昨日、興味深い記事を拝読しました。イギリスのレストランでキッチン・スタッフとして就労されているあかざわさんのnoteです。
「『疲れた~』とこぼす同僚に『おつかれさま』と英語で言ってあげたいけど、しっくりくる表現がない」という内容でした。確かに、「お疲れさま」のような相手・状況を選ばない万能表現は英語にはないように思います。辞書に載っている「Good job!」や「Well done!」は、あるタスクが完了した後にかける言葉としては良いけれど、仕事の合間の愚痴への返事としてはズレている感じがしますよね。何か適当な言葉はあるでしょうか…?
う~ん、いまいち思い浮かばないなぁ~…。
こんなときは、……そう、ChatGPTがあるではありませんか!(使いすぎ)
では、どうぞ。
*日本語パートは私による意訳です。
一つひっかかったのが、「colleague(同僚)」は可算名詞の単数形で「him/her」で通常受けるところを、ChatGPTは「them」を使っているところ。集合名詞なんでしょうか?不可算名詞としての使い方もあるのでしょうか?それともノンバイナリーの方に配慮した英語で、単数の「them」なんでしょうか?謎…。
さて、文法的なことは脇に置いておいて、セリフの内容なんですが、ちょっと優等生すぎやしないでしょうか?
キラキラさわやかで向上心にあふれたチームリーダーがチーム・メンバーを励ましている感じがするんです。こんな熱血っぽい返事をいつもされたら、愚痴も気軽にこぼせません。余計に疲れるというか...。愚痴への返事としては、もう少しやる気のない感じがほしいですよね!
そこで第二弾。
こっちの方が私の好みです。イギリス人っぽい感じがします。
ただ、一番目のは、普段から軽口を叩く間柄でないとめちゃくちゃ失礼になりますね。最後のは、長い残業がようやく終わった後に同僚と交わす自虐ネタかな?きっと、社畜向けですね。
ところで、私はこの皮肉バージョンをおおいに楽しみましたが、心配性のChatGPTさんは最後にこんな注意書きをつけていました。
ふと、ChatGPTのような一般向け文章生成AIの限界があるとすれば、人間性を持っていないとか肉体を持っていないという本質的なことではなく、はたまた人間の頭脳に劣るという技術的なことでもなく、実は世界中のユーザーを相手にしたサービスゆえにコンプライアンスとポリティカル・コレクトネスでガチガチに縛られているという社会的なことではないだろうか…と思いました。以前にストーカーの恋愛ソングを作詞してくれるように依頼したら、「不適切」という理由で断られましたしね。(参考:「ChatGPTにラップを作ってもらう」)
とすれば、生身の作家が生き残りたければ、思想的に物議を醸したり、社会に鋭く切り込むような危険な作品を書けばよいのかもしれませんね。表現の自由と責任を行使できる人間として。
では最後に、日本語の「おつかれさま」ぐらい気軽に使えそうなひとこと英語もChatGPTに聞いておきましたので、どうぞ。
良いこと言うなぁ、ChatGPT!