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日々の暮らしの物置き場 / 考えごと / マンガのこと / 音楽のこと

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親子丼が実は親子丼ではないという話

はじめまして。nanahiといいます。 これが初めての投稿になります。 一般的に初めての投稿では自己紹介を行うのでしょうが、1番僕のことを分かってもらえるのは僕の頭の中を見てもらうことだと思いこの話をします。 「丼は一碗で完結する物」とは幸平創真の言葉ですが、その一碗の中に鶏肉という”親”と卵という”子”が同居していることが親子丼の名前の由来です。けれどもその一碗で鶏肉と卵が出会うまでに生産、流通と数多の過程を経ています。 つまり、丼の中でやっと出会えた鶏肉と卵が本当の

    • いつからだろう、濡れることを厭うようになったのは

      梅雨が来た。 気がつくと部屋の隅に溜まってしまった埃のような空からポツリ、ポツリと雨粒が落ち、噎せ返るような匂いが肺を襲う。 その瞬間、僕はどうしようもなくうんざりしてしまう。 もともと、雨は好きだった。 宗教上の理由で傘を差さない(本人談)友人と小学生の頃に登下校を共にしていたせいで、帰り道はほとんど傘をさしたことがない。しかし雨を煩わしく思うことはなかったし、むしろ雨という非日常が好きだった。 なのに今は、どうしようもなくうんざりする。 守るべきものが多くなった、

      • 心にズカズカ上がり込んでくれ

        デリカシーのない人は嫌いだ。 人の心に土足で上がり込んできて、空き巣のように引っ掻き回して。 取り残された僕は、乱された心を整えるのに時間がかかる。 自分のペースを乱されたくないから、多分僕はデリカシーのない人が嫌いなんだと思う。 けれども、僕はこれまで心にズカズカ上がり込んでくる人たちに助けられてきた。 そんなことをふと思ったのは宿木雪樹さんのこのnoteを読んだから。 「仲間に入れて」 僕はこんな簡単な7文字を伝えることができない人間だ。 斜に構えて物事を

        • #父の日 完璧になれなくてごめんね

          毎年、父の日に送ったウイスキーを、お盆の帰省まで封を切らずにとっておくのが僕の父。 「父は背中で語るもの」とはよく言ったものだが、僕の父は背中で語ることの多い人だった。家の中での会話はそれほど多くなく、だからこそ1つひとつの彼の言葉は僕が生きていくうえでの指標になっていることが多い。普段は多くを語らないけれども、節目節目で1番ほしい言葉をかけてくれるのが父だ。 厳しい人だった。これまで何度叱られたかはわからないが、いつも直接的には叱らない。「察す」ことを求める叱りかたをし

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        親子丼が実は親子丼ではないという話

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          こしあんにつぶあん混ぜたらそれはもうつぶあん

          人は同じ過ちを繰り返す。 わかっていてもやってしまうことは誰にでもある。 例えば僕は基本的にビニール傘以外買わないが、それは98%の確率でどこかに置き忘れるからだ。僕の500円は傘に対しての対価ではなく、しばらくの間、濡れずにいられることに対して支払っているということで溜飲を下げるほかない。 そしてまた、僕は同じ過ちを繰り返してしまった。 『足の人差し指の中指感は異常』という記事を以前書いたが、その時同様にタイトルで言いたいことを書き切ってしまった。 だってすごくな

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          生きることは、食べること

          当たり前に聞こえるこの言葉も、当たり前ではなくなっているように思う。「10秒チャージ」というキャッチコピーが生まれたのはいつのことだろうか。エネルギーを時間対効果で語ったこの言葉の耳馴染みが良いのも、頷ける。 普段、食事にどれくらいの時間をかけていますか? ここで僕のいう食事の時間とは、”いただきます”から”ごちそうさまでした”までの時間ではなく、食事の準備から片付けまでを指す。 あまり時間をかけれない、という人が多いだろう。僕も普段はコンビニご飯で済ませたり、簡単なも

          生きることは、食べること

          花柄ランタンというすてきな二りぐみ

          『女子高生と春の焼失』 数年前にこの曲のタイトルに惹かれ、初めてMVを見た。 くりかえし、くりかえし、何度も見た。 世界観に恋をして、歌声、メロディー、映像美、全てに浸った。 好きな音楽を語ることは、自分を語ることだと同義だと思う。 僕の音楽人生はMONGOL800の『message』という1枚のアルバムから始まった。音楽人生と言っても僕は楽器ができない。歌も歌えないので、完全に聞く専門だ。 小学生の頃初めて買ってもらった『message』に始まり、BUMP OF

          花柄ランタンというすてきな二りぐみ

          ファインダーを通して自分を覗く

          写真を撮ることが好きだと明確に意識したのは、大学生の頃でした。 アルバイトで貯めたお金で初めて一眼レフを買ったとき、そのずっしりとした重みがとても心地よく、胸を踊らせながら家路についたことを今でも覚えています。 写真は一瞬を切り取る芸術じゃないでしょうか。 #キリトリセカイや#ファインダー越しの私の世界というハッシュタグが、写真好きな方の間ではよく使われますが、写真は「私に見えたセカイ」を「私だけの瞬間」に切り取ることができます。 だから、ほかの人の写真を見ることは、ほ

