チーズバーグディッシュの食べ方

ー私は、チーズバーグディッシュを頼んで、何の考えもなくサラダを食べ切ってからハンバーグに行く奴を、ひそかに軽蔑している。


皆さまはびっくりドンキーというホットな飲食店をご存知だろうか?
知る人ぞ知る名店である。
どうやら全国にも展開されているようだが、一端のファミリーレストランとは違う高い志を感じるのは私だけだろうか。


どう考えてもそんなに必要ないやろ、と言わんばかりに犇めきあう、ガチャガチャしたオブジェたちをはじめとした、USAナイズされた絶妙な店内ビジュアルコンセプトもそうだ。「ユニバの乗り物に乗る前の、あの、えっと、あの並ぶとこくらいゴチャゴチャしてんな!!」という切れ味の悪いツッコミを入れたくなる。文字にすればするほど切れ味が悪く吐き気がする。
しかしよくよく考えたら、ユニバも乗り物終わった後にお土産売り場がある。びっくりドンキーも、食べ終わったあとの会計スペースにデカデカとお土産が売られている。後なんか、微妙なマスコットキャラもいるし…。

私はかねてから、びっくりドンキー=ユニバ説を提言しているが、誰も賛同してくれる事はない。大体「は?コイツホンマにヤバいな、しゃべらんとこ…」みたいな顔しながら「ハハ…」と苦笑いされて終わりである。何故であろうか…。ちなみに話は逸れるが、私は大阪生まれ大阪育ち、生粋の関西人にも関わらず、ユニバには一回しか行ったことがないので、"アトラクション"って呼ぶのがなんか気恥ずかしく、"乗り物"と呼んでしまっている。ダサくて申し訳ないと思っている。

話をユニバから戻そう。
何よりびっくりドンキーといえば、シンプルに美味いハンバーグ。まさしく子どもたちからすれば楽園のようなこの場所。日曜のお昼に「久々にお昼外で食べよっか。どこがいい?」と親にきかれれば、食い気味で「びっくりドンキー!!」と答えてしまう子どもたちの気持ちがよくわかる。デカイ国道沿いによくあるのもファミリー層向け、車で入りやすいことが理由であろう。遠目からあのログハウスのような屋根が見えてきただけで胸が高鳴るよね?ちなみにびっくりドンキーの店舗の外観(内観も)は店によってそれぞれ異なるらしい。これとかもう不夜城やん…。デッドバイデイライトのステージとかで出てきそう…。

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しかし、齢28にもなっても私はまだ、びっくりドンキーの事が大好きだ。なぜなら、びっくりドンキーは単なる”子ども向け””ファミリー向け”のお店ではないからである。先述した、無駄に凝った店内もそうだし、ハンバーグは美味いし、サイドメニューだって最高だ。イカの方舟を考えた人には心から賛辞をお送りしたいし、何らかの賞を何らかの大臣からもらうべきである。

私がどのくらいびっくりドンキーが好きかというと、スタジオ終わり、22時ごろ、最寄駅、腹が減ったのと疲れたのでパーっと食い飲みできる所にでも行こうと思い、近所のびっくりドンキーを訪れ、一人で4~5000円近く払ってチーズバーグディッシュとマカロニ&チーズとナゲット&ポテトとドンキーオーガニックビールを2杯平らげるくらいである。

店員からしてもビックリ、もといドン引きだったであろう。会計するときには心なしかこちらの勝手な妄想か、額面を見て「よんせん…(えっ?)円、です(この人1人で何?え?怖)」みたいな反応やったもん。それでもウチ、ドンキーのこと、好きなんやで…。


ここまででいかに私がびっくりドンキーが好きかご理解いただけただろうか?しかし、これくらい好きだとハンバーグの食べ方にも、ちとうるさくなってしまうのがご愛嬌。突然で申し訳ないが、

私は、チーズバーグディッシュを頼んで、何の考えもなくサラダを食べ切ってからハンバーグに行く奴を、ひそかに軽蔑している。

いや、言いすぎた。ごめん。軽蔑まではしなくても、チッて舌打ちしてしまう。なぜか?

