をしていました。初期の神サイはこういう雰囲気の曲をやっていたんですね。

『アノニマス』という楽曲の柳田さんのボーカルも勿論歌がうまくて良い声なのには変わりないんですけど、私は「夜永唄」のような、もっと息をたくさん使った切ない、儚い感じの歌い方の方が、柳田さんの良さが引き立つなと思いました。勿論それぞれ聴く人の好みもあると思いますけど、少なくとも私は、重めのロックに合わせた柳田さんの深い歌い方より、『夜永唄』のような切ない儚い息の多い歌い方の方が、ボーカルの印象がしっかりと残ると思いました。

近年は柳田さんの切ない歌声を活かした楽曲

『夜永唄』以降は、ボーカル柳田さんの歌声を生かしたバラードだったり、バンド感のある曲も、重めの感じではなく、軽くて疾走感のある曲だったり、切なさや儚さがある曲を多くリリースされている印象があって、バラードを歌う時の切なくて、息の多く混ざった歌い方の延長でアップテンポなバンド曲も歌われているような感じがしました。

バンドって、楽器の構成が基本的にドラム、ベース、ギター、ボーカル、あとピアノがいるかどうかくらいが一般的な構成で、神サイはピアノはいないドラム、ベース、ギター、ボーカルの構成なんですけど、こういうシンプルなバンドスタイルってプロの中だと楽器の技術だけで他のバンドと大きな差は出づらいと思っています。なのでシンプルな構成のバンドこそ、ボーカルの持つ良さ、個性と、それを生かした楽曲というのが、バンドの印象を残すためには大切だよなと色んなバンドを見ていて感じます。すごく偉そうな感じですみません…でもヒットするバンド構成のグループはやっぱりボーカルの個性をしっかり生かしている曲を出している印象です。神サイも、デビューから5年くらい経ってからの大ヒットですけど、活動する中でボーカル柳田さんの歌声がより生きる楽曲の雰囲気が作り上げられてきたというのもヒットの大きな理由になっているのではと思いました。

そんな神サイの最新アルバム「事象の地平線」が先月、2022年3月にリリースされていて、収録されているほとんどの曲を神サイのYouTubeチャンネルでも聴くことができます。その中で私が特に良かったなと思ったおすすめ曲を2曲、ご紹介したいと思います。

アルバム「事象の地平線」おすすめ曲①『巡る巡る』

まず一曲目が『巡る巡る』という曲です。爽やかで前向きで疾走感のある、かなりポップなテイストの曲になります。神サイのインタビューを読んだ時に「インディーズの頃なら『巡る巡る』みたいな曲は絶対やらなかった」と言っていたのですが、神サイとしてはこのようなポップなテイストの強い曲は新たな境地なんだろうと思いました。バラードの切ない歌い方もすごくグッと来るのですが、こういうポジティブな雰囲気の曲に柳田さんの切なくて軽いボーカルが乗ることで、すごく儚くて疾走感のある曲になっていると思いました。走り出したくなるような曲ですね。春をテーマにした曲なので、ぜひあたたかくなる頃に聴いていただきたい一曲です。

アルバム「事象の地平線」おすすめ曲②『愛のけだもの』

おすすめしたい二曲目が、『愛のけだもの』という曲です。この曲はシンガーソングライターのキタニタツヤさんとの共作で、ボーカルも神サイの柳田さんとキタニタツヤとのツインボーカルになっています。曲調はちょっとファンクな感じのある、踊り出したくなるような雰囲気ですね。柳田さんの、無駄な力が入っていない、良い意味で力んでいない軽い歌い方がファンクな曲調と相まって、軽快な感じがすごく心地よくて、日常の中で何度も繰り返し聴きたくなる曲です。

私自身が王道pops曲が好みなので、ポップなテイストの強い最近の神サイの曲は、すごく私自身の好みにあっているんですよね。初期から曲のテイストが変化しながら活躍の幅を広げている神サイ、これからもどんな曲が聴けるのか楽しみにしたいと思います!

この記事について、Radiotalkでお話ししている回はこちら
https://radiotalk.jp/talk/782930

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