          ファインダーを通して自分を覗く

          コミュニケーションにおける最強の枕詞

          答えに窮する質問の1つに、「趣味はなんですか?」というものがあると思う。この質問をされると自分というものを値踏みされるような気がするのは僕だけだろうか。 趣味と言えるほどかはわからないが僕は音楽が好きだ。けれども、音楽好きだとなんとなく楽器の1つでもできないといけないような気がしてしまう。そして漫画も好きだ。だけど、漫画が好きだとアート系にも精通していないといけないような気がしてしまう。 少し悩んだ後に、僕は写真か音楽か漫画か映画か、そのあとの話題となりそうなものを答える

          コミュニケーションにおける最強の枕詞

          僕は無限にご飯が食べれることを証明しようと思う。

          僕がかねてから提唱している理論の1つに 「ピーナッツ理論」がある。 ちなみにこの写真はどんぐりだ。 ピーナッツと勘違いしているわけではないのでそこはご理解いただきたい。カメラロールの中で1番ピーナッツっぽい写真がこれだった。 別に特段ピーナッツが好きなわけではない。学生時代、Barで友人と飲んでいるときに、ナッツを肴にバーボンを飲む友人を見て思いついたのがこの理論である。 誰しも、「もうこれ以上は食べられない」というまでご飯を食べた経験はあると思う。 僕に

          僕は無限にご飯が食べれることを証明しようと思う。

          夕暮れ、ブランコで舞い上がった砂の味

          Fernandoはアルゼンチン出身で、 当時齢40ほどだったと思う。 写真のブランコに座るこの男とは、ゲストハウスで出会い2週間ほど生活を共にした。務めていた会社ではそれなりの役職にいたが、ただ働く毎日が嫌になり貯金を切り崩しながら世界一周をしているのだと彼は話していた。 2014年の8月、僕はタイのランタ島にいた。 昼過ぎまでゲストハウスで清掃やベッドメイキングなどの客室管理を行い、午後になったらFernandoと共に近所の売店でビールを買いビーチで過ごすという

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          夜が好きなあなたに送るエッセイ

          世界に誰もいなくなってしまったような夜が好きなんです。この瞬間だけは僕は紛れもなく何者でもない。 これはただ、詩的なだけの言葉ではなく。人は誰しもがなにかしらの社会的な役割を背負って生きています。 今回は社会学者であるG.H.ミードの言葉を借りながらお話ししようと思います。 まず社会的な役割とは何なのでしょうか。 例えば僕は、会社では上司であり、部下であり、親から見れば息子です。部下に対しては上司らしく、上司の前では部下として、たまに帰省したときは息子なりの行動をするこ

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          鬼滅の刃は紛れもなく少女漫画だ

          ジャンプに載っているのに少女漫画ってねぇ…という声が聞こえてきそうですが、鬼滅の刃は紛れもなく少女漫画なんです。今日はこの鬼滅の刃の持つ「少女漫画性」について書いてみようと思います。 まずそもそも漫画というものは非常に情報量の多い媒体です。表意文字(イラスト)と表音文字(セリフ)を同時に処理することができなければ読むことができません。そこに加えて、いわゆる「書き文字」というものが存在します。ワンピースでよく使われる「どーん」や、カイジの「ざわざわ…」などがイメージしやすいか

          鬼滅の刃は紛れもなく少女漫画だ

          感情のトリミング

          「へぇ。自分探しみたいな感じ?」 僕は大学生の頃、1年間バックパッカーをしていました。その旅を決めたとき、その時の話をするとき、幾度となく言われた言葉です。 「そう、そんな感じ」 僕は決まってこう答えていました。特に自分を探しに行ったつもりはないけれども、誰にでもわかりやすく伝わるのはこの言葉だと思っているので、別段否定はしない。僕がどうして1年間海外を旅しようと思ったのかを今回は書いてみようと思います。海外を旅しようと思った理由の1つをお話しする、というのが正確な言い

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          足の人差し指の中指感は異常

          僕は今、ほとほと困り果てている。 noteはある程度の文章量をもって、自分の頭の中や創作、意見、情報などを表現・主張・提供するものだと思っている。故に、タイトルとは本文を読んでもらうためのキャッチーな「見出し」としての要素しかない。 しかし、だ。 僕は語りたいことの全てをタイトルに収めることに成功してしまった。 もう、タイトル以上に語りたいことはないのだ。タイトルを見て激しく共感することができなかった人に対してどんなに僕が熱弁したとて、この感覚を共有することはできないだろ

          足の人差し指の中指感は異常

          テナガザルのきもち

          他人の容姿を揶揄することは推奨される行為ではない。そのような行為が教師の耳にでも入れば、放課後に学級会が開かれ、謝るまで帰れなくなることは目に見えている。「〇〇の気持ちを考えたことがあるのか」とお決まりの文句が聞こえてくる。しかし、悲しいかな動物に対してこの理論は通用しない。 その筆頭がテナガザルであるように思う。 手が長いというだけでテナガザル。安直。 彼にとって手が長いことが誇るべきことなのか、恥ずべきことなのかは知る由もないが、 あなたはテナガザルの気持ちを考えたこと

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