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ヨコヨコラボ 学生共同企画「ソーシャルワーカーってどんな人?~いきいきと働く大人たち~」

ヨコヨコラボの学生共同企画として、龍谷大学の現代福祉学科二回生の学生20名と4人のソーシャルワーカーと出会いの場を企画を設定しました。
前半はお互いの自己紹介からスタート、人となりがわかってきた所で後半は小グループでグループワークを行いました。

①支援の仕事は、心に余裕を。
障害のある方が通う施設で支援員として働く林耕平さんは、大学卒業後、一度は眼鏡や時計の販売員の仕事についた。

「大学は福祉学科を専攻、でも福祉を志して入学したわけでは無かった。
その当時、自分は人の事をみる仕事ができるような人間ではないと思っていた。でも、”やっぱり人と関わる仕事がしたい”と転職。
現場の仕事をしながら、精神保健福祉士、社会福祉士の資格を取得。
ソーシャルワーカーの先輩方と出会いもあり、今後の道を模索している。」

「福祉の仕事はきれいなことばかりではない、でも誰かがやらないといけない。
じゃあ僕でも良いんじゃない?って思う。」

②ひとつひとつの現場の経験が相談員の仕事に活きている。
山本高巳さんは、児童、障害、高齢…と、様々な現場で支援の経験を活かしながら、今はケアマネージャー(高齢者の相談員)として働いている。
「相談員として知識をつけなきゃ、とかっこつけてる部分があった。
でも、自分が患者や利用者の立場だったらと想像してみた。
「私だったら、どういう人に相談したいか?」いつもそこに立ち返る」

「自分が嫌なことは相手にもしない。
丁寧な言葉遣いで話す、相手に敬意を持つ姿勢が大切。」

③ソーシャルワークはアート
杉山さんは精神保健福祉士として福祉サービスや受診に繋がらない方のアウトリーチ支援を行っている。
「個人の責任、個人の問題だけではない。社会の構造の問題。環境を調整したり、裏方でコーディネートしていく。立場や組織の中で制限もあったりするが、ソーシャルワーカー同士でつながって考えていく。自分の人間性も道具にしながら、自分自身が厚みのある人間になっていける。」

「学生の時に精神障害者の方の共同作業所に行ったことが転機になった。
誰が支援者?誰が当事者?ごちゃまぜが新鮮。心地よい感覚。」

④子どもの「思い」を。
ファミリーホームを運営している元藤透さんは、両親が自宅で里親をしていたこともあり、幼いころから里子は近い存在だった。最初は曇った表情の子どもたちの様子や表情が日に日に変化し、生き生きと輝いていく様子を見ていたことから「将来は里親になりたい」という気持ちが強くなる。しかし、「里親って仕事なのかな?」という疑問もあった。大学卒業時にファミリーホームの制度ができる。両親が営むファミリーホームの補助人として働き始め、現在は自分が責任者になりファミリーホームを運営している。
「里子としてホームで生活する子の中には虐待を経験している子もいる。「こどもの最善の利益」を他機関と連携しながら考えていく。」

④「子どもと生活する上で約束を守るということを心掛けている。約束したことは必ず守る。
守れない約束はしない。一つ一つの積み重ねで子どもの信頼を得ていく。」

後半は学生が「話を聞きたい!」と思ったソーシャルワーカーの輪に入ってグループトーク。「仕事で大変なところってどこですか?」「仕事をする上で心掛けていることは?」「実際の現場ってどうなんですか?」等気になる事をグループで話し合いました。以下参加した学生からの感想文を一部紹介
します。

★「支援をする時には、相談者や支援を受ける人の行動や言葉には理由があって、それを受け支援する側の接し方や話し方を変えていくことが必要であることを学びました。
また、支援者側のコミュニティやつながりが大切で、
助け合ったり、働きやすい環境づくりをすることの意識についての話しを聞けたのも良かった。」

★「どの仕事においても、人と関わる上で相手の意見をしっかり聞くことや尊重することが共通して大切だということが印象に残りました。
信頼関係を築く為には、相手の方の全てを受け入れて、きれいな言葉で語る方がよいのではないかという考えが自分の中でどこかありましたが、分からないことは分からないときちんと伝えたり、喜びや悲しみもしっかり表現するなど素直になることも大事なことなのだと思った。」
★「実際の現場では大変なことや難しいことがたくさんあるけれど、
ワーカーさん達が力を合わせて福祉をよりよいものへ導いておられるだなと感じた。
サービスであり、組織にいるからこそ、理想と今できることや、経営、リスクなどにより
様々なことを考慮しないといけなかったり、多職種連携のなかでの食い違いがあったりするなかで利用者さんの最善が何かを一番に考えておられるのだなと改めて考えた。」

★「ソーシャルワーカーの方も最初から仕事ができたという訳ではなくて、
様々な経験や努力を経て今のようにあるという事を知った。
最初から完璧にやろうとするんじゃなくて、色んな経験や努力環境で刺激を受けて少しずつ成長していったという事を知って、むしろ不安な気持ちを持ったままでもいいのではないかと思った。」

★「私は友達に養護施設などで生活していた人が何人かいたので、その人たちから聞いた実際に経験した人側とその子たちを支えてきた側の両面からの話しを知ることができて、
より問題への深みや知識を広げることができたと思った。」
★「林さんが仰っていた心の余裕というのが、福祉の仕事をする上でとても重要になってくるなと思ったし、同時に自分の中でとても良いことを聞けたなと思った。自分の性格上、どうして何でこんなこと出来ないんだろうと言ってしまいそうになりそうで、福祉職に就くのが怖いと思っていたけれど、余裕を持って一歩引いてみるという視点が大事だなって思った。」

 ★「今回二人のソーシャルワーカーさんからお話を聞いて、
利用者の方の声を聴く時の姿勢として共通すると感じたものがあった。
それが「自分が今見えている面は利用者の方の一部である。」ことを前提にしていることである。当事者は様々な問題、思いを抱えているが、それを一度の面談で全て覗くことは不可能であり、今見えていないだけで隠れている部分は必ずある前提した上で、客観的な傾聴を可能にしているのではないかと思った。感情に寄り添いつつも冷静に物事を俯瞰する視点を持っておくことが、
利用者にとってソーシャルワーカーを時には対等な友人のような、
時には頼りになる指導者のような存在にするのだろうと感じた。」

多種多様なソーシャルワーカーと出会う。
参加した学生の中には
「福祉の仕事を就くのを自分の中で最近すごい悩んでいて、向いているのかなとかこんな自分が目指していいのかなと思っていたけれど今日の話しを聞いてまた福祉職を目指そうと思った。」
といったメッセージを送ってくれた方もいます。

次回はヨコヨコインターンの企画を考え中です。お楽しみに!


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