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恋愛感情に終わりはあるか


恋愛感情には賞味期限があるとか、付き合う前が好きのピークだとか、両片思いが一番楽しい時期だとか。

そういう感情に共感はできないけど理解はできる。あの時期にしかない楽しさはたくさんあるもの。わかる、思い出すだけでもにやにやできるほど楽しい。

確かにドキドキとか緊張感とか一緒にいるうちに薄れていくし、慣れというのはどうしたって出てくる。それはそう。恋愛に限らず人間関係も環境への適応も全部慣れ。言うなれば人生が慣れ。

でもでも慣れって悪いことみたいに捉えられてしまうこともあるけど、仕事だって新しい環境だって慣れてからが楽しいじゃない。続けてみてから良い感じにノってくるじゃない。恋愛をはじめ人間関係だってたぶん基本的にそうだと思っている。

ある程度時間が経過してきて慣れてきてからがおもしろくなってきたって思う。密度が高くなっていく感じ。あの感覚が、すっごく好き。

性格や考え方の違いはあるだろうから異論は全然聞かせて聞かせてって感じなのだけど、私はその人を知るまでも楽しいけれど、やっぱり知ってからが楽しいって思う。私にとってはそこから恋愛の醍醐味。どこまでいっても他人だから、知ってからが楽しい。


付き合いはじめたばかりの頃の、その人を知るまでの時間はもちろんワクワクするし、知りたいって気持ちはその人への恋愛感情を底上げする要素なのだとも思う。でもそういうのって、なくならない。

どれだけ付き合いが長くなってもきっとなくならない。だってずっと他人だから全部を知るなんて絶対にできない。自分のことだって完全に理解できないのに他人を完全に理解するなんて無理だから。

知ってる気になってるのに実は全然知らないっていうのが気持ち良い(変態ではなく)

だからやっぱりある程度知ってからが楽しい。「ああこんな一面あるんだな」「この味は苦手なんだな、意外かも」「こんな顔するんだ」とか、そういう新しい発見ってなくならないし、

その新しい一面を見た時に出てくる感情はこれ以上ない愛しさ。キュートアグレッション的なものでもある。この時点ではたぶん人としての好きもかなり増しているのだろう。

恋愛感情のピークというのが、夢中になることや盲目になることの例えだとしたら確かにそのピークは付き合う前や付き合ってすぐの頃なのかもしれないけれど、ピークが過ぎたその後でやってくる猛烈な愛しさと安心感がやっぱり恋愛の一番おいしいところ、って思ってしまう。

そこを味わう前に終わらせてしまうのってそれこそ私にとっては物足りないかも。

そもそも付き合う前や付き合いはじめ、付き合って時間が経過したあとのことは別物ではなく、繋がっているものだしね。

恋愛において、慣れと愛しさや安心感は表裏一体だから難しいけれど、慣れにばかり悪いように意識が向いて愛しさが見えなくてなってしまうのはものすごく寂しいじゃない。その逆も同じくらいにしんどいけれどね。

でもなんとなく、安心感や愛しさを慣れとマイナスに捉えてしまうことはあっても、慣れを安心感や愛しさと勘違いしてしまうことってないような気がしている。

人間って不幸に敏感ね。

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こんなことを話しているけれど、恋愛は一対一で他人と深く関わるわけだから結局相性というのもかなり大きな要素は占めているとは思う。価値観の違いとかはではなく。

どれだけ周りが良い人じゃんとか押しても、恋愛感情で好きになれない人は好きになれないし、一線も越えられない。どうしても相性はある。

性格や考え方の相性とかではなく、人としての相性。恋愛なら身体の相性も人によってはかなり重要か。

待って、もしかして恋愛関係になる人との相性って物凄く難易度高い?こういうことを考えていると、両思いって奇跡だと言うことを改めて実感する。だってこういう考え方も、相手と違っていたらそもそも破滅してしまうもんね。恋愛は2人でするものだから。

今まで話してきたことがすべてなかったことみたいになりそうだけれど、やっぱり顔がタイプがどうかもきっとあるんだろうな。

辛辣だけど顔がタイプだとなんかこう、全部が愛しく見えてしまうものね。

あれ、これも盲目の一種?わからなくなってきたな。

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あれこれ話してみたけれど、私にとっては隣にいて安心して眠れるか、手を繋いだときの違和感はないかとか、そういうことが何よりも大事で。

たぶん足りてなかった分、私は家族愛的なものを恋愛関係になる人に求めてしまうのもあるね、きっとある。情けない話だけれどね。

だからスマートな人にはドキドキさせられたとしても全然惹かれないし、大空で水のような包容力がある健やかな人の方が魅力的に感じる。

そもそも私は付き合って時間が経つほどに好きが右肩上がりになっていく性格だからこんな考え方なのかも。

熱しにくく冷めにくい、呆れるくらいに柔軟性がない人間なので。

でも、右肩上がりになるからといって恋愛感情が増していると言い換えるとなんか違う。ずっと好きな人、それは間違いないけれど、周りが見えなくなるほど夢中ってわけでもない。いつも大好きだけど、訳わからないタイミングで特別どうしようもないくらい大好きが溢れ出すときもあるし。

恋愛感情のピークなんてたぶん、限られた期間なんかではなく、付き合っているなかで時々たまに何度も瞬間的にやってくるものなのかもしれないね。

恋愛感情で心をゆさゆさされるの物凄く嫌いだから安定感のある恋愛が好きだし向いているとは思っているけど、心をゆさゆさされるなら彼がいいと思うしそもそも私の心を揺らせるのも彼だけだから、好きな人ってそういうことなんだろうな。

好きな人より大切な人の方がしっくりくるなって日もあるし、好きな人って言葉以外見つからないなって日もある。

恋愛感情のピークがどうとか賞味期限がどうとか、そういうことよりもまず、人を好きになれた自分と自分を好いてくれた相手に寄り添う気持ちを持ちたいね。

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たとえば釣った魚に餌を与えまくる人と与えない人がずっと一緒に居たんじゃ苦しいから早々に離れちゃいなよっても思うけれどそう簡単にもいかないのが恋愛だし。絡まった有線イヤホンみたいに。

煩わしいけどやめられない。
人間はかわいい生き物かもしれない。





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