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クレーム対応の上手い人と下手な人の差~共感と観察力

こんにちは。八田唯宇です。

今日はお客様からのクレーム対応について書いてみようと思います。

どんな仕事でも(特にお客様と接する仕事は多い!)必ずクレームは発生します。

自分の対応の善し悪しではなく、いきなり振りかかってくるクレームもあります。その中で大きなクレームに発展させる人と、不満を最小限に抑えてその後、いいお客様にまで変えてしまう人には大きな違いがあります。

結論から言うとその差は2点あります。

①お客様の声を最大限聞くことが出来たかどうか(共感)

②お客様の真意を見抜けるかどうか(観察力)

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以前勤めていた某住宅設備機器メーカーでのこと。私は商品を展示してあるショールームでアドバイザーとして働いていました。
仕事内容は家のリフォームや新築の際に水回りの設備機器を検討するお客様に対して製品の説明、見積もりを作成することでした。

メイン業務はそれだけでしたが、時々、商品の不具合でご相談や修理のご依頼で来店されるお客様もいました。

このようなお客様がもっとも対応に気を付けなければいけない人たちです。
なぜなら、修理や相談に来る人は何かしら不満をもっているからです。

同じ職場でクレーム対応が上手ではない人(仮にAさんとします。)がいました。
Aさんは私より社歴は長く、通常の業務は私よりも速いスピードでこなしていくお手本になる方でした。ただ、クレーム対応が下手でよくお客様を怒らせていました。
一方で、私はお客様を怒らせたりすることはほとんどありませんでした。

おそらく私は転職が多いのですが、そのほとんどがアパレルなど接客業で、Aさんよりも多くクレーム処理に携わってきたからかもしれません。クレーム対応は”習うより慣れよ”のことわざのように経験数が物を言うことも確かにあります。

ただ、経験が浅くてもしっかりポイントさえ押さえていれば早く解決することができます。

以下にクレーム対応の違いを分かりやすく会話にしてみました。
みなさんもどこにクレームの種があるのか考えてみてください。

ちなみに私が働いていたのは関西にある、とあるショールームです。なので、会話は関西弁です。あしからず…。

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<Aさんの場合>

客:お風呂のシャワーがでなくなったんやけど、おそらく部品が壊れてるんちゃうかな。修理してほしいねんけど。(と、家からもってきたシャワーヘッドを見せる。)

Aさん:ショールームでは修理は出来ないんです。

客:え?できひんってなんでや?せっかくシャワー取り外してわざわざ持ってきたのに。

Aさん:ここでは修理の受付はしてないんです。
メンテナンスの部署がありますのでそちらにお問い合わせいただけますか。お近くの修理業者様をご紹介することもできますけど。

客:部品は売ってへんの?部品さえあったら直せると思うけど。

Aさん:ここはショールームなんで物品の販売はしてないんです。それも含めてこちらでは解りかねますので、メンテナンスに問い合わせしてしてもらえますか。(と、メンテナンスの電話番号を渡す。)

客:なんや、ショールームやのになんもできひんねんな!
せっかく重たい(シャワーヘッドのこと)のを持ってきたのに…もうええわ!(と怒りながら帰っていく。)

つづいて<私の場合>

客:お風呂のシャワーがでなくなったんやけど、おそらく部品が壊れてるんちゃうかな。修理してほしいねんけど。(と、家からもってきたシャワーヘッドを見せる。)

私:(シャワーヘッドを受け取りながら)お預かりしますね。こちらの製品の品番をお調べさせていただいてよろしいでしょうか。お掛けになって少々お待ちください。

数分後…

私:お待たせしております。(過去の部品が載っている資料を手にしながら席に着く。)今、お調べしたのですが…ちょっとわからないんですね…。ちなみにお風呂はいつごろつくられたか分かりますか?

