丹羽良徳

パフォーマンスと記録映像の領域を行き来する芸術家。オーストリアの首都ウィーン在住。現在…

丹羽良徳

パフォーマンスと記録映像の領域を行き来する芸術家。オーストリアの首都ウィーン在住。現在、ロンドン、ニューデリーでの展覧会を準備中。 https://yoshinoriniwa.com

マガジン

  • ウィーン制作日誌(2021年から継続中)

    丹羽良徳のオーストリアの首都ウィーンでの制作日記。主に展覧会、制作、そして生活に関すること。映像制作からソーシャルプロジェクトまで。だいたいヨーロッパのどこかにいる。現在、コロンボ、モスクワ、テルアビブ、ブカレスト、バーゼル、ウィーンでの展覧会を準備中。https://yoshinoriniwa.com/

  • 丹羽良徳の徘徊日記(2013年厳選版)

    アーティスト丹羽良徳が2013年に不定期で記した日記厳選15本。写真はモスクワを展覧会下見のために訪れた時の様子。2012年以前の厳選日記も後日公開します。

  • 丹羽良徳の徘徊日記(2012年厳選版)

    アーティスト丹羽良徳が2012年に不定期で記した日記厳選18本。写真は、ソウルでの展示の様子。2011年以前の厳選日記も後日公開します。

最近の記事

  • 固定された記事

自分の所有物を街で購入する, 2011/2021

「自分の所有物を街で購入する, 2011」というのは震災直後に日本で作った映像作品なのだけども、震災から10年ということでいろいろなニュース映像を見たりしてぼんやりと自分の記憶のなかで何があったのかを確かめたりすると同時に、なぜかこの作品が浮かんできたというか、10年前に作った作品だけども未だに映像作品の展示依頼があったりとなんとなく、このあとも着いて回ってくれる作品なんじゃないかとこっそり感じたりもした。直接、震災や原発問題には触れてはないものの、僕らが普段生活する、足

    • 神様

      ウィーンに帰ってきた。日本では、なんでウィーンなんかに住んでいるんだ?と800回くらい聞かれたものだから、その時その時の思いつきでいつも違う説明したのだけども、そのどれも間違いではなかろう。理由なんでいうのははっきり説明できるものではなくて、その時その時の状況によってはだ随分と様変わりしてしまうようなものだろう。とはいえ、ウィーンに帰ってきた後の感想は、ああ日本のご飯は新鮮だし、美味しくて安い、地方に行ったならばどこにもそれはユニークな食材で美味しい地元料理が食べれて素晴らし

      • 建築の言い訳

        ヨーロッパの都市建築のあの重厚な建築群に囲まれて暮らしていることが慣れてしまうと、日本のどこの都市を訪れても、ここにはどこか今現在の状況だけがあって過去も未来とも接続しないどこか荒地に来てしまったのではないかと思うことがある。強さと優雅さを誇示するスローガンのようなあのヨーロッパの建築は、威圧的ではるけれど慣れ親しんでしまえば、あれが何を意味しているのか意識的に理解してないにせよ、自分とは直接的に繋がっていないにせよ何かどこか懐かしいというか過去との接続を視覚的に直接的に伝え

        • メッセージ

          第8回横浜トリエンナーレが横浜美術館で開幕してから、およそ1ヶ月半。少しだけそのあと日本滞在をしようと考えて、横浜から東京、鎌倉、名古屋、福岡などに出かけるのだけど、その時々に地元テレビ局が何を報道しているのかしらなんて覗いてみるのだけど、これが悉く酷いもので、ほとんどの場合は、よくわからないタレントを起用して地元商店街の食べ歩き番組だったり、有名人がよくわからない料理を調理したり、少しだけ国際ニュースなのかなと思ったら野球のニュースだけだったりして、食べ物と野球に支配さてい

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        自分の所有物を街で購入する, 2011/2021

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        • ウィーン制作日誌(2021年から継続中)
          186本
        • 丹羽良徳の徘徊日記(2013年厳選版)
          16本
          ¥300
        • 丹羽良徳の徘徊日記(2012年厳選版)
          18本
          ¥400

        記事

          自分の所有物を街で購入する

          この作品は何回展示してるんだよというくらい展示回数が多い作品のひとつである。日本やヨーロッパを中心にギャラリーの個展や美術館のグループ展まで様々だけど、ぱっと思いつくだけでも、東京(2011, 2012, 2016, 2022)、名古屋、マニラ、ライデン、ワルシャワ、クラコフ、ウィーン、ハイファ、思いつくだけでも8都市でやった展覧会に出したみたいだ、もしかするともっとあるかもしれない。それで今年2024年は、第8回横浜トリエンナーレにもこの作品を出品しているのだから、さらに増

          自分の所有物を街で購入する

          喫煙者

          ちょっと困ったなあと考え事をしているうちに1日が過ぎてしまって、もしかするとこのまま人生が終わってしまうんじゃないかという不安に流されならも、なんとか生きていこうと決意するが、また明日になればなんらかの不安に飲み込まれそうになってしまうのかなと思いながら吸うタバコがうまい。日本に到着するたびに、なんでこんなに喫煙者が嫌われてるのかと嫌な忸怩たる思いを感じながら、明日も資本主義やるのかなと思うと気分が晴れない。

          経済ダメージ

          第8回横浜トリエンナーレが始まったので、そのためにというか展示作業をするために、日本滞在することになったので、やっぱり来てみれば はるばる飛行機でやってくるのだから、なんとなくというか、やっぱり貧乏性なのか、あれもこれもやろうと思ってしまい、日本に到着する前にはエティハド航空が提供しているストップオーバープログラムでアブダビのホテル2泊が無料になると聞いたので前触れもなくアブダビに滞在した。日本に到着してみれば、また東京も行きたいな、あそこにも行こうということになって、気づい

