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オランダ人ママ友と英会話〜少し話せるようになってきた感覚【326】

 私は未だに海外の文化や言語に適応するのに時間がかかっています。海外の生活に適応するには、仕事(これはほぼ日本語で完結するものです)以外の時間をうまく使う必要があります。しかし、自分なりにはゆっくり準備を進めているのですが、まだ気持ちの面で乗れていないという現状があります。

 しかし、そんな自分に気持ちの転機が訪れました。今日はそのことについて記録しておきたいと思います。


言語は少しずつ進歩するもの

その日は娘の誕生日パーティ

 8月27日の日曜日、娘がお友達の誕生日パーティに招待されていたので、娘を自宅から少し離れた現地までトラムを使って行きました。

 片道1時間ぐらいかかるところで、ましてやその日は雨が降っていたため、2回の往復はかなり大変だなと思っていました。

 パーティが始まる時間に合わせて現地に到着し、娘を送り出してから一度帰宅しようと思ったその時でした。
 娘のクラスメイトのママ友が「今から家に戻るの?もしよかったら家の近くまで車で送っていってあげようか?」と言ってくれたのです。

 いろんな人と交流したいと思っていても、なかなか現地コミュニティとの関わりに積極的に慣れていなかった自分に、わざわざ声をかけてもらったのが驚きであったとともに嬉しさを感じました。

異言語を使って「異文化の人たちと話すって楽しい!」という経験

 自宅まで送ってもらう30分の間、そのママ友といろんな話をしました。
夏休みはどんな風に過ごしたのか、週末はどんなことをしているのか、ヨーロッパにあるいろんな国の話、そのママ友がハーグ出身で今住んでいる街をとても気に入っている、などを話しました。正直、日本語以外でこんなに落ち着いて話せたのは人生で初めてでした。

 まず私が自分のことで驚いたのは、かなり英語の会話ができるようになっていることでした。特に、自分から質問をして相手が答えてくれる内容がある程度分かるのは大きな発見でした。
 ちなみに、元英語教員の妻が一緒にいる時は、会話のスピードが早く私は内容を理解するので精一杯になるのですが、今回は2人での会話だったので、非常に落ち着いて会話に専念することができました。また、相手も私があまり上手に話せないのは理解してくれているので、私のペースに合わせて話してくれたのがとてもありがたかったです。

 この経験は私に1つの自信を与えてくれました。私は「外国語ができない」のではなく、ある一定のレベルで止まっているだけでした。自分の今の立ち位置として、英語であれば「相手の話していることは何となく分かるからゆっくりの会話であればできる」、オランダ語は「語彙不足のために会話のレベルに至っていない」ことが分かりました。

 何よりも「異国の人とじっくり会話できることが楽しかった」という経験ができたことが喜びでした。
 あまりにも嬉しかった私は、最後に「あなたと話せてよかった」と言って握手をして別れました。

 お恥ずかしながら、自分で自分の可能性を狭めていたことを痛感しつつも、日頃から他の人の会話に耳を傾けたり、時間がある時にフレーズを音読したり、こういう場面では何て言ったら良いんだろうと考えていたことが少しずつ成果として出てきているように感じることができ、やろうと思えばできるんだということが改めて理解することができました。

「多文化を知ること」も大切だと考えるオランダ人ママ友

 私は以前、娘が通う現地校のクラスで日本文化を紹介するワークショップをしました。今となっては2年近く前の話だったのですが、その時のことについて改めて「やってくれてよかった」と言ってくれたのです。

 今回お話ししたママ友の娘は、中華料理のレストランの看板などに書いてある漢字を見たら、「これは〇〇(私の娘の名前)なら読めるよ!」というらしいです。
 また、「日頃アルファベットが当たり前の私たちにとって、自分の名前を日本語で書くとどんな表記になるのかもすごく魅力的だった」と話してくれました。

 オランダ語もほとんど話せず、英語もそんなに流暢に話せない自分でも、このオランダの子どもたちの役に立てることがあるんだということを再び思い出しました。おそらく、言語については自分ほど周りは気にしていないというのが現実なので、結局「何事も自分次第だ」というのは重々承知しているところです。

異国での生活はまずは「マインドセット」から

 結局、私の成長や行動範囲を狭めているのは誰でもなく私自身でした。
 オランダに来て嫌な思いをしたことはほとんどありませんが、強いて言うならば、隣に住む高齢者の一人暮らしの女性から「ここはオランダなんだから、オランダ語もっとやれ、この愚か者め!」と言われたぐらいです。これはさすがにショックでしたが。笑

 私は言語の習得に関係する要素は、「マインドセット × 継続性」なんだと思いました。言語の勉強は、目に見えて分かりやすく毎日成長するものではなく、少しずつ自分ができる表現が何となく増えている感覚に近いのではないかと思っています。しかし、そのためには毎日ある一定の外国語に関わる時間が必要になります。

 言語素人の私からすると、「こういう時は何て言うんかな?」のシミュレーションを行うことが大きいと感じます。
 平成の日本的な教育を受けてきた私にとって、異質であることその国の言語がまだ理解できないということだけで十分打ちのめされる条件は整っているのですが、自分のできないところばかりに目を向けるのではなく、新しい世界を見るためにもっと前に向こうと思いました(いつも子どもたちに言っていることなので自分もそういう気持ちでいたいと思います)。

 移住から3年、ペースは遅いかもしれませんが自分なりに前に進めていることを感じさせてくれ、少し閉じこもりがちだった自分に対して声をかけてくれた彼女に心から感謝したいと思います。ありがとう!

 その日は雨が降っていたのですが、車で送ってもらった後、家に帰ると雨雲から刺す太陽の光が眩しかったのを今でも覚えています。

 これからも頑張ります。最後までお読みいただきありがとうございました。


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