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目が滑る?契約書チェックのポイント

■はじめに
 契約とは一方が申込み、相手方が承諾すると有効になります。よく、契約は口頭でも有効と言う人がいますが保証契約など一部の契約類型を除けば、それ自体は間違いではないのです。
 しかしながら言った、言わないの紛争になる場合も多いので一般的にビジネスでは書面で約束事を記載して双方で合意します。

■契約書を見てみると
 初めて契約書を目にすると、その文書の専門用語や法律的な表現に拒否感を感じるかもしれません。
 しかし、契約書は、あなたやあなたの重要なビジネスの条件や取り決めに関する情報を含んでいるため、十分に理解して確認することが必要です。
 次項からは、主な契約書のチェックポイントを記載していきます。拒否感から目が滑りますが実は分解していけば誰でも内容が理解できます。

■大まかにチェックしてみよう
①契約の目的と範囲の確認
契約書には、取引内容やサービスの提供範囲、契約の目的などが記載されています。このセクションを確認することで、取引内容や契約目的が明確になり、将来的なトラブルを回避できます。

【ケーススタディ】
例えば、ある企業が別の企業と業務委託契約を結ぶ場合、契約書には委託業務内容やその期間、報酬などが記載されています。契約書が無ければ、委託先と委託元の間での行う業務や責任や義務が不明確になり、最悪、報酬をもらうことが出来ないなど取引に重大な影響が発生することがあります。

②契約書の条件の確認
契約書には取引に関する細かな条件や義務、禁止事項などが記載されています。契約書の条件を確認することで、将来的な問題を回避することができます。

【ケーススタディ】
例えば、ある企業が別の企業と商品の売買契約を結ぶ場合、契約書には商品の数量や価格、納期などが記載されています。契約書によって、売り手と買い手の間での取引金額や義務や責任が明確になり、問題が生じた場合に備えた対応が可能になります。

③契約書の定義の確認
契約書内で用いられる用語の定義が明示されていれば契約書の定義を確認することで、契約書内での用語の意味を理解し、双方の勘違いなどトラブルを回避できます。

【ケーススタディ】
例えば、システム開発会社との間で、締結するシステム開発契約書には「システム」「納品物」「不具合」といった用語の記載がされています。開発側と依頼側でそれぞれの用語の定義に齟齬が出る場合にはあらかじめ内容をすり合わせることや用語の定義を記載するなどで不必要なトラブルを避けることができます。尚、契約は記録する意味合いもありますので業界用語は極力、第三者にもわかる表現で規定する必要があります。

④契約書の期間の確認
通常、契約書には、契約の期間を設けます。このセクションによって、契約期間中に行われる取引やサービス提供の期間が明確になります。契約期間が終了する際には、契約の更新や終了に関する手続きが必要になる場合があるため、契約期間や解約が出来る条件などを確認しておくことが重要です。

【ケーススタディ】
ある企業が別の企業と契約を結んで商品の販売を行う場合、契約書には販売期間や更新条件が明示されています。契約書によって、契約期間中に行われる取引やサービス提供の期間が明確になり、問題が生じた場合に備えた対応が可能になります。

⑤契約書の署名と締結日などの日付の確認
契約書には、契約の締結時に必要な署名(記名押印)と日付が記載されます。このセクションによって、契約の締結が正式に行われたことが確認できます。署名や日付が欠落している場合には、契約の締結が無効になることがあります。

【ケーススタディ】
ある企業が別の企業と業務委託契約を締結する場合、契約書には両者の代表者による署名と日付が必要です。署名と日付が欠落している場合には、契約の締結が無効になるため、注意が必要です。

■まとめ
今回はざっくり契約書のチェックするポイントを列挙しました。
契約は忘れたころにやってくるリスクから皆さんを守ってくれます。ぜひ、契約内容をチェックして締結しましょう。
個別の条項に対する相場観や危険なラインは業界、業種、相手方とのパワーバランスにより変わりますが改めて配信したいと思います。

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