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Before Too Late / 現代編

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Before Too Late 手遅れになる前に [現代編] なぜか縁あってマレー半島に12年住んでいる筆者が、この地で子育てしながら体当たりでやって来たお仕事や日常生活を通… もっと読む
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最終回 #5 〜福岡県出身の亡き祖父たちが生きた戦時中から戦後の時代を軍歴を通して辿る旅を経て、本当の絆を取り戻した私の家族の記録〜

matahari@マレーシアこと江頭陽子です。 #4では、軍歴照会のため祖父の戸籍謄本を取り寄せて初めて知った若くしてビルマで戦死した祖父の長兄の軍歴から知り得たことについて書きました。 それから、予期せず靖国神社に三世代で参拝した2016年頃からの私の家族との関係やキャリアに起きた大きな変化について、「ミエナイチカラ」の存在を感じるエピソードをたくさん盛り込みました。 この最終回では、#1の中で(- 母娘の長きにわたる不和のきっかけとなった衝撃的な出来事について)でお約

#4 〜福岡県出身の亡き祖父たちが生きた戦時中から戦後の時代を軍歴を通して辿る旅を経て、本当の絆を取り戻した私の家族の記録〜

matahari@マレーシアこと江頭陽子です。 この記事は、さらに続ききます。 めちゃくちゃ長い(汗)この私たち家族の物語に、ここまでお付き合い頂いたあなた、本当にありがとうございます。 #5で着地させる(しかも今月中・・・今日?!)予定なのですが、次々に想いが溢れ、もう収拾がつかない感じになっております。もしよかったら、いつ終わるかわからないこの物語に、最後までお付き合い頂けますと幸いです。 そして何か感じることがあればご感想なり身近な方にシェアいただくなりしていただ

#3 〜福岡県出身の亡き祖父たちが生きた戦時中から戦後の時代を軍歴を通して辿る旅を経て、本当の絆を取り戻した私の家族の記録〜

さらに、ストーリーは続きます。 #2には、母が若い頃に生き別れた祖父の軍歴を取り寄せるため、本籍地を調べに祖父が暮らした街、福岡県直方市(のうがた)を訪れ、そこで出会った見ず知らずの親切な方々のおかげで祖父の本籍地が判明した、というなんとも導かれたとしか思えないエピソードについて書きましたが、#3はその続きです。 奇跡の連続で祖父の本籍地が判明。戸籍謄本取得のため訪れた直方市役所で起きたもう一つの奇跡。#2に書いた通り奇跡的な出会いを経て、わたしたちは祖父が暮らしていた家

#2 〜福岡県出身の亡き祖父たちが生きた戦時中から戦後の時代を軍歴を通して辿る旅を経て、本当の絆を取り戻した私の家族の記録〜

続きます。#1には、祖父たちの軍歴を取り寄せるに至るまでの人生について、かなり赤裸々に書きました。こちらからどうぞ(最初にお断りしておくと、めちゃくちゃ長いです汗) 2023年2月、ついに軍歴(陸軍)を保管している福岡県庁福祉労働部保護援護課を訪れる3年越しの訪問がいよいよ叶う段階になりましたが、もちろん当時の福岡県庁のご担当者は移動され別の方になっていました。驚いたことに、当時の記録がきちんと引き継がれていて、メールでスムーズにご対応いただきました。 いよいよ福岡県庁福

#1 〜福岡県出身の亡き祖父たちが生きた戦時中から戦後の時代を、軍歴を通して辿る旅を経て「本当の絆」を取り戻した私の家族の記録〜

[注]最初にお断りしておくと、これめちゃくちゃ長い上にしかも続きます(汗)家族のことを赤裸々に書いていますが、家族の許可取っています。 matahari@マレーシアこと江頭陽子です。 ご無沙汰しております。 しばらくnoteを更新出来ておりませんでしたが、おかげさまで様々な出会いを通して「マラヤの日本占領期の歴史を伝えるストーリーテラー活動」は依然として続いております。目の前にいる人たちに伝えることは出来ても、なかなか腰を据えて「書く」という作業に向き合えない日々を送って

マレーシアはコロナ期から完全復活?【KL在住の筆者の近況報告】◉日系企業団体の活動が活発化。本業の日英通訳司会のお仕事が増えて来ました。◉「マラヤの日本占領時代」がテーマのお話し会にスピーカーとしてお招き頂きました。

Matahari@マレーシアこと江頭陽子です。 あと数ヶ月でマレーシア在住14年を迎えます。 気付けばこのnoteを3ヶ月も更新出来ておりませんでしたが(汗) 皆様お元気でしょうか?! しばらく更新出来てなくてごめんなさい(筆者の近況) かなりの間このnoteはストップしてしまっていましたが、昨年9月頃からマレーシアにおけるフリーランスの本業の仕事(日英通訳やイベントのバイリンガル司会)慌ただしくなって来ました。 現在のクアラルンプールはどこへ行っても人・人・人でごった

