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久米島日記4

那覇からの船に揺られ、いよいよ僕は久米島に辿り着いた。タラップから降りた僕は、無事に着いた安堵感と、これからの久米島での生活に対する期待感、そして少しの達成感に包まれていた。”少しの”というのは、まだ久米島訪島の最大の目的である久米島産コーヒーを口にしていないからだ。とはいえ、希望した久米島への訪島が無事に叶い、少しばかりの達成感は感じていた。

観光シーズンではないため、フェリーから降りた観光の方々は決して多くはなかった。むしろハイシーズンに比べたらかなり少ない方なのであろう。そんな中、僕はひとまず自宅周辺へ向かうバスの時間を確認するため、フェリーターミナル前のバス停まで足を進めた。フェリーターミナルは思ったよりも立派な建物で、待合スペースはかなり広い。広い待合室の中では、リズミカルで気持ちのいい洋楽がスピーカーからBGMとしてずっと流れていた。まるでオシャレなカフェのようだ。まさか沖縄の離島でいきなりこんな雰囲気を味わえるなんて思ってもいなかった。

ハイビートなオシャレな曲を聴きながら、僕はバス停へと足を進める。どうやら自宅周辺へ向かうバスが来るまでもう少し時間があるようだ。僕は待合室へと体を戻した。人はただひとり。僕だけだ。そんな待合室の中には観光向けのポスターが貼り出され、パンフレットもたくさ置いてある。ポスターに映し出された久米島の海は本当に美しく、そして島の雰囲気をよく表している。思わず久米島へ行きたくなるような、そんな作品である。

バスまで時間があるので、兼城(かねぐすく)港の周りを見て回ることにした。港には僕が乗ってきた「フェリー海邦」が威厳高く係留されている。

ぶらぶらと港の周りを歩いていると、地元の方が手作りしたであろう作品に出会った。とても愛らしく温かみのある作品で、地元の方たちの来訪者を温かく受け入れる気持ちがひしひしと伝わって来る。こういう作品に出会うと、この島に来てよかっあたなと、そんな気持ちになる。

「ようこそ久米島へ」という言葉が嬉しく響く。


そんな嬉しい作品に出会い心を温めていると、時刻は13時頃になっていた。まもなく僕が乗るバスが来る。バスの時刻は13:12だ。僕はバス停へと向かうことにした。

バス停には既に数名の方がいた。大きいキャリーケースを持っている人もおり、どうやらみんな観光客のようだ。そんな皆さんとバスを待っていると、僕たちが乗るバスが程なくしてやって来た。なんとやって来たバスは、こんなバスだった。

なんと一般的なバスとは違い、数名用のワンボックスカーがやって来た。それだけ乗る人が少ないということなのだろう。少しびっくりしたが、離島らしさを味わうことができ、むしろワクワクした。運転して下さっている男性の方は、とても明るく本当に気さくな方だった。

僕を乗せた小さな乗り合いバスは、一路イーフビーチ方面へと走りだした。

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