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エッセイを書く際に意識していること&上達のアドバイス

最近、「マシュマロ」というサービスを始めました。これを使うと、ぼくに対して匿名で質問やメッセージを送ることができます(無料)。基本はXで回答しているのですが、良さげな内容になったときはnoteにも掲載します。

【Q】
いつも発信楽しみに拝見しています。

私も中村さんみたいに、見た景色や人から聞いたことをもとに文章にしてみたいと思うのですが、考察が甘く文章にオチがつかないと申しますか、

「こういう考えはすごいと思いました」「とても綺麗ですね」みたいなレベルの結論しか、なかなか思い浮かばず、文章に奥行きがないような気がしています。

中村さんの発信を見ていると、日常的に見聞きしたことからご自身の体験に引き寄せてみたり、教訓を見出したりされているところがすごいなと思っているのですが、何かを見聞きし、それをエッセイなどにまとめる際、どんなことに気をつけていらっしゃるのか聞いてみたいです。

【A】

松浦弥太郎さんは、著書『エッセイストのように生きる』のなかで、「エッセイは『秘密の告白』である」と表現されていました。

多くの人がまだ見つけていない秘密を探り、言葉にしたものがエッセイというイメージなのだそうです。ぼくもこの感覚に近く、「自分なりの気付きや発見を書く」というイメージでしょうか。

もしも大して心が動いていないものを頑張って書こうとしても、深い内容にするのは難しいでしょう(ぼくであってもそうです)から、感動したものや、良い話だなと思ったことや、何か自分なりの発見があったこと、喜怒哀楽の感情が生まれた出来事などを、テーマにすると良いと思います。普段とは異なる体験をしたときも書きやすいでしょう。

別に読者に「すごい」と思わせる必要はないので、素直にご自身が感じたことを、書けばいいと思います。変に「良い話」にする必要はないですし、オチが必要なわけでもありません。誇張表現もできるだけ避けましょう。

たとえば、「こういう考えはすごいと思いました」と書いた場合、自分に対して、「なぜすごいと思ったのか?」と疑問を投げかけてみましょう。そうすると、「普通は・・・なのに、これは〜〜〜だからすごいと思った」のように、深掘りができるかもしれません。

ぼくはそうやって自分への問いかけをひたすら繰り返すことで、漠然とした言葉をどんどん具体的にしていきます。その過程で、「そうか、だからすごいと思ったんだ」と発見することがあります。これこそが「秘密」の発見で、それを書くことが、「秘密の告白」と言えるでしょう。

何かを見たときに、ふと別の何かを思い出すことはありませんか?
あるいは、誰かの話を聞いたときに、「そういえば◯◯さんも同じようなことを言っていたな」と思い出すことはありませんか?

ぼくはそういうとき、よくエッセイに「リンクしたエピソード」を盛り込みます。そうすると、自分にしか書けないオリジナルの話になるし、「意外な展開や結びつき」は読み手にとっても興味をそそられるものです。

あとは、当然エッセイは一朝一夕で身に付くものでもないので、

・たとえ浅いと感じたとしても構わないから、文章を書き続けること。
・様々な経験を増やすこと。
・経験したことを言語化する癖をつけること。そのとき、自身の感情がどう動いたか、どう考えが変化したか、などを盛り込む。
・プロの作家が書いた優れたエッセイをたくさん読み、「テーマの選び方」や「視点」「物語の展開」を感じ、吸収すること。

などを意識すると、どんどん文章が良くなると思います。

ぼくも昔は全然大した文章を書けませんでしたが、書き続けるなかで上達していきました。書くことを楽しみながら、頑張ってください!

村上春樹さんの『村上ラヂオ3: サラダ好きのライオン』というエッセイ集は、ひとつ2000字前後のエッセイが並んでいて、読みやすくてどれもおもしろいです。何かヒントになるかもしれません。

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