三島義則(IBDP日本語Aチューター、小・中学生の継承語学習、日本の高校・大学受験オンライン)

2019年オランダで日本語教室Edubleを開設、その他オンライン家庭教師(日本在住の…

三島義則(IBDP日本語Aチューター、小・中学生の継承語学習、日本の高校・大学受験オンライン)

2019年オランダで日本語教室Edubleを開設、その他オンライン家庭教師(日本在住の生徒向け)、IB日本語サポートもしております。大阪の公立高等学校で8年間社会科の教諭をしていました。幅広い年齢の子どもたちの学習サポートをしながら、オランダで学んだことを記録しています。

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オランダの学習教室EdubleのHPをリニューアル【406】

 こんにちは!オランダのデン・ハーグにある学習教室EdubleのHPをリニューアルしたのでお知らせいたします。これまでは、ホームページの編集が複雑でなかなか更新するのに苦労していたのですが、この度Googleサイトを利用して作り直すことにしました。  オランダの教室での日本語レッスンや、オンラインでの日本語学習その他日本のカリキュラムに合わせた学習サポートについてご興味のある方は以下のHPをご確認いただき必要に応じてお問い合わせいただければと思います。  その他、YouTu

    • オランダ市民化テスト"Inburgering Examen"総括(2023〜24年)【407】

       4月にオランダ市民化テストの最後に受験した「スピーキング」が終了し、無事に合格をもらうことができました。これから申請に移っていくわけなのですが、学科試験が無事に終了したのでここで記録を残しておきたいと思います。 苦手な言語の学習 私にとってオランダ語は第3言語になります。大学卒業までは日本の教育で英語を学んできましたが、入試科目としての読み書きはできても実用的な外国語習得には至っていない感覚が残っています。そのため私の中には言語を学ぶということについて苦手意識も強く、本当

      • IGCSE"Economics"(経済)でどのような課題が出させるのか【405】

         先日、IGCSEのカリキュラムで学ぶ生徒のレッスンの中で「経済」の課題をサポートしました。私は元は社会科の教員なので、生徒の日本語で概念を理解する手助けをしながら私自身も社会科の学びをアップグレードさせてもらっています。そこで、私が感じた社会科の日本との学び方の違いについて記録しておきたいと思います。まずは、課題で求められていたことについて日本語でまとめます。 課題までに学習してきたこと 授業では「市場の失敗」について、自動車を利用する人が増えることで便利さや関連産業への

        • オランダ在住(5年目)日本人家族の子どもの日本語事情〜日本語を学ぶのではなく日本語「で」学ぶ機会を【406】

           私は日頃、日本語教室で子ども達の日本語学習のサポートをしていますが、教室での授業のノウハウをそのまま我が子に使うことはできません。なぜなら、子どもにとって私は「父親であり講師ではない」からというのが大きいと思います。そのため、我が子の日本語を学習する機会を確保するのが最も困難なことだと感じています。  我が家では、定期的に読み取りの問題(これはオランダ語の読解問題に対応するため、母語の強化を学校から求められている事情もあり)以外は、基本的に本人に任せるようにしています。と

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        • オランダ生活・教育 vanaf 2020
          81本
        • Eduble日本語クラスの実践記録
          34本
        • インターナショナルスクールで学ぶ「経済」
          12本
        • 世界の探究学習カリキュラムとの出会い
          23本
        • IBDP日本語A 2021〜取扱説明書(SSSTも含む)
          14本
        • 母子家庭一人っ子で育った私が父親として娘にできること
          3本

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          IGCSE History「歴史」の評価(試験と評価規準)【404】

           これまでケンブリッジ式のカリキュラムIGCSEで学ぶ「歴史」について、シラバスや過去に出題された試験などを見て感じた魅力をまとめてきました。今回は、最終試験で出題される形式や評価規準についてまとめていきたいと思います。この評価方法を確認することで、学習の捉え方が変わる可能性が高くなります。私も、実際に国際バカロレアやIGCSEのカリキュラムの評価方法を学ぶことで、自分の授業での教え方や生徒に求めるアウトプットにも大きな変化がありました。 評価の概要評価は学校ごとではなく、

          IGCSE History「歴史」学習単元まとめ(シラバス日本語訳版)【403】

           日本の公立高校で歴史を学んでいる時に、「受験のために学ぶ」あるいは「単位を取るために学ぶ」というのはとてもつまらないものでした。大学に進学して歴史を学んでからは、今の社会の仕組みを理解したり、人としての生き方を考えるきっかけを与えてくれるのが歴史だと感じるようになりました。歴史はクイズのように答えをたくさん覚えることでも、大量に暗記してテストで高得点を取ったらそれで終わりというようなものではなく、「今起こっていることを正しく理解する」ことや、「よりよく生きるには」を追求する

          オランダ市民化テスト "Spreken(スピーキング)"学習記録【402】

           4月の末にようやくオランダ市民化テストの最終試験であるスピーキング'Spreken'のテストを受けてきました。日本のテスト文化だと8割が目安の感覚であることが多いので、6割の合格ラインは安心できました。結果は見事合格することができ、最後はONAという書類関係の手続きを済ませるのみとなりました。語学初心者でどちらかというと苦手意識の強い私でしたが、この試験に合格できたことは個人的に自信に繋がりました。もし可能であれば、このままオランダ語の勉強を続けたいと思います。  そんなと

