BJによろしく
ブラックジャック(以下BJ)展に行ってきました!
手塚治虫の名作「アトムキャット」とコラボさせていただいたご縁で、名作中の名作・BJ展のレセプションに招待して頂きました。
俺の人格形成にも深く関わっている作品の1つ「ブラックジャック」がどんな風に展示されているか楽しみです!
その前に言いたいんだけどさ、言わずと知れた名作中の名作・BJだけど、ちゃんと読んだことのある人が少ないのは非常に残念だ。なんなら義務教育の道徳に「BJ」とか「藤子F不二夫SF短編集」石ノ森作品とか取り入れた方が良いよ、マジで。
入り口を入ると広がる撮影可のエリアには名セリフや名物キャラクターの紹介などが大きなパネルで展示されていて、フォトスポットもある!最初のスペースだけでも1時間じゃ見きれないボリューム。
撮影可のエリアを進んでいくと、その先には撮影不可エリアが。
進んでいくとBJの原稿がズラリ!!
それはそれは凄まじい量の原稿が展示されている。しかも、そのどれもがこれまで見てきた数々の原稿の中でもぶっちぎりで美しい。
線の美しさ、コマ割りの巧みさ、「漫画の神様」と呼ばれるのも当然と思わせられる。
今では当たり前になった手法の多くは手塚が生み出したものだが、オリジナルの迫力はレベルが違う。
ハッキリ言わせてもらうと、1ページ…いや、ひとコマの情報量が桁違いなんだよ。見れば見る程その線やコマ割りが持つ意味に気付かされる。
多くの漫画家に影響を与え、多くの読者を夢中にさせた「神」の画力は俺ごときの想像を軽く超えていた。
「生きたい」「死にたい」「生かす」「殺す」「愛情」「憎悪」「嫉妬」「羨望」「苦悩」「自信」「出来る事」「しなければならない事」「理想」「挫折」「矛盾」「法律」「正義」「悪」…
1話完結の中に詰め込まれた奥深いストーリー。現在の漫画ならこの1本で4~5話は描けるだろう。なんならこの1話分のストーリーを追求するだけで連載を続ける事が出来るくらい奥の深い漫画だ。
いや、奥深いなんて言葉じゃチープ過ぎる。
全ての生命に対する最大限のリスペクト。全ての生命は平等に扱われるべきだという思想。目の前にある生命はこの世でたった一つの命なのだ。失われれば二度と生まれる事のない命なのだ。それを大切にする者、粗末にする者、様々な人間の思いを漫画で表現することの出来る人間が他にいただろうか?いなかったから手塚は神と称されるんだろう。
漫画史は手塚以前と手塚以後にハッキリと別れると断言できる。
漫画は漫画であるべく、どんなにシリアスなストーリーでも必ず漫画的手法を取り入れるが、品性を忘れない。
そんな手塚作品はこれからどれだけ時を経ても色あせる事はないだろう。
最後に、BJ作中の名言を一部紹介しよう。
どんなシーンでこのセリフが出たのかは説明しない。
是非、本作を読んでみて欲しい。
「正義か そんなものはこの世の中にありはしない」(約束 より)
「たいしたやつだな 簡単に五人も死なせるなんて こっちはひとり助けるだけでせいいっぱいなんだ」(病院ジャック より)
「医者は人のからだはなおせても ゆがんだ心の底まではなおせん」(灰色の館 より)
「いいか 患者になおろうという努力の気持ちがあってこそ医者の治療はききめがあるんだ」(されどいつわりの日々より)
「家なんか何軒も建つが この子の命はひとつかぎりだぞっ」(台風一過 より)
「医者はなんのためにあるんだ」(ちぢむ より)
「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて おこがましいとは思わんかね…」(ときには真珠のように より)
「それでも私は人をなおすんだっ 自分が生きるために!!」(ふたりの黒い医者より)
みなさんのお気持ちは毛玉と俺の健全な育成のために使われます。