見出し画像

「平成ミドル・マネジメント覚書」#4 組織マネジメント① : 組織とは「糠床」のようなもの

○組織とは「糠床」のようなもの
・よく混ぜてやらないとすぐに雑菌が繁殖する。とくに空気に触れていないところ。
※ 社外の顧客・競合や新しい動きに触れていない本社・中間層
 
○組織におけるパスカルの原理
・一部にかけた圧力は組織のすべてに伝播し、思わぬところから吹き出す。
・事故・不祥事等が発生したときに、単独の事象として見ないことが大事。視野を広げて見て、どこにどんな力が働いているのかを読み取る。
・そこから、組織の「裏の構造」「裏のロジック」を読み取ることが重要。
 
○池の風景は、上から見るのと中から見るのではまったく違う
・池を上から見下ろして中を見ているつもりでも、波打つ湖面が光を反射し、光は屈折し、中まで正確に見ることはできない。まして水の流れや温度を感じることはできない。
・組織の中でも、上から見る風景と下から見る風景は大違い

○現場が分かったつもりになってはいけない
・現場を分かったつもりになっている本社の人間ほど、恥ずかしいものはない。
・何度現場に足を運ぼうが、どんなに腹を割って話ができようが、自分が見ている「現場」は、多様な「現場」のほんの一面に過ぎない。
・本社の仕事は、「もぐら」を叩くことではなく、「もぐらの巣」を解明して根絶やしにすること。
・現場で起きている複数の事象の底にある根源的な課題と解決策を仮説として設定し、その目をもってさらに現場に向き合っていくことが一番重要。

 ○見えないコスト
・上(幹部や本社)がダメな組織では、下(部下や下部組織)で本来は不要な業務=コストが大量に発生するが、これが無駄なコストとして認識されることが少ない。
 
○組織のオセロ理論vsマトリョーシカ理論
・トップは、大局的な観点から比較的柔軟な判断を行うことができる。現場は、切羽詰まったニーズに対応するための提案であれば、柔軟に受け入れる素地がある。
・難しいのは中間層。それぞれの立場で異なる判断基準をもっているため、ひとりひとりを説得することは難しい。トップの了解を得て現場で小さな成功を生み出し、上と下から挟み撃ちにするのが一番効率がよい。「オセロ」と同じ。
・ところが、専門的なノウハウを求められる分野では、組織の上位者を説得しても、下位者が専門的なノウハウで対抗し、その部門が動かないことが多い。上位者がジェネラル・マネージャの場合に、この問題は顕著となる。一方、専門的なノウハウで勝てるような上位者は、逆に既得権の代表者となることが多い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?