願望実現に至る7ステップ
願望が実現しないのは、この世の無常を分らぬが故のこと。
この世界の基本原則は、無常、つまりはいささかも同じではないということ。時間も物も、勿論人も。
何故? そんなの簡単。
この世の最小単位である、量子の振る舞いがそうであるからに過ぎない。
この世を構成している物質がそうである以上、世界のすべてが無常になるのは必定。それでも人間はこの世界の基本を無視するかのように生きている。
つまりは、自分が瞬きした次の瞬間に実は全く別の世界に生きていることに気づいていないのです。そうして誰もがそうなる前の世界を今現在に当てはめて、無理やり辻褄合わせをしている。
あたかも合わないパズルのピースを無理やりねじ込むように。
これでは願望を実現することもままならないのは当然。
今この瞬間を生きるのではなく、後ろを向いて文字通り過去を生きているのですから。
ほとんどの人がこのような人生の浪費の最中を生きています。
ではどうすればいいのか、それを今日は一緒に考えてみましょう。
そのためにまずは、エイブラハム「願望が現実化するまでの6ステップ」、バシャール「願望実現に至る7ステップ」などの有名なお話をもとに私が個人的に解釈した内容を読んでいただきたいと思います。
1.ビジョン Vision
夢のイメージ、アイデア、といった二次元的な設計図の段階。
『ある日ただ何となく思いつく』それがビジョン。
ビジョンの真意は、よく言われる私たちが思い描けることはすべて実現可能であるという根底部分。
この部分でよくある勘違いとして、周りと自分を比較して「年収を上げたい」「テストでいい点を取りたい」「良い家に住みたい」などと思う。
これらは明らかに自分に足りないものを補おうとする、いかにも手前勝手な自我が思いそうなこと。
真のビジョンとは、ある瞬間自然に「ふっと思いつくこと」です。
例えばわかりやすい例でいうと、将来において陸上のオリンピック選手になりたいと誰もが思うでしょうか?
おそらく多くの人々はそんな大それたこと考えもしない、つまりイメージすらしません。
このように、将来スポーツで世界的に活躍する選手の多くは、すでに幼少期からごく自然的に世界で活躍することに心惹かれているのです。
だからコツコツトレーニングに励めますし、そのこと自体にも無条件でワクワクするのです。
これは極端な例ではありますが、日々自分の中に思いつくものの中から、実際に行動したことがやがて夢への懸け橋になるというわかりやすいはじめのステップ。
つまりはこの段階で、よく言われる大きな夢を描こうなどという大それたことはしなくてよいということ。
身の丈に合った自分の思い思いを当たり前の日常の中でコツコツ積み重ねる段階。そして自分の思い付きについて最も重要なことは、誰もが自分の思い付きを当たり前だと思い込んでいるということ。
自分の思い付きとは、実はその瞬間に自分だけが思いついている何にも代えがたいこと。であればこそ、当たり前と思えることでも、たとえささやかなものであっても、それは特別なことなのです。
一方で自我レベルにおいては自分と周りを比較して、自らと無関係のことを勝手にあれやこれや頭の中で思い巡らせているのです。その上、多くの人々は自分の思い付きを馬鹿にしている、だからその夢が叶うことはない。
ビジョン、忘我・真我の状態、すべての始まりにして最も軽んじられていること、でも最も重要な事柄。
日本では古来よりこう呼ばれている『天之御中主神』。
2.欲望・意欲・衝動 Desire
ビジョンの所で、本当の自分だけの思い付きと自我が思うこととを混同しがちだといいました。
では自我が思考することは悪いことなのでしょうか?
勿論そんなことはありません。
「あの人のようになりたい」「お金が欲しい」「カッコよくなりたい」「あの人に振り向いてほしい」「将来への恐れや不安」
こうした誰もが日々抱いている感覚、特に羨望、憧れや将来への恐れや不安といった感情は人が生きる上で必要不可欠なエネルギー源。
自動車でいえばガソリンにあたる部分。
ときに人間はこれらの感覚を卑しいとか厭らしいものとして嫌悪し、それが生きる上でブレーキとなります。
そのために多くの人々が生きる気力を失い、何事にも意欲的に取り組めない状態となっています。
「自分に素直になって」「やりたいことをやりたいときにやってごらん」
これらの言葉は、元気づけるための方便などではなく、ただ本当のことを言っているだけ。
周りの目など気にせず、自分の思い込みに捉われることもなく、ただ欲望の赴くままに行動していいのです。何故ならこの段階ではまだ、行動すらしていない自分の中の感覚の話だから。
ただ思い巡らせている段階で、すでに多くの人が自分にダメ出しをしているということ。
いつ何時に何をどう思おうとも、そんなのは自由に決まっていますよね。
つまりはそういうことなのです。
『やるぞ!』と意欲的になっている自分を恥じなくていい。
欲望を汚らわしいものと思ったり、そんな自分を厭らしいと思わないで。
そんな自分を赦し受け入れることから始めよう。
欲望なくして意欲的になれるはずがないのです、つまり行動するために自分の中から出てくる当たり前のこと。
そうした抗いがたい欲望のことを衝動といいます。
3.信念 Belief
日々自分が思いつくこと、何気なく自分が意欲を感じること。
何故、それをしたいと思ったのか、それらが必要だと思ったのか。
自分の中にある何気ないそれらの感覚を当たり前だと思っていませんか?