          経済ダメージ

          裏金の風景論

          日本から聞こえてくるニュースといえば「裏金、裏金」とうるさいなとずっと思っていたのだけども、そもそも裏金が実態が全然解明されないどころか、組織的に長らく行われてきた自民党の悪し習慣であり税金逃れどころか、国民を舐め腐った組織であるにも関わらず、岸田首相は「裏金の定義は困難。文脈で意味が異なる」 というのだから、もはや何がなんだか善と悪の違いさえなくなってしまいそうだよと叫びたくもなる。いや、ニュースが音声として聞こえてくるだけではなく、それは何か心を侵そうするなんらかの力を持

          裏金の風景論

          クリスマス会

          ウィーンに引っ越ししてから7年半くらいが経過してしまった。年を超えてしまえば、もう8年も間近になるわけで、時間の経過は早いものだなとのんびり考えてる暇もなく明日はやってくる。クリスマスが迫る夜中の地下鉄に乗れば、酔っ払いが座席に倒れ込むように寝ていて、いびきをかいている。ヨーロッパでもみんな平和ボケてるんだなと思っていたら、その酔っ払いはそのまま床に放尿してしまい、床がびちょびちょになってしまった。周りの乗客は面白半分に写真と撮ったりしながら笑ったまま、電車は終点駅に向かった

          クリスマス会

          路上の主人公

          学生の頃から卒業してからしばらく、とても長い期間、宅急便のヤマト運輸の集配担当としてでアルバイトしていたので、路上に落ちているゴミからガラクタからあらゆるものをチェックする習慣がついたのかどうかわからないけれど、昔から道で拾った使えそうなものは、持って帰り汚れを落として使う習慣があった。もう10年以上前になるけど、ボロボロのカメラバックを路上で拾って、数年間はそれを持っては海外のビデオ撮影したりしていた。ものこのバックはさすがに寿命となったので、捨ててしまって手元にはない。

          路上の主人公

          革命と言語

          百貨店そごう・西武の労働組合が8月31日からストライキを決めたというニュースがあった。日本の百貨店でストライキが決行されるのは60年ぶりだということで騒ついたニュースになっているのだが、こちらヨーロピアンの人々に聞いてみると「まあ労働者の意見を述べる貴重な機会だから同然だ」だというし、僕の住んでいるオーストリアでもインフレを背景に賃上げを求めたりするビール工場やスーパーや鉄道職員が警告ストやったり、少し前行ったロンドンではひと月まるまる、病院や救急車を含む多くの産業が連続的に

          革命と言語

          夏休み

          なんと8月なのに、今日の気温は最低13℃、最高17℃だった。もはやこれでは冬ではないかというくらいに寒い。みなジャケットを着込んでいるし、外に出ると寒いと自動的に言いたくなるのもわかるし、どういうわけなんだか南オーストリアやスロベニアでは洪水が発生しているし、いくつかの地方で嵐と雪を伴う雹が降ったらしいのだから、もっとよくわからない。こうなったら何もやる気がなくなってしまうけれども、頑張ろう。

          期待

          誰が1週間が7日だと決めたのか知らないけれども、こういうのは気に食わない。勝手に労働する日を決めやがって、ろくなことがないし、そもそもなんで週末なんていうのが決められているんだと怒りに震えていると、日本から毎日のよう不幸なニュースが流れてくる。明るいニュースは、驚くべきことに全く記憶に残らない。先日の東京オリンピックは汚職まみれだということが判明し、マイナンバー制度の不信感が高まっているので政府は秘策を思いついたのか制度名を変えて問題がなかったことにしようとしているし、ネット

          アイデア

          夏が近づいてきているけれども、まだ涼しいし暑くはないので、まだまだ夏にはなるのは遠いかなと思いきや、みな夏休みの準備を早速しているようだ。僕らは今年、どこどこに行こうと思うとか、どうするだとか、6月暮れから9月末までは街は閑散としてしまう程に、それほど暑くもないのに、避暑地だとか行ってどこかに出かけてしまう。僕もいつも通りどこか、例年ならば9月頃少し観光シーズンを外したところでギリシャとかイタリア南部に行くことが多いのは、オフシーズンになるギリギリのところで飛行機や宿代が安く

          インフレの恐怖

          ニュースを見ていたら、ガス会社を変更すればインフレで値上がりしたガス料金が下がるかもしれないから比較サイトでチェックしろ、ということが書いてあった。早速チェックしてみたところ、確かに前年によりも高い料金が請求されるということが書いてあって、肝を冷やす。いや、しかしこれは去年1年間は割引があったから、それが今年になって割引なしの料金になっただけじゃないのか、つまり料金それ自体は値上がりしてないじゃないのかという考えが浮上して、余計に混乱。こういうニュースは余計なことを考えさせる

          インフレの恐怖

          オーストリアの祝日

          気温が27度になれば、もう夏だと言っていい。今年の夏の始まりは、日本の夏のように夕方になると急に豪雨になったと思いきや、すぐに止んでしまいカラッと晴れるというのを繰り返しているようだ。20時を過ぎてもまだ明るいのはありがたいのだけど、昨今のインフレははやく止まってくれないかといのが僕の希望だ。いつまでヨーロッパに住んでいるんだろうとぼんやり考えるけれど、それがいつまでなのか僕にも全然わからないまま惰性で住んでしまってはないかと聞こえてきそうで怖くなりそうだけど、今のところ怯え

          オーストリアの祝日