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久々に前職のオフィスを訪れて

先日、ひょんなことから前職の旅行会社のオフィスを訪ねることになった。

ほんのわずかな時間の滞在だったけど、かつての上司や先輩方と顔を合わせると、とても温かい気持ちになった。

その夜、いろんな記憶が蘇ってきた。

海外添乗員というのは、難しい仕事だった。訪れたことのない国に、20名前後のお客様をご案内するのだから。勉強や準備で土日はいつも潰れたし、旅先では必ず何かしらのハプニングが起きた。

失敗して、お客様や上司からお叱りを受けることも多かった。だから勤務していた頃は、何度も「早く会社を辞めたい」と思うくらい辛いことばかりだった。

だけどこうして時間が経つと、むしろハプニングこそが良い思い出になっている。旅先での出来事や、お客様との交流は、今では宝物のように胸の中に眠っている。

ツアーでご一緒したお客様から、よくお手紙をいただいた。当時は、「また中村さんとご一緒したい」という言葉が、偽りなく仕事のやりがいになっていた。

とくにぼくは、入社3年目まで著しく添乗が苦手だったから、コツを掴み、継続して良い評価を残せるようになったときは、喜びもひとしおだった。入社5年目のときは年間100日を海外で過ごし、エキサイティングな毎日だった。良い仕事を選んだ。早々に会社を辞めなくて良かったと思う。

2011年:オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、エストニア、インド、シンガポール
2012年:ベトナム、ドイツ、オーストリア
2013年:カナダ、オーストリア
2014年:マレーシア、アメリカ、フランス、アラスカ、イースター島、カンボジア
2015年:アラスカ、ハワイ、韓国、ブルガリア、ルーマニア、インド、フランス、カナダ、オランダ

5年間で、たくさんの国を訪れた。かつての同僚と再会すると、「本当に貴重な経験だったよね」という意見で一致する。

フリーランスになって、自由な時間は生まれた。しかし自分のお金で海外へ行くことがどれだけ大変なことか、散々に思い知った。それもまた新たな学びではあったのだけど、学生や20代の方には、「ぜひとも若いうちは、会社のお金でダイナミックな経験(これは旅行に限らない)をたくさんしてほしい」と伝えたい。失敗も含めて、それが人としての幅を広げると思う。

「怒られているうちが花」という言葉があるけど、これは本当にそうだった。30代になり、おまけにフリーランスになると、滅多なことでは怒られないし、怠けていても、誰も何も言わない。だから自分で目標を設定しないと、成長は鈍くなる。こういうことも、会社員の頃にはわからなかった。

働き方に優劣はない。会社員であれ、フリーランスであれ、起業であれ、それぞれが自分に合った働き方を選べばいいと思う。どちらも経験することで見えてくるものもたくさんある。

何にせよ、ガムシャラに努力していた会社員の頃を思い出し、これからも良い思い出をたくさん残せるよう頑張ろうと思えた。時間を大切にしたい。

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