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手書きの契約書が見つかる - 三者協議はNPO法人有利の状況に

土佐市の現地内部では衝撃的な事実が起き、何と、ニールマーレ開店当初に結ばれた手書きの契約書が発見された。NPO法人側は全くあずかり知らぬもので、署名含めた書面の筆跡はNPO法人関係者外のものと断定されている。先々週に発覚した。6/13 の土佐市議会でN市議が質疑に立った折、NPO法人の印鑑を誰かが勝手に使い、200万円分の什器をエスエルディーに発注していたという、あっと驚く疑惑が暴露された。議場が騒然とし、市長以下が狼狽し、審議が一時中断して休憩に入ったと言われている。国会でも野党の「爆弾」が投下された際、屡々こうした混乱の情景が出現する。今回の(それを超える驚愕の)新事実は、N市議の追及から派生した市側の対応過程で出たものと想像される。

私はもともと、三者契約書は必ず存在するはずだとずっと言ってきた。「口約束」などあり得ないと論じてきた。その最大の根拠は、5/13 の高知新聞に載った土佐市長(板原啓文)の発言である。そこでは、記者に対して「施設開設当初の書類がない」と語っている。この「書類がない」という意味が、最初から書類を未作成なのか、それとも書類はあるはずなのに保管と所在が不明なのか、どちらかという問題だ。役所である以上後者だろう。土佐市は当該事業に最初から大きく絡んでいる。1000万円超の厨房設備を提供している。店の立ち上げには、エスエルディーの元社員を市の臨時職員にして当らせ、半年間は「地域おこし協力隊」員の身分にさせていた。土佐市の事業であり、土佐市の予算が派手に使われている。

お役所の仕事である。自治体の事業であり、予算が右から左に動いた以上、そこにエビデンスのコントラクトが残ってないはずがないだろう。6月初旬国交省の官僚が現地調査に赴き、市役所と「南風」を視察して事情聴取したが、そのときも、おそらく原契約書の提示を求められたはずである。ニールマーレは、国交省が補助金を出して建てた公共施設の2階喫茶コーナーに入った業者だ。国交省の管轄が及ぶ。「南風」と同類の公共施設は全国に無数にあり、そこに入った業者と指定管理人との間で運営に関する覚書が結ばれていないという例はない。「最初から口約束で」などあり得ない。市が入った簡単な三者契約書がどこでも当然にあるはずだ。東京からはるばる訪れた国交官僚は、市長にそう問い質しただろう。

私が、間違いなく契約書が結ばれていたと考える理由のもう一つは、片側のニールマーレの動機からも推察できる。エスエルディーは民間企業である。民間企業が、お役所相手に契約書なしでビジネスを始めるなどあり得るだろうか。ボランティアではないのだ。例えば、ニールマーレの家賃は月10万円である。あの景観立地と、駐車場50台分の広い敷地を考えれば、破格の安さだろう。しかも7年間一度も上がっていない。10万円という金額はどこで決定され確認されているのか。最近の証言では、家賃や光熱費も市から補助が出ていたという裏話が出ている。ニールマーレは、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも市やNPO法人におんぶにだっこであり、普通の民間業者のように自前でそれを負担していない。

なぜ、こんなことが起きたのか。NPO法人は、契約書が結ばれていた事実を全く知らなかった。NPO法人とは無関係な人間が、NPO法人関係者に成りすまし、秘密の手書き契約書に署名しているのである。それは誰だったのか。おいおい事実が暴露され、氏名が表面に登場するだろう。問題のすべてを知る男で、責任は免れない。今回の複雑でミステリアスな問題は、表面的な構図としては、原点において土佐市がNPO法人とニールマーレ(エスエルディー)に二枚舌を使ったという表象になる。NPO法人と国交省に対しては、通常の公共施設の喫茶コーナーの業者ですと言い、一方、ニールマーレに対しては、市の肝煎りの街おこし事業の「オシャレカフェ」だと言い、市の観光アドバイザーの事業として特別に位置づけていた。

だからこそ、アルバトーザ代表の永田順治の勘違いも起きた。而して、土佐市による二枚舌とその矛盾の噴出たる利権の相克と考えれば、話は分かりやすいのだけれど、真相はそうではなく、実際には二枚舌ではないのである。両方が騙されていたわけではない。騙されていたのはNPO法人だけで、土佐市とアルバトーザ(エスエルディー)は結託していた。その証拠が、隠していた手書き契約書であり、契約書偽造の事実である。おそらく、手書きの契約書には青野玄の署名があるだろう。NPO法人理事長は当該契約書の存在を知らず、そして、自分が「南風」の指定管理者として2階喫茶コーナー業者に対して、どのような法的な立場と権利を持っているかも知らなかったのだ。知ったのは、3年前のコロナの家賃証明のときである。

NPO法人に近い住民の証言にあるように、理事長は全く法令知識に疎く、事務に無頓着で、面倒くさがり屋で、信頼する土佐市の幹部に一切を任せていた。だから、早い話が口車に乗せられ、ウソを信用し、市幹部が万事よろしく仕切ってくれると妄信していたのである。自分に2階喫茶コーナー業者への管理の権限はないと判断し、市幹部に対して、彼らを指導してくれとか、そろそろ退去させてくれとか要求していたのだ。業者に向き合う責任があるのは、全面的に土佐市だと錯覚していた。こうなるに至っては、理事長と市幹部との特別な人間関係の問題があり、興味深い論点なのだけれど、その複雑な私的事情についてもそのうち明らかになるだろう。いずれにせよ、手書き契約書の発見で事態は大きく変わった。三者の力関係に変動が起きた。

