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子犬の社会化とトレーニング

Karen Pryor Academy ライブエピソード#62は、獣医師でもある子犬のトレーニングのエキスパート、デビー・マーティンのお話を聞きました。

デビー・マーティンの経歴とライブエピソード#3で語った内容は下記のリンクに記してあります。

社会化とは

社会化と聞いて社交をイメージする人は多い。社会化とは決して他犬や人と交わってうまくやっている社交術を身につけることではありません。社会化とは、ブリーダーやペットショップ、シェルターから迎え入れた犬が、新しい生活環境に順応する、つまり、未知の刺激を受け入れる手助けをすることです。

ワクチン完了前の社会化

デビー・マーティンは、ワクチンが終了する生後4ヶ月を待たずに社会化を始めることを勧めています。

仔犬の社会化時期は生後14週で終了します。もちろん、その時期に社会化を受けなかったら手遅れというわけではなく、成犬になっても社会化は可能であり、必要です。ただしとても時間がかかります。スポンジのようにいろんな刺激をすばやく吸収し、まだ恐れるものがない生後14週までに適切な社会化を受けた子犬は、レジリエンス(回復力)に富んだ安定した犬に育つ確率が高くなります。

お散歩だけが社会化ではない

ワクチン接種が終わるまで、外に連れ出すのはよくないとされています。もちろん、仔犬を迎えた飼主も、仔犬が病気に晒される危険を犯すことは避けたいと考えるでしょう。

しかし社会化は、お散歩や外出でできる事以外にも自宅で、または、実際に路上を歩かなくてもできる社会化は沢山あります。むしろ、お散歩で得る刺激より飼主の管理下で受ける刺激のほうが、コントロールしやすく、トレーニングに適していると考えられます。

まず仔犬を迎えたら、1週間は新しい環境に慣れお互いを知ることに集中しましょう。意外と考えが及ばない事の一つに、トリーツを手から食べること含まれます。仔犬にとっては未知の体験なのです。

始めに設定を

仔犬の期間は本当に短い。だからこそ、待っていないで子犬を迎えたらすぐにでも行動を起こすことをオススメします。

まずは環境設定。サークルやベビーゲートを使って安全な生活環境を確保します。その環境でポジティブな経験をどんどん増やしていきます。

チェックアウトキュー

様々な新しい体験や未知との遭遇があるのですが、その時に「チェックアウト(確認して)」というキューを教えておくと、後々役に立つでしょう。飼主からチェックアウト合図が出た時は、危なくない、近づいても大丈夫なものと理解し、過剰な警戒心を駆り立てるのを阻止できます。

仔犬に教えたいトップ3

  1. マットトレーニング: 所定の位置に留まる練習になりますが、当時に安心安全な居場所を提供することにもなります。待てとほぼ同じ意味をもたせることもでき、忍耐力が必要となる待ての練習より仔犬には楽しく学ぶことができるトレーニングです。

  2. リラックス: とかく興奮しがちなので、適度な運動や刺激を受けた後は、自らリラックスできるように練習します。この時、リラックスできる環境設定がとても重要になります。ハンドラーの身なり行動も影響することをを忘れないように。

  3. ターゲット: 仔犬を迎えたらすぐに教えたいことです。掌を見せると、自然と鼻を近づけて来るはずです。そこをすかさずマークし強化していくことで、ターゲットが出来るようになります。マットトレーニングも実は、身体をマットに付けるというターゲットの応用です。

信頼関係とは予測を裏切らないこと

トレーニングを重ねながら、また、日常生活のなかで、仔犬との絆を築いて行き、信頼関係を構築していきます。それは一晩でなせるものではなく、多く長く仔犬と接する事で徐々に積み上げられていくものです。

積み上げたものを絶対壊さないためにも、期待に満ちて待っているその予測を裏切ることが無いよう、相手が欲しているものは何か知ることはとても大切です。言葉を発しない犬の気持ちを知るためには、ボディランゲージをコミュニケーションツールとして学ぶ事をオススメします。


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