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経験は武器だが、「ない」を「ある」に変える思考

経験は大事、という話。
当たり前と言えば当たり前。

ところで、「経験」と「体験」はどう違うのでしょうか?

ちょっと調べてみると、「体験」は行為自体を指すのに対し、「経験」は、そこから身に付いたものも含まれる、ということです。

「試しにやってみる」という場合は「体験」って言いますよね。
観光地の民族衣装の試着、伝統工芸のモノ作りなども「○○体験」ですね。

これに対して、「経験」は何かを見たり行ったりしたことについて、個人の知識や理解を指す、とのことです。

「体験」は一時的、「経験」は蓄積、という解釈で、あながち間違いではないでしょう。
この記事では「経験」について書きます。

ただ、経験は豊富なほどよい、って話ではなく、経験がないことも「ある」に変換することができるのでは?という考察です。

経験が人を作る

いろんな経験があればあるほど、人との会話で話題に尽きないし、情報発信をする際にも、引き出しが多くなります。

逆に、経験がないと、経験者の話にはついていけません。

たとえば・・
・高卒で就職した人は、大学生活の経験はない。
・未婚の人は、結婚式や結婚生活の経験はない。
・子供がいない人は、子育ての経験はない。

のように、未経験の人は、その事象については「自分ごと」としては語ることができません。

一方で、大学に進学した人は、ほぼ例外なく高校生活は経験しているし、結婚している人は必ず独身生活の経験があります。
つまり上位互換のようなもの。

人生のライフイベントじゃなくても、免許も車も持たない人が、車のセールスマンになるのは無理があるし、投資経験がない人が投資について語ることはできないでしょう。

そう考えると、経験はあるに越したことはない、って思えます。

未婚の人が、既婚の友人から、配偶者の愚痴や子育ての大変さを聞かされると、マウントを取られているように感じる、という話も聞きます。

話す側は全くそんな気がなくても、聞き手は未経験ゆえの引け目を感じるからだと思います。

そういうわけで、「経験は多いほど有利」、「いろんな経験をすべきだ」という結論に持って行くのは簡単。

でも、ちょい待ち。

発想を逆転させてみましょう。

経験に優劣はない

高卒で就職した人は、「10代から社会に出て働いた」という経験があります。
学ぶ気さえあれば、社会人でも大学に行くことは可能です。

未婚の人は、将来的、あるいは現在進行形で「婚活」という経験ができます。
既婚者は、独身証明が必要なマッチングアプリを使うことはできません。
経験してしまったからこそ、「未経験」に戻ることはできないのです。

「結婚しない」と決めた人は、結婚経験がないのではなく、「1人で生きる決断をした」という経験があるのです。
その気になれば、40代でも50代でもパートナーを見つけることは可能です。
休みを取って、ふらっと気ままに旅に出る、なんてこともできます。
これは、慰めでも何でもなく事実。

転職経験がない人は、「1つの会社で長く勤めた」という、簡単には得がたい経験があります。
今の時代は、仕事がデキる人は転職・独立するものだという風潮もありますが、そんなもん人によります。

まとめ:経験は武器だが「未経験」も武器

いろんな経験が多いと、引き出しが増えるのは事実。
でも、人間は全員、「未経験」のことも山ほどあります。

「経験がない」のは、ひっくり返せば「未経験なりの経験がある」状態と考えることができます。

ない経験を嘆くより、その代わりとなっている経験を「ある」と解釈したほうが、人生は豊かになります。

そして、未経験=可能性です。
これから経験する、挑戦することが多いほうが楽しいですよね。


私自身、適応障害で仕事を休職して、日々ぼーっと過ごした経験があります(現在進行形)。
いい年をした働き盛りの大人が、こんな生活をしててはダメだろ、という卑屈な感情が起こります。

が、「あれ?これってほとんどの人はできない貴重な経験では?」と気付いたところから発想を得て、経験/未経験について考えてみました。


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