実はその中に信念が隠されています。
信念とは、自分が信ずるに値する何か。
信念は自分だけのものであり、他の誰とも似て非なるもの。
日頃から何気なく行っていることが、将来必要になるから今それを欲している感覚。けれども多くの人々がこの段階で、自分の中の信念を否定し自分の中深くへと押し込める。
そうした自分とはまるで無関係で否定的な言葉によってかき消してしまう。
一方で自分を信じている人々は、自分の中にある思いを大切にし、何よりも信頼する。それらに素直に従い、己の中からわざわざ出てきてくれたことに感謝さえします。
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さて御覧の通り、3ステップ目ですでに人類のそのほとんどが、スタートラインにすら立たないまま引き返しているのです。
99%の人が自分を信じられず、自分の信念を自ら打ち消してしまっている。であればこそ、自分の中に信念というものが存在していることにさえ気づけぬままに今を生きているのです。
4.受容(統合) Acceptance
人の心は移ろいゆくもの、つまり無常であるということ。
無常であるということは、私たちの願望は日々移ろいゆくもの。
そんな自分の中の感覚を完全に受け入れ赦す、それが受容。
寝る前までは朝から散歩に行こうと思っていたけど、朝起きてみたら車でドライブに行きたくなった。でも先に決めたスケジュールをこなさないと、そのあと時間があったらドライブにも行こう。
なぜ?? 今ドライブに行きたいのに、昨晩の予定を優先する意味がどこにあるのでしょう?
でも現代人のそのほとんどが、昨日と思い込んでいる日に決めた予定をこなそうと命まで削って必死にもがいています、どうして??
自分を信じ切れていないから、自らを信頼しきれていないから。
なぜ?? もう目の前に願望実現が迫っているのに、どうして??
自分に自信がないのは何故なんですか? どうしてそんなに自分を赦せないんですか?
変わりゆく移ろいゆく己が恐ろしいのですか? 自分を信頼することが不安なんですか?
ではどうして今まで生きてこられたのですか? これからも何とかなるんじゃないんですか?
過去は認めているくせに、今この瞬間の自分を受け入れられないなんて矛盾してますよね?
そんなに自分に降参するのが嫌なんですか? 自分を受け入れるのが赦しがたいことなんですか?
なぜ?? もう少しです、もうほとんど答えの目前です。
もし自らを赦し受け入れられたらそこがスタートライン。
いよいよ願望実現へ向けて具体的に歩み始めるとき。
5.意識・意図・意志 Intention
自分の中から何となく思い浮かんだ≪ビジョン≫、でもそれを意識し意図できる人は少ない。
はじめに思い浮かんだ段階では、薄ぼんやりとしていて、どことなく浅はかで輪郭がおぼろげだから。
そして実際に思い浮かんだものはすぐにはじめから存在していなかったかのように自分の中から儚くも消え去ってしまう。
ですからそうなる前に、メモするなりして記録してあげるといいです。
その上で後々メモを見返して、その内容を意図しましょう、続けて何か思い浮かんだらどんどんメモに追加し整理するとより好ましい。
やがて≪ビジョン≫はどんどんクリアになっていき、実現可能と思える内容へとなっていることに気づくでしょう。
もうこの段階で自分の中のワクワクが大きくなっている筈、なんだか楽しそう、これはいけるぞ! 的な。
それではもっと明瞭に具体的に意図していきましょう、この段階が意志と呼ばれるステップ。
実はもうほとんどこの段階で、その願望は実現している状態です。
あとは現実に目に見える形にするだけということ。
つまり本当にそれらが、この世界に現れることを許可するのです。
もう居てもたってもいられませんね? それも当然です、ここまで実際に何一つ大きな動きもなく、そのほとんどが頭の中での出来事でしたから、相当のフラストレーションがたまっている筈。
それももう終わりです。お待たせしました、では実際に願望を実現していきましょう。
6.行動 Action
ここまで、思いつく、衝動的になる、自分を信じ受け入れ赦す、意志を持って許可する、というステップを踏んできました。
ではいよいよ行動をはじめましょう。
ここでいう行動とは、実際にそうなった状態を指します。
つまりはあたかも既に夢が叶ったように行動し続けるということ。
成功者に共通していることがあります、それは彼らは憧れる人のようになりたいと思いはすれど、具体的に真似をしたりはしません。