          IGCSE History「歴史」のシラバスを読む〜科目の説明と評価目標【401】

           大学入試や校内の規定でガチガチに固められた中で、クリエイティブな授業をしようと思っても、自由な発想で授業を展開することはかなり難しかった記憶があります。日本国外で社会科がどのように教えられているのかを調べると、「社会の勉強はこういうふうに考えたら良いんだ!」や「そもそも評価規準が変わらないと授業や定期考査を変えるのは難しいかもしれないけれど、今の状況でできることは何かな?」という次のステップに進めると感じられるようになりました。そこで、現在私がインターに通う生徒たちの学習サ

          IGCSE History「歴史」のシラバスを読む〜科目の説明と評価目標【401】

          現地で育った移民から見たオランダの「進路選択」【400】

           先日、日本語がかなり流暢でオランダの教育を受けて育ったトルコ系のお友達が自宅に遊びに来てくれました。一緒にたこ焼きを作ったり、マリオカートで遊んだりしながらいろんな話をしてあっという間でした。その中で彼が考える「オランダでの進路選択」について興味深い話が聞けたので、ここに記録しておきたいと思います。 学校は「友達とのコミュニケーション」を学ぶ場所 妻はオランダ現地の学校で週に1度、英語を教えに行っています。元々高校教諭でもあった彼女が、異国でしかも小学生に英語を教えるとい

          オランダ市民化テスト"Schrijven(ライティング)"学習記録【399】

           私にとって3回目のオランダ市民化テスト、ライティングの試験を3月に受けてきました。これまで、'Lezen(読み)''Luisteren(聞く)'と'KNM(オランダ社会の知識)'を受けて何とか一回で合格でき、そして今回'Schrijven(書く)'はかなり不安でしたが、先ほど確認してみると無事に合格できたようです。私はスクールに通わず独学でしたが何とか基準を超えることができました。  今回はこの'Schrijven(書く)'に関して学習記録をしておきたいと思います。 試験

          IBDP日本語Aオンラインサポートのご案内(動画の紹介)【398】

           先月末にIBDP日本語Aに関するお問い合わせを数件いただきましたので、授業でどのようなサポートをしているのかについて動画を作成しました。  主にSSSTのチューターと最終試験対策のスポット受講の両方があります。  私は元々日本の公立高校社会科の教諭でしたが、授業の中で論述系のレポートやディスカッションをする際に、生徒たちの言語の扱い方をもっと向上させる必要があると強く感じていました。  母語であっても言語習得という段階で、いろんな考え方に触れ、自分の考えを誤解なく伝える

          保護者懇談でのQ&A〜Eduble教室だより【397】

           3月の最終週に、夕方の教室でのレッスンをお休みにして保護者の方とお話しする懇談週間を設定しました。日本国外で生活をする場合、日本語を継続的に学ぶというのは非常に難しいことです。1週間に一度の教室での90分の学習よりも、圧倒的に時間が長くなる家庭での日本語環境をどのように考えるのかが重要です。  そこで私も言語の専門ではないものの、この4年間で私自身が文献などで学んだことと、実際にいろんな環境にいる子どもたちの継承語の学習を見てきた経験が少しでも役に立てばと思い、個別でお話し

          子どもの話をよく聞いて、よく観察しよう【396】

           先週は妻が一週間仕事で家を離れていたので、私のレッスンの業務も一部お休みにしました。夕方の通常授業は休みにさせていただき、娘が学校に行っている間のみ、オンラインレッスンと保護者懇談をしていました。  学校の送り迎えと週末を娘と過ごしていた時に感じた「子どもの話はちゃんと聞かないといけない、子どもを観察するといろんな子育てのヒントがある」というエピソードを記録しておきます。 ハムスターの動画 3月にハムスターを飼い始め、娘は初めてのペットに大喜びしていました。毎日、手に乗

          高校生「小論文」講座(教育学系):「問と答の距離(大田尭『学力とは何か』)」より【395】

           私は現在、オンライン家庭教師として学習サポートをしています。高校受験と大学受験の小論文やその他「国語・数学・社会」などのレッスンもさせていただいています。今回は、最もキャリアの長い「小論文講座」で行ったレッスンについて紹介をさせていただきます。オンラインレッスンの場合、基本的には1対1でのサポートになります。 「読む」スキルと「考える」材料をしっかり準備してから 私のこれまでの指導歴や受講してくれた生徒たちからの口コミなどは以下に紹介しています。  私が小論文指導で大切

          高校生「小論文」講座(教育学系):「問と答の距離(大田尭『学力とは何か』)」より【395】

          「漢字」ができなくて泣いてしまった子〜継承語の視点から〜

           今日はオンラインでスポット受講をしてくれている小学生の漢字学習の時に、あまりにも読めない漢字がたくさん出てきて泣いてしまった子について私が考えたことを記事に書きたいと思います。  日本語の外で生活していて、日本語を学ぶということは本当に大変なことではあるのには違いありません。  しかし、子どもが納得できていない状態で心が傷つくようになるまで無理やり進める必要があるのか、仮に日本語を学んでほしいのであればどういう考えを持つべきなのかについて、私が考えたことをまとめておきたいと

          Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-3需要【393】

           ここまでIGCSEのカリキュラムで学ぶ中学生が学ぶ「経済」についてまとめてきました。日本のカリキュラムとの違いは、テストの時に説明が求められるということと、なるべく現実的な事例を使って学ぶところだと感じます。今回は、「需要」というテーマで需要曲線やそのシフトなどについてどのように学んでいるのかをまとめていきます。  'Apple'は、家電・コンピュータソフトウェア・オンラインサービスを設計・開発・販売するアメリカの多国籍テクノロジー企業です。アマゾン、グーグル、フェイスブ