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Kansai Cyclo-Cross Biwako Grand Prix

前置き

すっかり年も明けてしまい、全日本選手権も終わってしまったのに琵琶湖グランプリの記事を書くのか悩んだけど、個人的に今シーズンターニングポイントでもあるし、そもそも書くことに意味があるということで書くことにした。

野辺山のあとの話

今シーズンのシクロクロス、幕張、野辺山の2日間と続き、4レース目になる琵琶湖グランプリ。
野辺山の2日間を終えて感じた違和感とも言うべき自分の写真の物足りなさを整理して撮影に臨むことに。

参考にしたのはやはりサイクルフォトグラファーの辻啓さん。
まだレース撮影を本格的にはじめて3年目ぐらいの自分からすれば、雲の上の存在。
辻さんには2019年のジャパンカップ以来、写真の相談、機材の相談など、いつもたくさんのことを教えていただいて、本当に感謝してもしきれない。
そんな辻さんが野辺山で撮影したたくさんの写真をアップロードしていたので、全部に目を通しながら、(言うまでもなくすべて良かったが)特に良いなと思った中でかつ自分の写真とは全然違う写真をピックアップして、またひたすらに眺めていく。
その中で自分との違いで大きかったのが、余白の使い方。
自分はかつてチームを経由して選手に提供していたことがあり、その際はできるだけ選手にしっかりフォーカスした写真を求められることが多かったので、写真の中心に選手を持ってくるようにしていた。
それはそれで自分でも良いなと思ったし、選手の表情がわかるほどに寄ることも増えて、自分の中でバリエーションも増えた。
ただ、それだけだとどうしても単調になっていて、それが幕張、野辺山に顕著に表れていた。
2023年シーズンはロードレースの撮影がなく、シクロクロスの撮影に入ったこともあり、その影響もあったかもしれない。
そこで琵琶湖グランプリは余白を作ろう。でもそれはただ選手を左右上下に置いたりするのではなく、できるだけ意味を持たせた余白を作ろうと思った。

レース写真

今回はレース前を飛ばして、早速写真を。

男子エリート

当日の時系列的には女子エリートが先ですが、撮影のメインは男子エリートなので、男子エリートから。

宇賀 隆貴 / Vélo sport Valletais

これで焦点距離200mm。宇賀さんを右に入れておけば、後方の選手も含めて、中央に3人が収まる。

ちなみにレース終盤には同じ場所で宇賀さんが単独走のときはアウト側の路面を残したかったので、右に余白を作った。

前の選手を入れるときも、宇賀さんを中心にせずに右に入れて、前の選手が中央寄りに。
これはさすがに極端な気もするけど。

中央で寄りのカット。もう少し寄りたかった。

女子エリート

スタート
石田唯

トップを走る石田唯選手、寄りのカットも余白を入れながら、これはもう少しバイク入れてもよかった。

小林あか里 / 弱虫ペダルサイクリングチーム

寄りすぎずに後ろの湿った土も入れつつ。

これは女性の2人が石田選手を応援しているのを知っていたので、少し狙ったカット。
それもあって選手を中央におかず、選手は右に、応援している2人を中央よりに。

大蔵こころ / 早稲田大学

こちらは標準レンズ、焦点距離43mmなので、敢えて右側に持ってくることで選手を大きく見せる。
どうしても進行方向側に余白を作りたくなるけど、そうなると選手が小さくなるので、このパターンも良い。

Alanna VAN DE HOEF / Australian Development Team

今回の琵琶湖グランプリはオーストラリアからの参戦も。もう少し寄ってみても良かったか。

トップの石田唯とそれを追う小林あか里

これは今回の女子エリートで収穫の大きかった1枚。
たしか右側の小林選手は急に出てきたので、この写真は狙ったわけではなかったけど、寄りすぎずに余白を意識したことで、いいバランスになった。
たぶん、いままだ通りに石田選手に寄る選択肢を持っていたら、小林選手はギリギリ写ってるか、切れてたはず。というかそもそも選手に寄るならこの角度から撮ってない可能性すらある。

振り返りまとめ

野辺山での違和感から始まり、自分の中での課題をうまく整理したことで、琵琶湖ではこれまでの3レースとは違った写真が撮れた。とはいえ、まだ付け焼き刃感もあるし、再現性が低いので繰り返しやっていくことは必要。
ちなみにこの余白を作る、選手を中央に置かない、寄らないというのはバリエーションのひとつでしかなくて、当然だけどこっちのほうがいい写真だとかそういう話ではない。
ただ、自分の中でバリエーションをたくさん持っていたいなというところから始まっている。
まだ自転車競技の撮影を本格的にはじめて、2年ちょっとぐらい。
色々なやり方を試行錯誤しながら、もっといい写真を撮れるようになりたいし、その延長線上にいつか自分のスタイルが確立されていければと思っている。

次回は初開催の松伏シクロクロス。


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