15歳の卒業生へ-贈る言葉-

先日、つくば市のある中学校の卒業生を送る会に招かれてライブをすることになった。校長先生から、何か人生のためになる言葉を送ってほしい、とのリクエストもあったので僕なりに頭を悩ませ、15歳というとても人生の中で貴重な時期に、これからの人生を生き抜くために考えて贈る言葉を用意させていただいた。

人生でなかなか無い体験だし、せっかくなのでここに残しておこうと思う。

--------以下    原稿  ---------

あらためまして卒業生の皆様ご卒業おめでとうございます。
僕も今日この場に立つことで中学校時代を思い出して、先生方にたくさんお世話になったことを思い出しました。
おそらく皆さんも先生たちにたくさんのお世話になったことでしょう。
まずはここまで皆さんを優しく導いてくださった先生方に大きな拍手を送りましょう。

さて今日は４月から新たな道に進まれる皆さんに、これからの人生のヒントになってくれれば良いな、と思い今回贈る言葉を用意させていただきました。僕自身、まだまだ未熟者で、偉そうなことを言える立場ではないと正直思うのですが、人生の先輩として、僕の伝えたいことを３つ用意してきました。

ひとつめは、

「好きなことを見つけよう」ということ。

ふたつめは、

「変化をし続けよう」ということ。

３つ目は、

「行動する勇気を持とう」ということです。

ひとつづつ、お話します。

1.「好きなことを見つけよう」

みなさんは好きなことはありますか？
熱中して、睡眠時間を削ってでも、土日を使ってでもやりたいこと、ありますか？
すでに見つかっている人はラッキーです。まだ見つかっていない人、焦らなくて大丈夫です。

僕は「音楽を作ること」が好きですが、色々なことをしているうちにたまたま見つかりました。小さい頃から、ミュージシャンになりたいと思っていたわけではありません。
僕がはじめて自分で自分の曲を作ったのは大学生の時でした。
大学時代までは、僕は普通のメーカーとかに務めるんだろうなって思っていました。
ただ好きなことがあったから、バンドメンバーとも出会えて、バンドができてそのお陰で今日ここで、皆さんとも出会えることができました。
夢中になれる好きなことを見つけられたことにとても感謝しています。

これからの人生をかけて皆さんには好きなことを見つけて欲しいと思っています。"好きなこと"＝"誰がなんと言おうと止められないこと"、と言い換えても良いかもしれません。
好きなことを見つけることが、人生を楽しくするルールのひとつです。焦らなくてもいいから人生をかけて見つけていって欲しいと思います。

2.「変化をし続けよう」

みなさん「弱肉強食」って言葉、聞いたことがありますか？漫画とかアニメで聞いたことあるかもしれません。この世は強い者が勝ち、弱い者が負ける、という意味でよく使われる四字熟語です。
僕は皆さんくらいの年齢の頃、この言葉にとらわれてしまっていた時期があって、「強くならなくてはいけない。」と思っていた時がありました。

実はこの世界は弱肉強食のルールでできていません。どちらかというと、環境に適した者が生き残る「適者生存のルール」でできています。
大昔、最強であった恐竜は地球に隕石が追突して、氷河期が訪れて、環境に適応できず絶滅しました。その際、弱くても環境の変化についていけるエネルギー消費の少ない小さな生き物が生き残りました。

歴史の授業で習ったと思いますが、徳川も織田も豊臣も、将軍制自体が今は続いていませんよね？
最強は、次の最強が必ず生まれ、長く続くことはありません。変わりつづけることこそが、生き抜く上で大切なのです。

だから皆さんにも変わり続けることを心がけて欲しいと思います。
それはそんなに難しく考えなくても大丈夫です。
例えば、高校生になったら新しい趣味とか、部活をはじめてみようかな？とか、今日は自分から友達に挨拶してみよう、とか、
行ったことのない駅や場所に遊びにいってみよう、とか
まずは簡単な身の回りの変化をおこすことからはじめてみてください。
その小さな変化が積み重なって、より大きな変化を産み出します。

大人になればなるほど、変わることがこわくなって躊躇してしまう人が多いです。
ぜひみなさんには変わることを怖れないで欲しい。むしろ変わりつづけることこそが、人生を生き抜くヒントです。そしてその変化がきっと皆さんの人生に面白さを加えてくれることになるでしょう。

３.「行動する勇気を持とう」

最後の３つ目は行動する勇気を持って欲しいということです。
人生において行動することはとても大切です。どうせ上手くいかないから、周りに笑われそうだから、って諦めたくなる時があると思います。

もちろん、何もしなければ笑われないし、恥をかくこともありません。
ただし、何もしなければ何も得ることはできません。

失敗することをマイナスって思いがちですよね？でも失敗も長い目でみるとプラスです。行動しないで何もしない、ことだけがゼロになります。

自分で考えて、自分で決めて、行動すること。
これをできるようになるとみなさんの人生は一気に楽しくなると思います。

みなさんのこれからの進路は自分で考えて決めましたか？
親に言われたから、周りがそうだからなんとなく、今はそれでも大丈夫です。僕もそうでしたから。

ただしこれからの人生、自分で考えて、決め無くてはいけない場面に多く出会うでしょう。
その時に困らないように、皆さんには自分で考えて、納得して決めることに少しづつ慣れていって欲しいなと思います。

それが自分の人生に対して責任を持つということです。
自分の人生は誰のためのものでなく、自分自身のものです。ぜひ、行動というキーワードを元に皆さんには自分らしい、楽しい人生を歩んでいって欲しいと思います。

以上が僕から卒業生の皆さんへの贈る言葉となります。
これからの皆さんの人生が希望に満ちたものになるように心からお祈り申し上げます。本日はご清聴いただきありがとうございました。