現状、三者間協議において、NPO法人は、他二者に対して有利で優勢な立場に立ったと言える。昨年から長く弁護士を入れて三者協議を続け、それぞれの(強み弱みの)立場を踏まえて妥協点を探っていたのだけれど、手書きの契約書が存在したという事実は前提になかった。土佐市とニールマーレはそれを隠蔽していた。隠しながら三者協議していた。当然、NPO法人としては「話が違うじゃないか」という主張になる。「騙していたのか」という抗議の弁になる。したがって、7月以降の三者協議は、まずこの従来の前提を覆す一事が提起され、真相を一から再整理する作業に迫られるだろう。土佐市とニールマーレは苦しい釈明に追われる立場になり、三者協議は、俄然NPO法人が優位な状況となった。二者がどういう説明をするのか注目したい。

この事件(ニールマーレ事件)が勃発して以降、一般認識として、移住者が田舎の高齢の権力者にいじめられて追い出しを受けているという構図で捉えられてきた。フリーライターの偏向記事などがその空気を助長し、世間のイメージを固めて来た。弱者はニールマーレ側だという観念になっている。だが、中身を正確に凝視すると、その認識は違っていて、むしろニールマーレの「移住者」側が土佐市内でも政治的に強者だという実情が分かる。まず、彼らには次の市長選に出る政治家(斎藤努)がついている。市の移住サポーターNPOの理事だ。例のスナックの常連という噂もある。5/10 の店長の「告発」のローンチは、5/5 の高知新聞1面に出た市長選立候補表明と合わせ技の戦略だったと私は分析するが、この推測に頷く者は徐々に多くなっている。

もう一人、意外な角度から名前が浮上した若い市議がいる。やはり、移住サポーターの活動をやっていて斎藤努とは昵懇だろう。それに加えて、手書き契約書に絡んだ市黒幕の存在があれば、ニールマーレの2人の「移住者」が市の中で弱者という見方は当たってない。むしろ他より市の有力者に近く、利権に関与し、情報を持ち、補助金制度のスキームに詳しいプロの存在と言えるはずだ。QOLL土佐の活動を見ても然りである。逆に、NPO理事長の方は、ITスキルが無能で、行政の法令に無知で、傍らにサポートする者もなく、今回の事件も何が起こったのか理解できてない。名誉棄損されたという意識もない。原始の情報環境に生きる孤独で偏屈な老人だ。「昔の名前」でポストに就いている老爺で、市の政策や政治について何の実権も影響力もない。

「市長や市議会が何も言えない大物」などという評価や指摘は当たらない。誇張でありデマである。理事長の方が弱者であり、弱者だからこそ、ボコボコに殴られても何も反論できず黙ったままなのだ。会見も開くこともできず、弁護士の言いなりで現在まで来ている。政治の実力がなく、人脈がなく、何も影響力がないから、市幹部に侮られ、操られ、あずかり知らぬところで契約書を偽造され、聾桟敷に置かれたままだった。以上、事件の発端と出発点、三者間のミステリーの内実については、概ね以上のように整理でき、この説明で全体像が納得できると思われる。5chで長く続く堂々めぐりの井戸端会議は、この結論で終止符が打たれるに違いない。けれども、こうなると、ここを起点に新たな問題へと発展する。それは県(高知県)の責任だ。

公金が伴う問題で(当局による)契約書の偽造は重要な問題だが、だとすれば、鍵を握る市の黒幕は、なぜそのような暴挙に及ぶことができたのだろう。答えは一つ。何故と言えば、青野玄が高知県の観光アドバイザーであり、ニールマーレの出店については高知県観光推進部の全面的なプッシュとサポ―トがあり、政治的背景があったからだろう。高知県から、ニールマーレのメニュー開発・レシピ作成の事業費250万円に対して半額分125万円が支給されている。要するに土佐市にとって、ニールマーレの出店開業は、県が後押しする神聖な(親方県庁の)事業であり、したがって大船に乗った気分で、この「二枚舌」を遂行することができたのだ。罪の意識なく、NPO法人理事長を手玉にとって騙し、国交省にも知らんぷりしたのに違いない。

今、すべてが明るみに出るときが来た。

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補足です。

3年前のコロナのとき、家賃証明を与える際に、理事長は自分の法的立場を知り、業者であるアルバトーザ(ニールマーレ)との関係の真実を知るわけですが、そうなっても、契約書が存在することは知らなかったのですね。すべて口約束で最初から動いていると思っていた。三者の口約束の一当事者であると自己認識していた。口約束における自分(NPO法人)の権利義務については、市幹部が代理ですべて善いように取り計らってくれていると信じていたわけです。さすがにこの頃(3年前)には、市幹部への不信感が生じ始めていたかもしれませんが。

一方、永田順治の方は、オレは市から依頼されて街おこしのオシャレカフェ事業を立ち上げてんだ、市が頭を下げてお願いしてきたエキスパートなんだ、オレのバックには県(とDDH)と市幹部がついてんだという意識で、つまり、地区の公共施設の指定管理人の管理指導に従うべき、単なる喫茶コーナーの一業者だという意識はなかったんですね。だから、わがもの顔で「南風」2階全部を占有していた。本当は、指定管理人から2階フロアの一部の利用許可を頂戴している喫茶コーナーの一業者なのに。手書き契約書に何と書いているか見ものです。

国交省には見せられない内容でしょう。


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