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今年読んでよかった本10冊【2019年を振り返って】

平成から令和へと移り変わりの一年だった2019年も、残りわずか。
振り返るといろいろあったけど、今日は「本」のことを書き留めておきます。

勉強のため、そして気分転換のために、
周りの人にオススメしてもらった本、
SNSで誰かが紹介していた本、
本屋さんや図書館で見かけて気になった本、
仕事で必要になったテーマの本、
を読んでいます。

せっかく読むならアウトプットしたい。できるだけ身構えず、偉そうな感じでもなく、気軽に記録を残したい。

そう考えて、今年はインスタに #読書のきろく を投稿してきました。

1月3日に1冊目を投稿し、今日時点で63冊。読んだけど書くのが追い付いかなかった本も何冊かあります。

年間に200・300冊読んでいる人と比べたら数は少ないですが、一年の振り返りのタイミングに、おもしろかった本、読んでよかったと思う本を整理してみました。

読み物系の小説、
実生活の視野を広げる学びがあった本、
本人の自伝的ノンフィクションの物語、
の3つのジャンルに分けてピックアップしています。

■読み物系(5冊)

現実とはちょっと違う空想の世界、時間を遡った歴史上の世界。
小説は、その世界に僕たちを連れていってくれます。

時間を忘れて没頭しているあいだは、日ごろの悩みや疲れとは別の世界を生きているようなもの。
心が動く物語を、5冊ピックアップします。

【1】鹿の王|上橋菜穂子
前から気になっていて、地域の図書室で借りてきた作品。
おもしろくて一気に読みえ終えました。

人間と動物、そして「病」が織りなす物語。
民族同士の争い、その背後にある策略、心のつながり。
たくさんの線が張り巡らされて、絡まったりつながったりする感じに引き込まれた気がします。


【2】火天の城|山本兼一
作品の舞台は安土城。
戦国時代モノは好きでよく読んでいましたが、今まで読んできたのは武将が主人公の物語。
この作品の主人公は、大工の棟梁父子。

安土城と言えば織田信長の城。
だけど、当然のことながら、実際に建てる作業をしたのは大勢の職人さんたち。
今とは違って大型機械がない中で、巨大な城を築き上げるのは、想像できないくらいの苦労があったはずです。
木や石の声を聴きながら作業を進める職人さんたちの姿、彼らから見た信長の姿。
歴史モノ好きにはたまらない物語でした。


【3】生きるぼくら|原田マハ
原田マハさんの本は、地域でお世話になっている人に紹介してもらって最近読むようになりました。
この作品は、いじめから、ひきこもりとなった24歳の青年の物語。
いじめ、ひきこもり、ひとり親家庭、認知症、「自然」との乖離、といった現代社会の大きなテーマが盛り込まれていす。

人と人とのつながりから、生きる力を獲得する。
心があったかくなる作品です。


【4】天空の蜂|東野圭吾
買ったのは妻。だけど、僕が先に読み始めて読み終えた一冊。

東野圭吾さんは、妻が好きな作家さん。でも、僕はこの作品が初めてでした。

20年以上も前に書かれたのに、原発、無人運転、メディア報道、いじめなど現代にも通じる内容に驚きました。
「僕たちは何を信じるのか?」そんなことも考えながら読み進められる作品です。

たまたま、この本を読み終えたその30分後に、近所一帯が停電になったのもいい思い出です。


【5】雄気堂々|城山三郎
この作品も、歴史モノに分類できるでしょう。
主人公は、2024年から新紙幣一万円札の肖像画となる渋沢栄一。彼が活躍した江戸末期から明治維新後の物語が描かれています。

名前くらいしか知らなかったことが恥ずかしくなるくらい、すごく活躍をした渋沢栄一。
江戸時代最後の将軍となった徳川慶喜を支え、新選組とも行動し、明治政府を支えながら民間企業も発展させてきた。
ものすごい功績です。

歴史の中では人が動き、人と人がつながって社会が動いてきた。
単なる知識ではなく、その生き様に触れることで「勉強」もおもしろくなるのに・・・と思ってしまいます。

※渋沢栄一のことをしっかり知ると、新一万円札とのご縁に恵まれるかも?


■実生活の学び系(3冊)

僕たちは、今まで生きてきて経験してきたことから「ものの見方」を獲得し、それをもとに生活しています。
家族や友人、身近な人達の影響は大きく受けていますが、それ以外の世界は実はあまり知らないもの。

自分とは違う感覚や体験から学ぶことで、視野が広がり、人生をより豊かにできるのではないでしょうか?

そんな、実生活での視野を広げてくれる、学び多き本を3冊ピックアップします。

【1】目の見えない人は世界をどう見ているのか|伊藤亜紗
友人の紹介のおかげで出会うことができた本。
視覚障害者がどのように世界を認識している(見ている)のかが、当事者へのリサーチをもとに解析してまとめられています。

視覚は、五感の中でも僕たちの認識に対する影響が強いもの。
でも、それをもとに自分が判断しているものが世界のすべてといえるのでしょうか?

