将来の不安は、困ってから困れ
休職中につき、日々noteを綴っています。
今回は、今は困っていないのに、将来困るかもしれないといって困っている人はいませんか?という話。
「困ってから、困れ」
禅問答みたいで、おもしろい響きなので、好きなフレーズです。
わりとパワーがある言葉だと思いませんか。
どこで耳にした言葉なのかは忘れてしまいました。
どこかで聞いたか読んだかしたはずで、私のオリジナル格言ではありません。
「杞憂」とか「取り越し苦労」という言葉がありますね。
最近、個人的に気になっているのは「人生100年時代」っていう言葉です。
これは気になる。
将来の心配ごとは、「無用な心配」とは言いません。
だけど過剰に心配しすぎて、「今」が犠牲になってませんか?
老後の不安が強すぎる
人生100年時代―――
主に、国や保険会社、証券会社などが、宣伝的な意味で言っているような気はしています。
この言葉が一人歩きしている感はありますが、みんながそれに怯え、備え、「長生きはリスクだ」とか言っていますね。
2022年のデータで、100歳以上の人数は、男性が約1万人、女性が約8万人、合計約9万人だそうです。
平均寿命は、2022年のデータで男性は約81歳、女性は約87歳くらい。
それが、将来的にはまだ伸びるとされています。
自分が100歳まで生きるかどうかは分かりませんが、現在50歳くらいの人なら、男性では10%以下、女性は10%台の人が100歳まで生きるという試算があります。微妙です。
ポジティブなのか?ネガティブなのか?
誰もが将来の不安を抱えている世の中、「私は100歳まで生きるかも~♪」と思っているわけですね。
これはある意味、楽天的でポジティブ過ぎる。いいですね。
一度、冷静になりましょう。
将来、いくら医学が発達しても、人間の寿命は150歳までは伸びないと思うのです(たぶん)。
ごく限られたトップ層の人は、120歳くらいまではいくかもしれません。
が、そうは言っても、今の時代に生きている人は、平均寿命は90歳代くらいまでじゃないかな。
9割の人は、100歳になる前に死にます。
大事なのは健康寿命
いくら「余生」が伸びても、大事なのは健康寿命です。
人間が長生きになっても、40~50代くらいからは、誰もが急激に衰えていきます。
これはもう仕方がない。
たしかに、還暦過ぎてもチョー元気な人はいますけどね。
それでも20代や30代に比べると、確実に体力も気力も衰えています。
特に、海外旅行やスポーツなどが楽しめるのは、体を気づかいながらであっても、せいぜい70歳くらいまでじゃないでしょうか。
山歩きが好きな中高年は多いですが、マリンスポーツやスノースポーツも厳しいでしょう。
では体をあまり使わないインドアな趣味なら可能か、というと、それも厳しくなります。特に視力の衰え。老眼、緑内障、白内障。
耳も遠くなるし、手先も不自由になります。
何が言いたいかというと、残された時間は思っているよりも少ないということです。
「人生100年時代」とか言われると、何となく、まだまだ先が長いと思えます。
でも、実際に長生きしたとしても、人生の終盤、70代以降は「やりたいことができない期間」なのです。
将来困るかもしれないからといって、「今」を我慢したり、何かを先送りにすることは、老後のリスクよりもはるかに危険な思想のように思えてきませんか?
備えあっても憂いあり
老後(将来)に向けての備えは不要、と言っているわけではありません。
お金はパーッと浪費しよう、という意味でもありません。
今という限られた時間を、未来の不安や悩みに使うばかりでいいの?という問いかけです。
資産形成など、お金の話がクローズアップされていますが、もっと大事なのは健康です。
今でも健康じゃないよ~という人もいるかもしれません。
でも、10年後、20年後のほうが、今よりもさらに体力・気力は失っている可能性の方が高いですよね。すでに40代以降なら特に。
以下の2つの後悔を比べてみましょう。
①90歳くらいになって、お金がなくなり、「若いときに遊びすぎた。節約しとけばよかった」という後悔。
②90歳くらいになって、「今も貯金が○千万円も残っている。若いうちにやりたいことをもっとやっておけばよかった」という後悔。
②のほうが、はるかに大きな後悔で、はるかに可能性が高い、と思います。
後期高齢者になると、もうお金の使い道などないのですよ。
お金を持っていても、持っていなくても、あまり変わりません。
まとめ
「将来困るかもしれないから」という理由で、「今」の生き方に制限をかけるのはやめましょう。
困ってから、困ればいいと思います。
実際には、あまり困らない可能性も高いです。
根拠なく言っているわけではなくて、ほんとうに将来困る人は、現在「将来困るかもしれない」とは考えていないから、です。
そして重要なこと。
100歳まで生きる確率よりも、70代以下で死ぬ確率のほうが高いのです。
残された時間は少ない、ということを、もう一度考えてみましょう。
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