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影の輪郭

濃くくっきりとした影 淡くぼんやりとした影

空間に落ちる影を観察してみると、その濃さや輪郭にはそれぞれ違いがあることに気づくと思います。
今回の記事では影の輪郭に着目し、輪郭の違いがなぜ生まれるのか解説をしていきます。

影の性質は「光源」「遮蔽物」「被照射面」
この3要素の大きさと位置関係によって決まります。
便宜のため環境光や反射光は無視し、直射光のみを考慮した概念図をつかって解説します。


影のできかた

影は光が物体に当たり、その一部が遮られることによってできます。

概念図

光源を点として捉えた場合はこのようになりますが点というのはあくまでも概念であり現実に存在していません。
コンパクトなダウンライトであっても「面」をもちます。面であることを考慮すると概念図にリアリティがでてきます。

「面」を考慮した概念図

このように、光が完全に遮られた「本影」と部分的に光が届く「半影」ができます。
この「半影」が影の輪郭の性質をきめる要素です。
半影が小さいほど「くっきり」、大きいほど「ぼんやり」とした影ができるのです。

くっきり影の条件

くっきりとした影の発生には2つのパターンがあります。
ひとつは光源が小さい場合です。
光源が小さいため半影も小さくなり、影の輪郭がくっきりします。

くっきり影 パターン1

もうひとつは遮蔽物と被照射面の距離が短い場合です。
光源が大きかったとしても、光が拡がりづらいため半影が小さくなります。

くっきり影 パターン2

晴天時の自然光でできる影に近いイメージです。

ぼんやり影の条件

ぼんやりとした輪郭の影の発生はくっきり影と逆の2パターンです。
ひとつは光源が大きい場合です。
光源の大きさにともない半影も大きくなります。

ぼんやり影 パターン1

もうひとつは遮蔽物と被照射面の距離が長い場合です。
光源が大きくなくとも、光の拡がりにともない半影が大きくなります。

ぼんやり影 パターン2

曇天時に落ちる影のイメージです。

確かめてみる

テーブルと水平に広げた手を上下させてみると
影の濃さ、大きさ、輪郭の変化を感じることができると思います。
道具なしでできる実験なのでぜひやってみてください。

間接照明の納めかたを考える際にも役立ちますし「どんな輪郭の影を落としたいか」といった切り口での照明計画もできるかもしれません。

今後も照明に関する、ためになる記事を投稿していきますので
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