自分の判断だけを正解とするのではなく、それ以外もあるという視点を教えてくれます。
「情報に踊らされないことで得られる安心感」があるというのは、情報過多の現代を生きる僕たちに大切なことを教えてくれている気がしました。


【2】関係障害論|三好春樹

副題に「老人を縛らないために」とあるように、高齢者の介護の現場から生まれた本。

年を重ねて老いていくと、できていたことができなくなっていきます。
「アンチエイジング」が世間で流行るということは、老いに対するイメージはどちらかと言えばネガティブ。
それは、できないことをマイナスと捉えるから。

個人の能力だけでなく、周りの人との関係性を含めてその人を見る、生きていく。
この感覚は、子どもに接するときや、カウンセラーとして誰かの悩みに寄り添う時にも、大きな意味があります。

何度も読み返して、しっかりと自分の感覚として身につけたいと思う一冊です。


【3】私は、看取り士|柴田久美子

毎日読んでいるメルマガで、「看取り士」という存在を知りました。
人が亡くなるその瞬間、人生の旅たちに寄り添う仕事をされているのが「看取り士」です。
実際の看取りの現場でどのようなことが起きているのか、どんな体験が生まれているのかが描かれています。

「死」とどう向き合うかは、僕たちの永遠のテーマのひとつ。
僕にとっては、恐怖の対象でしかなかった「死」へのイメージが、ずいぶん穏やかなものに変わりました。
まだ怖さは消えていないけど、温かいものを感じられるようになります。


■ノンフィクション系(2冊)

世の中には、すごい人たちがたくさんいます。
でも、ある日突然、何の努力もなしにすごいことを成し遂げたわけではありません。
たくさんの失敗もし、くじけそうになっても諦めずにやり続ける。

本人が歩んできた道のりを一緒にたどると、感動とともに、こちらが勇気づけられることも少なくありません。
そんな物語を2冊ピックアップします。

【1】バッタを倒しにアフリカへ|前野ウルド浩太郎
図書館で予約したらものすごい数の順番待ちで、ようやく手元に来て読めたのが今年の年明けでした。

著者は、バッタが好きでたまらないバッタ博士。
アフリカのバッタ被害を食い止めるため、リアルな研究のため、モーリタニアに単身で乗り込んだ前野さん。

海外で活躍している、こんなに熱くて、日本人がいたなんて!!

そんな感動を感じながら、ぐんぐん引き込まれて読みました。
子どもにも読ませたい一冊です。


【2】風をつかまえた少年|ウィリアム・カムクワンバ

お世話になっている先生のメルマガで紹介されていた本。

世界最貧国のひとつと言われている、アフリカのマラウイが舞台です。
主人公のカムクワンバ少年は、干ばつで食料危機になり、食べていくために学費が払えなくなって学校を退学しました。
でも、学びたい気持ちは衰えることなく、図書館の本で独学で風力発電を学び、ついには実家で風力発電を実現します。

その苦しみ、出会いと別れ、諦めなかった先に待っていた輝かしい成功。
成し遂げた瞬間には、一緒にガッツポーズしたくなる物語が描かれています。
今年の夏には映画化もされ、本人も来日されたようです。



いかがでしたか?
気になった本はありましたか?

かなり長くなってしまいましたが、お付き合いありがとうございます。

本を読む時間は、自分ひとりの世界に集中できる時間です。

好きな本をじっくり読めたら理想的ですが、忙しいとなかなかそうも言っていられない・・・

でも、だからと言ってあきらめず、5分でも10分でも、あなたのための時間を過ごしてほしいと思っています。

おもしろい本が、その時間を豊かにしてくれますように。

< 今年読んでよかった本 ~2019年~ >
■読み物系(5冊)
・鹿の王|上橋菜穂子
・火天の城|山本兼一
・生きるぼくら|原田マハ
・天空の蜂|東野圭吾
・雄気堂々|城山三郎
■実生活の学び系(3冊)
・目の見えない人は世界をどう見ているのか|伊藤亜紗
・関係障害論|三好春樹
・私は、看取り士|柴田久美子
■ノンフィクション系(2冊)
・バッタを倒しにアフリカへ|前野ウルド浩太郎
・風をつかまえた少年|ウィリアム・カムクワンバ

おススメの本があったら、ぜひ教えてくださいね。


追伸。
ここに紹介しきれなかった一年分の本についての記事も投稿したいのですが、残念ながらまだ間に合っていません。。。
もしも早めにチェックしたくなったら、インスタのページをご覧ください。
 ↓

毎週、週替わりのテーマに対してメンバーが日替わりでそれぞれの思いを書き綴る『書くンジャーズ』
2019年も残りわずかな今週のテーマは、【 2019年を振り返って 】でした。

今年読んだ本を振り返ってみたのは、土曜日担当の吉村伊織(よしむらいおり)です。

今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

他のメンバー2019年も、ぜひのぞいてみてくださいね。

それではまた、お会いしましょう。


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