客:もう、20年位前かな…。

私:そうなんですね。部品の製造は10年くらいでストップするんですね。もちろん後継品があるので修理は出来るんですけど、そうなると専門のメンテナンスでないとわからないんです。あと、もしかしたら部品以外にもどこか違う部分が故障している可能性もあるんで一度リフォーム業者様に見て頂いた方がいいと思います。

客:20年も経ってるしなぁ…他が故障してることもあるんか…。

私:お風呂の寿命も約20年くらいなんで、一度ご相談された方がいいと思います。よろしければお近くの修理業者様をご紹介いたしましょうか。

客:そうか。ほな、教えてくれるか。ありがとう助かったわ。

私:こちらこそ、わざわざ、シャワーヘッドをお持ちいただきましたのに申し訳ありませんでした。お気をつけてお帰りくださいませ。ありがとうございました。

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いかがですか?私の対応(私がすごいと言っているのではありません!!)の方が、お客様は納得して帰っていくと思いませんか?

ここで注目してい欲しいのはAさんも私も、最終的にお客様に伝えている内容は一緒だということ。

✔ ショールームでは修理できない。
✔ 修理はメンテナンスが対応している。
✔ 希望があれば修理業者を紹介する。

ただ、Aさんの対応だと怒って帰ってしまいました。その違いが

①お客様の声を最大限聞くことが出来たかどうか(共感)

②お客様の真意を見抜けるかどうか(観察)

このポイントを押さえたかどうかでお客様の反応は180度変わります。

検証1:①お客様の声を最大限聞くことが出来たかどうか(共感)

お客様はシャワーが壊れたのでシャワーをなおしたい。部品があればなおると思っているので、部品が欲しい。

⇒ショールームでは部品の販売も修理も行っていないのは事実です。ですが、それをそのまま伝えてはお客様は親身になってくれていない、自分のことを理解してくれていないと感じます。大切なのは共感で、困っている状況に寄り添うことです。困った状況を(何もできないのだけれど)どのように改善できるかを一緒に考える姿勢がとても大切なんです。Aさんにはその部分が大きく欠けていて、ただ正直にできないといってしまったのが良くなかったポイントです。
検証2:②お客様の真意を見抜けるかどうか(観察)

お客様は修理ができると思い、わざわざシャワーヘッドを取り外してお店まで持ってきた。

⇒シャワーヘッドは意外に重く、そして取り外すのにかなり労力を使います。つまり、来店するまでにお客様はかなりの時間を使っているのです。来店してすぐにシャワーヘッドを見せるのは現物を見せればわかってくれるかもしれないという期待とその労力に対してねぎらってほしい現れだと思います。
結論からいうと修理不可なのですが、その真意をしっかり汲み取って期待に応えられないことをどのように伝えるかが重要です。

私は、重たいシャワーヘッドを差し出されてすぐに受け取りました。それは時間をかけて持ってきてくれたのだからまずはその想いを理解していますよ、という気持ちを表したかったからです。
そして、結局はもう一度持ち帰ってもらうことに対して期待に添えなくて申し訳な気持ちを言葉にして最後のお見送りをしました。その対応にお客様は困りごとは解消できなかったけれど、真摯に対応してくれたと気持ちよく帰っていきました。

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同じことを伝えても、伝え方によって相手の受け取り方は全く違ってきます。

接客やマナーの本には伝え方を変える『テクニック』を書かれていますが、本当に必要なのは相手にどれだけ共感できるか、そして相手の気持ちを汲み取ることができる観察力だと思います。

そうすればテクニックは関係なく、自然と相手に届く言葉が出てくるはずです。

これはクレームに限ったことではなく、全ての仕事や人間関係においても大事なマインドセットだと思います。

ネットでポチれば、何でも届いて人としゃべらなくても生活できるようになりました。人と接する機会が減ったからこそ、人との関わり方がより重要になったように感じます。共感と観察力はどちらも相手の気持ちを推し量る人間力です。いつまでも磨き続けたいなと思います。

今日はここまで。

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人生80年と仮定すれば、折り返し地点を過ぎた凡人です。 サポートしていただけると凡人でもパワーが出てきそうです。人間のランクも上がりそうです(笑)執筆中は炭酸水(¥110)でエネルギーチャージします。サポートをもらえると嬉しいな。ウホウホ♬