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「良い話」聞いて満足してる人、バカにしながら私も同じことしてた

社会人になりたてのころから「もっと成長したい」と思っていた。
コミュニケーション力もビジネススキルも足りなかったので「何とかしなきゃ」と思っていた。

だけど会社には「成長したい」と言う人はあまりいない。
技術系の人が多かったので「技術に詳しくなりたい」という人はいたけど。

なので社外でビジネススキルを学べるような場所を探し、とある社会人サークルに入ってみた。
このサークルに入って感じたことは「良い話」を聞いて満足する人が多いということだった。


「良い話を聞けたね、じゃあ何するの?」

この社会人サークルは20代が中心で、色んな会社や業種の人がいた。
活動内容はビジネス書中心の読書会やベンチャー企業の人の講演会とか。
営業の人とかはロープレとかもやってたかな。
(ちなみに怪しいサークルではない。宗教勧誘もないし、壺もサプリも暗号通貨も私は買わされていない)

このサークルの運営者の中にベンチャー企業の社長がいた。
IT系の社長で30代にしてかなり稼いでいるようだった。
私もその人と話したことがあるが、確かに頭が切れるし、人間的にも素晴らしかった。

サークルには情報交換用のグループトークルームがあった。
このトークルームにはたまに社長さんも最近読んだ本の感想であったり、ためになる記事を投稿していた。
他にも「毎日、具体的な目標を定めて実行しよう」とか「何ごとにも感謝しよう」などの短文を投稿することも。

そして社長さんが投稿すると、一斉にみんなが返信しだす。
例えばこんな感じ。

「ためになりました!」
「目標を決めます!」
「今日からやります!」
・・・

感想で通知が鳴り止まない

・・・「なんだかなぁ」。
私は段々違和感を持つようになった。

返信している人たちのことも私は知っていた。
そして、この人たちの行動はずっと変わらなかったことも知っていた。
「計画を立てる」といいながら毎回勉強会の準備が不十分な人、「感謝する」といいながら電車で席を譲らない人。

「もしかして『良い話』を聞いて満足していないか?」
いつしか私はそう思うようになった。

そしてある日、トークルームで言ってしまった。

「ありがたい話を聞いた皆さんは具体的に何をするんですか?」

もうちょっと柔らかい言い方あったよなぁ

私の投稿への返信は来なかった。
社長さんだけが裏でフォローしてくれた。

その後、居づらくなって私はサークルを抜けた。

本を読むだけで自分も満足してないか?

私の違和感の源は「みんな、良い話を聞くけど行動を変えない」ことだった。
行動を変えないのに社長さんへの返信はしていて、何となく媚を売っているように見えた。

私自身は「何をするか」を結構大事にするタイプ。
なぜなら決意だけをしてもすぐにぶれてしまうから。
だからこそ「何をやるか」まで決める必要がある。

私はこうして「良い話を聞いて満足する人」をバカにしていた。
だけど私自身もいつのまにか「良い本を読んで満足する人」になっていた。

私自身は結構ビジネス書や自己啓発本を読む。
だけど読んだ後、行動を何も変えていないことが多々あった。

「将来を考えるのは大事。なりたい自分を描こう」という本を読んで「将来を考えるの大事だな!」となって寝る。
そんな感じだった。
そして数日経てば本の内容を忘れているし、何も行動していない。

これじゃまずい。
自分だけが「気づいている」と思いながら、結局やっていることは変わらない。
これじゃ余計たちが悪い。

そこで最近は本を読んでから「今の自分が取り入れられることはあるか」とか「今の仕事に使える知識は得られたか」と振り返るようになった。
本の表紙に書き込んだり手帳に書き込んだりしている。
すると、段々本の内容を取り入られるようになった。

つまるところ、サークルの人たちをバカにしていた昔の私は「オレだけは気づいている」とマウントを取りたかっただけなのだ。
だけどそんなことを言ってる自分自身も行動していなかった。

本や講演、noteの記事もそう、学ぶ機会は色々ある。
大事なのは学んだ上で自分は何をするか。
具体的な行動を考えるのは大変だけど、何をするか決めるからこそ前に進めるのだ。

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