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麻の葉模様

  藍木綿の刺し子風呂敷、麻の葉模様部分が縫いあがりました。これから上下に別の模様を刺していきます。 

 濃色の布に模様刺しをする際は、白色で下書き線を書きます。
 が、白の下書きペン、どれも粉状なのです。
 刺し子は縫い縮みをおさえるために糸こきをたくさんするので、表面に乗っているだけの粉は、すぐに飛んで薄くなってしまいます。刺しながら、消えたところはもう一度引きます。
 
 麻の葉模様は、組子でいうところの「三つ組手」の線まで刺してしまえば、あとは交点を頼りに消えた線を引き直せます。

こんなの


 六角形の辺には捨て線がありません。捨て線は常に六角形の内側にのみ。刺し子をした三つ組手が道しるべになって、消えた線はまたすぐ繋げます。難しいように見えて、実はとても優しい、素晴らしくよく出来たかたち。刺し子にも寄り添ってくれる模様だと思います。

 下書き方法は幾つかあって、私はいつも下図のように書きます。捨て線が多く見難いですが、これだと、方眼のサイズを変えるだけで様々なサイズの麻の葉模様が刺せます。
 好きな布の、その時一番似合うと思える位置、範囲に、一番馴染むと思えるサイズで、中心を取って切りよく配置したい。細かな調整が簡単な模様でもあります。

 ただ、いざ糸を通して刺し子をするとなると、刺し目も交点も多いため、少し難しい部類になります。縦線、横線、傾斜の異なる斜線が二種類。同じ目を刺しても針目の出方が違う。縦線は手の感触のまま、斜線はほんの少し大きく出ます。目数が多いから、どれがいつの針目か日に日に区別がつかなくなって、紛れながらどうすることもできなくなっていく。今出来ることしか出来ないと、教えてくれているような。飽きることのない模様です。

麻の葉模様の下書き

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