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【発達凸凹・不登校】子どもの成長につながる環境とは?

20年以上言語聴覚士として働き、子どもの不登校をきっかけにキャリアコンサルタントの資格を取得した私が、発達凸凹や不登校、子どもの自立にむけた子育てについて発信しています。

今回は発達凸凹・不登校と環境について書いてみます。
(ここでは社会・学校の仕組みや周囲の大人との関わりを環境と表現しています)


発達障害とは
凸凹の現れ方により
ASD(自閉スペクトラム症):コミュニケーションや対人関係の困難さ こだわりが特徴
ADHD(注意欠如・多動症):多動性・衝動性・不注意の3つの特徴
SLD(限局性学習症
):読み・書き・計算など特定の領域での困難さ
の3つに分類される
・それぞれの特性が重なって現れることもあり、多種多様である。
・生まれつきの脳の発達のアンバランス得意・不得意の差が大きい状態。
・バランスの悪さが生きづらさにつながる。

『凸凹のためのおとなのこころがまえ』三木崇弘著より

凸凹は環境との掛け合わせで現れ方が変わる

社会の仕組みは「標準=多数派」に合わせて作られています。
例えば学校での学習や様々な活動も多数派であるいわゆる「定型発達」の子どもに合わせて進んでいきます。

子どもが学校に行って勉強するというゴールにたどりつくまでには

重たいランドセルを背負って歩いて登校すること
大勢の子どもがいる教室で過ごすこと
授業中椅子に座って過ごすこと
先生の話を聴くこと
ノートをとるという作業
授業の進む速さについていくこと・・・

たくさんのやるべきことがあります。

あるお子さんにとっては何でもないことでも、例えば凸凹のあるお子さんにとっては、その1つ1つやそのうちいくつかを同時にやることが、とても高いハードルだったりします。(お子さんにより何がハードルになっているかは様々です)
このハードルがうまく乗り越えられないときに、学校生活の中で困りごととして表面化して、どうしても凸凹の凹の部分が目立ってしまう、また学校に行くこと自体が難しくなってしまったりします。


子どもの成長につながる環境とは?

困りごとが起きた時、周囲の大人はどのように対応していくのがよいのでしょうか?
もちろん一つの正解はないと思いますが、第一選択は環境を”子どもの今できていること”に合わせて変えていくことだと考えています。

言語聴覚士として、いろいろなお子さんとことばの練習をする中で気づいたことですが、練習をするとき特に練習を始める段階で大事なのが、
練習の内容を子どもの今できていることに合わせることだったんですね。

できることを練習してもしょうがないんじゃない?そう言われてしまいそうですが、できるところからスタートするのがとっても重要。

できることを一緒にやって、よいフィードバックをもらえる、それを繰り返していくと子どもにとってのことばの練習=得意なことになっていきます。
そして得意なことなのでおのずと練習=好きなことに変わっていくんですね。
そうすると好きなことだから、ちょっとくらい難しくたってできる!もっとたくさんやりたい!そうなってきて難しい練習にもチャレンジできるし練習量も増える。そうしているうちに大人が驚くスピードで子どもは変わっていきます。

現在進行形で困りごとが起きていると、親だったり周囲の大人の目はどうしてもできていないことに集中していまします。
でもちょっと肩の力を抜いて、子どもの今できていることをたくさん見つけてみて下さい。それが子どもの得意なこと・好きなことにつながって、いつかハードルを自分で乗り越えていく力になります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。