まずは味噌汁からだろうが。味噌汁頼めよ、三下野郎。
びっくりドンキーの味噌汁はマジで美味いんだよ。白みそをベースに選び抜かれた数種類のみそをブレンドし、提供する際にはみその風味を守るために1時間45分おきに作り替えているんやぞ?しかも日替わりだったり週替わりだったり具材が違うんや。まずはその季節感を味わえよ。

…まぁ、今のも言いすぎた。お門違いな怒りで申し訳ない。味噌汁はオプションとして是非楽しんでいただきたい、という気ばかりが先行してしまった結果だ。ただ本当に味噌汁はオススメなので是非頼んでください。


話を戻す。チーズバーグディッシュの食べる順番の話だ。
コース料理といえば、スープ、サラダ、前菜…と出る順番が決まっているが、あれはまず胃をあっためてから、とか、急に血糖値を上げないためにサラダを…みたいな理由があると聞いたことがある。
そのあたりで考えがあるならまだしも、チーズバーグディッシュ頼んでまずサラダ食べ切っちゃう奴、あれはいけない。チーズバーグディッシュの奥深さを舐めているとしか思えない。

チーズバーグディッシュはびっくりドンキーの中でも特に人気メニュー。コッテリ濃厚でしかもぶっといチーズが載っているのだが、そのチーズがハンバーグの熱で溶けて、絡んで、肉汁のジューシーさに、ねっとりとしたチーズの感触と芳醇な香りが混ざり合うあの瞬間!!このために生きている、と言っても過言ではない瞬間である。
ただしあまりに濃厚なため、300グラムとか頼んだら後半からだいぶしんどくなってくる。150グラムでも途中で飽きてくることもある。

しかし、あのチーズの旨味を飽きずに持続して楽しめる方法がある。それがサラダだ。ハンバーグ・サラダ・ごはんを別々のお皿ではなく「ディッシュ」として売り出した人にも、何らかの大臣から何らかの章を贈呈いただきたいのだが、あのサラダがいい仕事をする。
食べ進めてハンバーグから出てきた肉汁でヒタヒタになったサラダを、ハンバーグとチーズと一緒に食べるのだ。そうすると少し飽き始めていた単調さが和らぎ「あれ?これはもしかして、どこまでも行けるぞ?!」となるのである。
しかも、上に載っているトマトもとてもいい働きをしてくれる。さながら、高級料亭の途中に口直しで出てくる柚子シャーベットのようだ。爽やかな酸味が、口の中を覆っていた重たいチーズの残り香を一旦消し去ってくれるのである。これによりずっとずっといつまでも、チーズバーグディッシュの恩恵を受け続けられるというわけだ。
これがあるというのに、真っ先にサラダを食べ切ってしまう、三角食べのできない連中には閉口する。お前は川を渡るのに、わざわざ水を先に浴びてから川を渡るようなマネをするのか?いや、上手く喩えられなかった。申し訳ない。意味が分からないので放っておいてほしい。

とにかく、チーズバーグディッシュを食べるときには
①まず味噌汁を頼んで季節感を楽しむ(ちゃんと残しておいて、最後の締めに飲むことも忘れない)
②ちゃんとバランスよくサラダとハンバーグとご飯を食べていく。一気に混ぜて食べるのも旨い。なお、サラダのトマトはジョーカーとして置いておくのが吉。
③締めに味噌汁を飲んでフィニッシュ。

このような手順で食べる事を意識していただけると幸いである。もとい、幸せが貴方に訪れるであろう。
あとオプションで「ハンバーグソースください」というとハンバーグにかかっているソースを余分に容器に置いておいてもらえる。こちらをかけながら食べることでより一層チーズの旨味が立つのでオススメである。


いかがだっただろうか?
兎にも角にも、明けても暮れても、びっくりドンキーの事が好きだ。これまでも、そしてこれからも。
もしびっくりドンキーの広報担当の方がこのnoteを偶然にも見ていただくような事があれば、是非ご一報いただきたい。びっくりドンキーのテーマソングを作ることが私の音楽人生での一つの夢である。

そんな日を待ち望みながら、今日も音楽と仕事に明け暮れる。

お疲れ様でした。


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