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マウント.ハハ報告


母は山のような人である。


山のような母というと、
どっしりと構えていて、動じず、
おおらかで山のような安心感のある人、
というイメージだがそうではない。


母は、
日本で最も高い山の上に君臨し、そこからすべてを見下ろし、
「私は全てを知っていて、私こそが正義である」
と言っているのだ。


Mt.フジならぬ、
Mt.ハハである。


マウント.ハハは、
「お前も私のような高い山になれ、
だが私より高い山になってはならない。」
と言う。
マウント.ハハにとってはその高さこそが誇りなのだ。



マウント.ハハは活火山である。
地上の民がハハを不当に扱う時、マウント.ハハは爆発する。
その大規模な爆発によって人々の生命を奪う力を持っていることを誇示するためだ。
マウント.ハハを決して不当に扱ってはいけない。


マウント.ハハの養分は人々の生命エネルギーに他ならない。
半径10km圏内の空気中より生命エネルギーを奪い取ることが可能である。
マウント.ハハの周囲には荒地が広がっている。


その養分により、ハハの標高は上がり続ける。
いずれ天にも届く高さとなるであろう。

その時にマウント.ハハは下界を見下ろして、
『私もついに此処まできたか。』
と満ち足りるのか、
周りを見渡して己の孤独に気が付き、後悔の念に駆られるのか。

私にはどうでも良い。


今日は快晴である。
マウント.ハハは今日も誇らしげに天高くそびえ立っている。



以上がマウント.ハハの報告である。
尚、現在は5月の母の日の貢物を選定中だ。



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