英語で伝えるヒロシマ被曝体験 86歳の小倉桂子さん

お久しぶりです。 Matahari@マレーシアです。 しばらく投稿が滞っておりました。現在わたしは日本にいます。 コロナ中は3年以上全く帰れなかったのに、今年2023年はすでに三度目の日本一時帰国となりました。きっとこれも何か意味があることなのでしょう。 わたしの帰国の時期は、7月下旬から3週間ですが、日本はとにかく暑いです。マレーシアは赤道直下で年中暑いのですが、これはまた違った暑さです。ジリジリジリジリ焼け付くような不快な暑さ&熱さ・・・。ほとんど外に出ることなく過

「日本にはたくさん苦しんでいる若者がいる。」海外に15年住んだわたしなりの考察。

Matahari@マレーシアことえがしらようこです。 いきなりタイトル重いですが、この件は正直に言って同年代の人と仕事やプライベートでお話しすると常に話題に上ります。 同年代?わたしは昭和52年(1977)生まれの現在45歳のおばさんです。 「日本にはたくさん苦しんでいる若者がいる」 これは見て見ぬ振りは出来ない問題です。 子どもたちは何に苦しんでいるの? 日本に住んでおらず日本のTVやメディアをほとんど見ないような私でも、聞きかじっただけでこれくらい・・・ 片親

クアラルンプールは最近とても賑やかになって来ました(現地の状況&筆者の近況)

こんにちは。 Matahari @ マレーシアです。 しばらく更新が止まっているにも関わらず、じわじわとフォロワーさんが増え続けています。ありがとうございます。 9月に入って「コロナ前」のような感じの毎日外出する日々が戻って来たように感じます。今日はそんなわたしの近況について少し書きますね。 マスク着用義務が撤廃になったマレーシア  室内でも公共交通機関と医療機関を除く全ての場所でマスク着用は「任意」となりました。それでも食料品店などに足を運ぶと9割の人はまだマスクを

インタビューしていただきました [Re・rise Newsさん]

インタビューの内容 30分のインタビューです あなたの夢やビジョンは何ですか コロナパンデミックで自身に起きた変化とは 人生で一番引き算したことは何ですか 太平洋戦争時の日本軍が占領していた時代のマレーシア人の証言を集めようと思ったきっかけ(9:25) 戦時中生まれの福岡県在住の伯父から聞いた話 日本人にとって辛い内容になることもありそうですが話を聞く時に気をつけていることはありますか 行動を起こした背景や何がそうさせていると思いますか どんな未来が待ってい

YouTubeチャンネル 「BEFORE TOO LATE ~ あなたのファミリーヒストリーを聞かせてください」

Matahari@マレーシア🇲🇾です noteマガジンBEFORE TOO LATE について これまでマレーシアの歴史や社会問題について筆者の視点で綴ってきました タイトルはBEFORE TOO LATE(手遅れになる前に) 現代編 東南アジア日本占領時代編 YouTubeチャンネル「BEFORE TOO LATE ~ あなたのファミリーヒストリーを聞かせてください」 YouTubeチャンネル BEFORE TOO LATE ~ あなたのファミリーヒストリー(

想定外の出来事を乗り越えて。マレーシアでパラグライディング体験。

Matahari @ マレーシア🇲🇾です。 本日はマレーシアでパラグライディングを初体験した日について書こうと思います。 パラグライディングに行こう! 今年2022年の4月某日、友達夫妻に誘われて、パラグライディングに行きました。10歳の息子が行きたいと言うので。私は全く空を飛ぶことに興味が無かったので引率するつもりでね。 マレー半島にはパラグライディングの出来る場所が数カ所あるそうですが、まずわたしたちが目指したのはKKB (Kulala Kubu Bharu)。

再生

マレーシア映画「夕霧花園」トムリン監督へのインタビュー(54分)