同じようにやって同じようになりたいと執着しないのです。
成功者ははじめから、”憧れの人のように”と、やり方ではなく、在り方を望むのです。
この決定的な違いを多くの人はわかっていないから、具体的にどうすればいいのかのノウハウを探し求める。やり方などはじめからどうでもよくて、自分がどう在りたいかが問われているのです。
だから憧れる人の真似をするのではなく、憧れる人のように日々を過ごし続ければいいのだ。
行動において重要なことは、「こう在りたい」と「そう信じること」これは全く別のことだということ、信じるとは、信じている状態が永続することを意味します。
繰り返しますが、在り方なのです、こう在りたいと信じていてはずっとその現実を引き寄せ続けるのだということ。こう在り続けたいも同じ、無常な世界では必ず物事は変わり続けるからです。
すなわち確信、自分が思いついたのですからもうすでにその願望は実現間近、であればそのことに確信し、そうなることを知っている状態、つまりこれこそが本当の在り方。
この段階ではもう何か思考を巡らせる必要もないのは言うまでもないことですよね? この段階にたどり着いた時点ですでに準備は整っています、ですからあとはもう現実が駆け足でこちらにやってくるのを行動しながら待つ段階なのは明白。
これこそが人間が行うべき真の行動というもの。
今現在多くの人々が行っている行動は、自分と無関係なことをするとどうなるのかという、願望実現ゴッコに過ぎません。
あえて強い言葉を使うなら、人生を浪費しているに等しい状態。
さて、あと一歩でゴール、でもそれが何よりも難しい、だからこそ面白い。
7.手放す・委ねる let go
あとはゴールテープを切るところまできましたね。
本当に素晴らしいです、では今までのすべてをここで投げ捨てましょう。
そうです、無条件に手放しすべてを委ねるのです。
そしてさらにその結果にさえ期待しないということ。
これはあきらめるのとは違います、究極の赦し。
この世界ではあるがままこそが完璧な姿だから。
おおよそ信じられないでしょうが、この世界では相反する力こそが最も強い力を持っている。
この世のすべてを構成している粒子の中にもプラスとマイナスの相反する物質が共栄し、そのことによってこそ、世界の真理が構築されているという。
この力は昔から「パラドクス」と呼ばれるもの。
弓矢を放つ様を思い浮かべてみてください、まず一度力強く放つ方向と反対に弓を引かねばなりません。
夢にいち早くたどり着きたいのであれば、逆方向に力を使わねばならないということ、それと同じ。
このゴールの先には、これまで自分が意図したものなど思いもよらないような信じられないような体験が待っています。
ゴールテープの先に手ぶらで進める人間はここまでたどり着いた1%の人間のみ。それも当然でしょう、すべてを失うのですから、これほど恐ろしいことなどありません。
ある意味自分自身さえも差し出す行為、誰にでもできることではありません。せっかくここまで来てもほとんどの人間は回れ右します。
仮に臆病風に吹かれ逃げ出したとしてもなお、人生は続くのですからそれもまたいいでしょう。
でも一度きりの今生、たった一度の勇気を出してみてもいいのではないかと思います。どうかその一歩を踏み出してください。
おわりに
自分の願望を叶える際、最も気を付けないといけないのは、願いを叶えようとすればするほど、自分の軸からズレるということ。
なんともまったく困った仕組みですが、そういうルールである以上、決められた枠組みの中で生きるしかありません。
逆説的に言えば、自分の軸の中にさえいれば、あたかも世界線が移動したかのような、枠組み自体が置き換わるようなデタラメな出来事が起こったりします。
今回、長々と色々なことを書き連ねてまいりましたが、結局は自然体であることが、何事にも肝要なのだろうということです。
とにかく自分の心に素直に従って、その結果がどうなるのかを見定めてみることから始めてみてほしいと思います。
もう耳にタコでしょう、それでも言わねばなりません、自分らしく、あるがまま、心の赴くままに、です。
そうする内に段々と結果に執着しなくて済むようになりますから、是非とも継続し行動し続けてください。
さて、これでもう大丈夫ですよね、自分が如何に天才であるかがおわかりいただけたかと思います。それでは長々とお疲れさまでした。
これからのあなたの人生に素晴らしい現実が訪れますように。
タイトルイラスト
著者プロフィール
いつも本当にありがとう。 これからも書くね。