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ピアニスト角野隼斗が魅せた、着信音への反応に鳥肌で鬼ループ

「天才」と言われているピアニストの角野隼斗(すみのはやと)さんが、コンサート中に起こした小さな奇跡が話題になっています。

ハフポストの記事リンクを載せておきます。

角野隼斗さんについて

私はピアノは全く弾けませんが、妻が少々弾けるのと、子供たちがピアノを習っていることから、角野隼斗さんの存在は知っていました。

というか、本名よりもYouTube名の「かてぃん」としてのほうが馴染みがあります。妻が一時期、かてぃんのYouTubeにはまっていたし、テレビにも出てましたからね。

ここでは、長くなるので、角野隼斗さんについての詳細は書きません。Wikipediaで天才っぷりを参照してください。
Wikipedia:角野隼斗

何があったのか?

先日、イギリスで行われたコンサートで、ピアノの演奏中、あろうことか観客席から携帯電話(スマホ)の着信音が鳴り響いてしまいます。

角野さんは、そのハプニングに全く動じず、それどころか観客の着信音の「リリリリリン♪」という音に呼応するように、とっさにピアノの高音域で「タリラリラリラン♪」(語彙力…😅)と音を奏でて、何ごともなかったように演奏を続けたのです。
※音楽用語で「トリル」というそうです。

これには背後のバイオリン奏者の女性も思わずにっこり。

★ぜひ動画を見てほしいです。開始10秒くらいのところ。


1秒の奇跡

映画やコンサート、演劇などの舞台では、観客はスマホの電源を切るか、マナーモードにするのが最低限かつ絶対のマナー。
音を鳴らしてしまうのは最大のタブーです。

万一、今回のようなハプニングがあった時、奏者は全く動揺することなく、素晴らしい演奏を続けるだけでも、たいしたものだと思われるはず。

ただ、演奏自体は続いたとしても、観客の集中力は途切れるだろうし、やらかした客に対して一斉にヘイトが向かうことは必至。

せっかくの生演奏を「台無しにされた」という、怒りの感情が残ります。
これは、観客だけではなく、演奏者や主催者、スタッフも同じ。

それを、角野さんは何ごともなかったように見事にカバー・・という言葉では言い表せないほど、着信音すら即興で自分の音楽に取り込み、大きなプラスアルファに変換してしまう偉業を成し遂げたわけ。

ファンや音楽家をうならせ、絶賛された、というのは頷けます。
おそらく、観客全員が一瞬の「負の感情」から、見事な対応に対する「絶賛の感情」に一気に昇華したと思います。
普段以上に、この舞台を見られてよかった、得した、と感じるかも。

やらかしてしまった客を救ったのはもちろん、世界中の人を笑顔にする機転だったと言えるでしょうね。

なぜ「奇跡」と言えるのか

もし、この観客の着信音が「リリリリリン♪」ではなく、「ズンチャ、ズンチャ」のようなメロディだったら。

もし、このタイミングがゆったりしたソロのパートではなく、激しい早弾きの部分で音が鳴ったら。

即興を得意とするピアニストだったからこその機転とは言え、すべてのタイイングが、まるで最初から極めて緻密に計算された演出だったかのような出来事。
それが、あまりにさりげなく成されたところが、奇跡と言える理由。

動画的には、背後のバイオリン奏者の女性がチラッと角野さんを見て、わずかに口角を上げて反応し、スッと無表情に戻るのも密かにポイント高い。
アップで見ないと分かりづらいですが。
ごまかすように、かすかに頭を振っているのもかわいい仕草ですね。
ハプニング映像として、いいアクセントになっていると思います。

ちょっと話は変わります

突然のハプニングに、即興で対応できるかどうか、というのは表現者にとっては力量が試されるところ。

全然違う話になりますが、以前よしもと新喜劇を見に行った時、ちょっと似たようなことがあったのを思い出しました。

よしもと新喜劇は、前半が漫才や漫談、休憩を挟んで後半が新喜劇になります。

前半の舞台で、たしか品川庄司だったと記憶していますが、前のほうの席にいた観客のオッサンが、漫才の途中で「ブォッフォ!」みたいな、むせたような変な声を発しました。

それに対して、品川さん(たぶん)が間髪入れず「どうしました~?」とツッコみ、ネタの途中であったにも関わらず、客いじりで笑いを取っていました。

元々のネタを続けていたら、単なる邪魔なノイズになっていたところ、小さなハプニングを即座に笑いに取り込む機転に、さすがプロだなと感心したものです。

ピアノ演奏とは、だいぶ毛色が違うエピソードですが、思い出したので書いてみました。
私のnoteは音楽カテゴリじゃないので、音楽方面からこの記事にたどり着いた人はごめんね。

機転を利かせるということ

とっさのことに機転を利かせて対応する、というのは、表現者だけじゃなく、人間の力量が試されると思います。

私はビジネスの現場からはしばらく離れていますが、思い返すと、プレゼンの途中や商談中などでも、何か想定外のことが起こった時に、スッと機転を利かせられる人が、デキる人だと思います。

その場を「ごまかす」のとは、ちょっと違うんですよね。
場の雰囲気を「ホッコリさせる」という表現が近いかな。

険悪になりかけたり、気まずい感じになりそうな場面でも、その場を平和にするのが本当の機転。

近年は、日本が、世界が、なんだか殺伐として、ギスギスした世の中のように感じます。
その縮図が、仕事場だったり家庭だったり。

少しでも、そんな世の中に対して、ホッコリや笑いをもたらす機転、それには心の余裕が必須ですが、そういう人になりたいものです。

――そう思った、たった1秒の「タリラリラリラン♪」でした。


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