今年2021年7月24日に日本で公開決定した映画「夕霧花園」(英題The Garden of Evening Mists)トムリン監督(林書宇)にインタビューをさせていただきました。 日本語字幕あり。 本映画の上映は、東京渋谷のユーロスペースから、順次全国で上映予定。 映画の公式ホームページ http://yuugiri-kaen.com Interview with The Film Director of The Garden of Evening Mists (夕霧花園) Mr. Tom Lin This interview was held on 13/3/2021. The film will be released on the 24th of July 2021 at Eurospace in Shibuya, Tokyo. 質問1 (2:06) Please tell us about the story behind what triggered you to be the film director of this film. なぜこの映画製作を引き受けようと思ったのですか? 質問2 (8:41) The beginning of the movie, it’s beautiful Cameron Highland scenery that starts from there. Why did you chose the scene (location)? キャメロンハイランドの美しい情景から映画が始まります。なぜそのシーンを選ばれましたか? 質問3 (11:16) How’s the (covid19) situation in Taiwan and the film industry? 現在の台湾のコロナの状況と台湾の映画界を取り巻く様子を教えてください。 質問4 (12:00) How did you select the actors? Hiroshi Abe, Sin Je Lee an Sylvia Chang. どのようにキャスティングしましたか? (阿部寛さん、シンジェリーさん、シルヴィアチャンさん) 質問5 (20:27) Please tell us your impression towards Japan and Japanese culture. 日本と日本文化(アニメや映画など)についての率直な印象を教えてください。 質問6 (27:13) Please tell us your experience growing up in western culture and how it impacted on your life and you become who you are now. アメリカでお育ちの監督のご経験と、現在に至るまでにアメリカ型教育が監督に与えた影響についてお聞かせください。 質問7 (31:15) How do you feel about the film will be released sometime in Japan? 日本でいよいよ上映が始まります。どのように感じていますか? 質問8 (35:12) Can you please simplify (the word redemption for the audience)? REDEMPTIONという言葉をインタビューの中で頻繁に使っておられます。とても大事なメッセージなので、もっと伝わりやすいように、わかりやすい言葉にしてください。 質問9 (38:44) As a storyteller, what do you think is your a life mission? ストーリーテラー(語り部)として、あなたの人生の使命とは何だとお考えですか? 質問10 (43:49) Regarding Myanmar current situation, many innocent people has been forced to be involved horrible stuff and it looks like global community cannot really reach out to give them helping hands. How would you like to deal with your enemies if they are in front of you. 現在のミャンマー(旧ビルマ)は罪のない人々がたくさん苦しんでいます。国際社会が救いの手を差し伸べることも難しい困難な状況が続いています。 もし、監督の目の前に、敵や鬼が現れたらどのように対処されますか? 【映画の紹介】 公式ホームページ http://yuugiri-kaen.com 予告編 https://youtu.be/nkTVhQI-44s マレーシア人作家Tan Twan Engの同名の原作の映画化。 第二次世界大戦後のイギリス占領下のマラヤ。中国系マレーシア人のユン・リン(李心潔 / リー・シンジエ)は、戦時中マラヤを占領していた旧日本軍に妹と共に捕らえられ強制収容所に送られ、酷い虐待を受け続けた過去があった。妹は慰安婦にされた上に惨殺されてしまう。ユン・リンは、自分だけが生き延びた罪悪感と妹を助けられなった後悔で日々苦しめられていた。牢屋の中で妹がいつも語っていた「昔幸せだった頃に家族で旅行した京都で見た美しい日本式の庭園を造る」という夢を実現しようと、かつては日本の皇居庭師で、戦後はマラヤの山奥でひっそりと暮らす中村有朋(阿部寛)を訪ねる。舞台は大自然に囲まれたキャメロンハイランド。最愛の妹の命を奪った憎むべき日本人と向き合うことは不本意だが、寡黙でミステリアス、そして庭を愛する有朋との交流を通して、ユン・リンの心がゆっくりと癒され、長く苦しめられていた日本人に対する憎しみの感情が浄化され、二人は次第に惹かれて合っていく。 【この映画の鑑賞方法】 日本国内では7/24より劇場公開(東京渋谷ユーロスペース) マレーシア・シンガポールではすでに上映終了(HBO GOで視聴可能) https://www.hbogoasia.my 【インタビュアー・字幕翻訳】 江頭陽子 (えがしらようこ / Matahari @ マレーシア) *マレーシア在住11年 *日英通訳・バイリンガル司会者・ライフコーチ *noteマガジンを不定期にて執筆中。 BEFORE TOO LATE かつて 日本が占領したマレー半島 (現シンガポールとマレーシア) で紡ぐ「赦しの糸」 https://note.com/yokomindarise/m/m836f0c96ea22 *2021年2月より日本旅行アジアにてオンラインスタディツアーのガイドとして活動中。 <ツアーの詳細・ご参加お申し込みはこちらから> https://ntaasia.com/tour/malaya-study-tour/(日本旅行アジアのホームページ) *インタビューのスクリプト(英語)はこちらからダウンロードできます。 https://drive.google.com/file/d/1lqDKS8voRfsUL_6VMpj0ItZxFOY86OXj/view *お問い合わせ note.matahari.malaysia@gmail.com

「今、だんだんとあの時代に似てきている。」

これは、昨年亡くなられた瀬戸内寂聴さんが、美輪明宏さんとの対談の中で語られた言葉です。2015年のことでした。 詳しい内容はこちらから。 この(下)で語られるのは文化と戦争について (上)では、二人の出会い、寂聴さんの作品、お二人の心のありようについて語られていて、どのお話も興味深い内容です。 7年の時を経てわたしの元に届いたメッセージ 皆さんもご存知の通り、瀬戸内寂聴さんは昨年11月にこの世を去りました。 ご冥福を心からお祈りするとともに、寂聴さんが残した偉大すぎ