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「職業訓練」「就労移行支援」「就労継続支援B型」「リワーク」全部通って感じたメリット・デメリット

・職業訓練
・就労移行支援
・就労継続支援B型(作業所)
・リワーク

メンタルを病んで仕事から離れた人が、再就職へのステップとして通うところに挙げられる主な選択肢。

私よっこいは全部通いました。「通ってみた」的な企画でもなんでもありません。

(B型作業所は利用登録はしていませんが、通っている就労移行支援施設がB型も兼ねています。B型利用者とも同じ作業をしてスペースも共有しているので中身や内容は熟知しています)

ということで、これらの施設を実際に通って感じたメリット・デメリットを紹介していきます。


目次で概要は分かるようにしております。では参ります。

■職業訓練

職業訓練校は、2社目に転職する前に半年ほど通いました。営業マンで失敗して、「やっぱ必要なのは手に職でしょ」と考えたのです。

まあ結果的には手に職どころか無職になったんだけどね…泣

メリット①:資格・スキルが習得できる

やっぱこれです。これに尽きます。

持たざる者、かつハンデまで負った僕のような人たちに必要なのはスキルだと、本当に痛感します。

僕はというと、第2種電気工事士の資格を取得しました。独学ではなかなか難しいし(実技試験がネック)、取得すれば設備管理や通信業界など、転職の選択肢が広がります。電気工事士は持ってるだけで有資格者として重宝されます。…が、体力に自信のない人に勧める業界ではありません。

メリット②:失業給付受給者は学費交通費無料!

雇用保険の失業給付受給者は、学費無料でさらに交通費も支給(教材や資格の受験料は自費)されます。

お金のない僕たちにとってこれは激アツ。
後述の就労移行支援は、お金持ちもしくはお金出してくれる人がいないと生活が破綻します。

僕はというと、前職を半年で退職したので雇用保険の受給資格が得られず、授業料は全部自費でした(親に払ってもらったのでいくらか覚えてません…)。雇用保険の受給要件を満たしていれば、授業料が無料になり、初期投資も無く人生の立て直しができます。

デメリット①:休めない!(というか寛解してないとムリ)

全然普通に休めるんですが…

週5フルタイムで通える体力がなければ、はっきり言って職業訓練はムリです。

職業訓練というのはあくまで健常者が前提です。職業訓練を勧める精神科医はあまりいないんじゃないかな?

月曜から金曜まで毎日フルタイムで活動できてはじめてスタートライン。一日授業を受けて「はあ疲れた頑張った~今日一日終わりっ」じゃありません。そこから授業の復習(予習はしなくてもいい)と並行して資格試験勉強といったタスクをこなします。

授業は想像以上にハードです。休むとついていけなくなります。詰みます。

実際クラスに脱落者はいたし、期間の途中で全く違う業種に就職して退校した人もいました(僕もその一人)

1年間の課程を修了して卒業した人は、40人いたクラスの半数以下でした。

正直体調の安定しないメンタル疾患者には負担がめちゃくちゃキツい。大きな挫折経験となって心にトラウマ級の深い傷を負う可能性大。

僕がまた通えと言われたら、1週間で辞める自信があります。オススメはしません。 

■就労移行支援・就労継続支援B型

病気で退職した人や元々疾患のある人は、就労移行支援や作業所(就労継続支援A型・B型事業所)に安定して通所することが就職へのステップとなります。
療養後いきなりの就職活動は再発のリスク大。要注意です。

※なお、冒頭に書いたとおり、僕の通所先は就労移行支援とB型支援の両方を運営しています。違いは2年間の利用期間があるかないか(ないのがB型)くらいなので、ここでは同じものとして扱います。

メリット①:自分のペースで無理なく通える

職業訓練校とは違い、難病患者や障害者の支援に特化していて、通所日や訓練時間を自分の体調に合わせて調整することができます。自分の障害特性に応じた配慮も受けられます。

なので、就職に向けての生活リズム作りには最適と言えます。

メリット②:手厚い就職のサポート

安定して通所できるようになったタイミングで、職員から企業実習や就職活動の支援を受けられます。

また(全てかどうかは分かりませんが)、就職後も定着支援があります。

 就労移行支援の職員が、就職先の企業の担当者に「よっこいさんのその後の調子はどうですか?うまくやれてますか?」というふうに聞いてくれます。もし職場のことで悩み事があれば、就労移行支援の職員を通して職場に相談する、といったことも可能。

就職後もサポートしてもらえるのはすごく安心感があります。

また、希望すれば面接にも職員が同行してくれます。返答に困ったら船場吉兆の会見みたいにコソッと聞けるそう。まあ極力しないほうがいいと思うけど…

面接同行は相手先に「1人じゃ来れない人」みたいな印象を与えかねないので、できれば頼らないほうがいいです。

デメリット①:物足りない

これは人にもよりますが…

就労移行支援の利用者は、社会人経験のない人や養護学校(支援学校)を卒業したての人もいます。軽作業やビジネスマナーなどの講義は、基本的にその方たちに合わせる形になります。

なので、バリバリ働いていた人からしたら、おそらく内容が物足りなく感じます

サラリーマンをしてた時との環境の違いにギャップを感じ、戸惑い落胆することもあるでしょう。「俺はいったい何をやっているんだろう」みたいな。

障害者として(福祉サービス利用者/障害者雇用)生きることを選んだ以上は、そこは割り切るしかないです。

デメリット②:利用者間のトラブルの恐れ大

就労移行支援は、知的・発達・精神など障害がある人が利用されます。なので、それゆえの(といっていいかは分からないけど)利用者間のトラブルが起こりやすいです。
語弊のある書き方ですが、これは事実。僕も経験済です。

 例えば

・独り言や物音がうるさい
・他人のプライバシーやスペースに平気で踏み込んでくる人がいる

など。
困り事は職員に相談するのが鉄則。直接言うと角が立ちトラブルの元になります。そして、詳細は省きますが…

利用者同士のLINE交換は同性・異性問わず絶対やめましょう。

どえらい目にあいます。ほんとに。
僕はそれで心身すり減らし、体調を崩しました。とはいえ、いくら用心してても何かしらのトラブルは起こるものと思ってください。 

■リワーク

▼参考記事:リワークとは

リワークは復職に特化しており、場所によっては休職中の人のみで、退職した人は利用できないこともあります。

ここでは「再就職を目指す人でも利用できるリワーク」という前提で話をします。

メリット①:中身の濃い体験談が得られる

体感ですが、リワークは就労移行支援より利用者間のコミュニケーションが取りやすく、交流が深まりやすいです。

グループワークや休憩時間の雑談を通して、なかなか他では聞けない貴重な話を聞くことができました。様々な職種や階級の人がいて、社会人の浅い僕にとっては上司や管理職の視点から働く上での話を聞けたのはすごくためになりました。

どんな屈強な人でも鬱になるということを改めて実感しました。(ちなみに僕が見てきた人では学校の先生が一番多かったです)

あとリワークは男性の比率がかなり高め。女性が行くと紅一点になりやすいです。この点はデメリットとなる人もいるでしょう。

メリット②:ギャップを感じにくい

就労移行支援のデメリットと反対の形になります。

参加者は主にうつで休職中の社会人。講義内容も専門的な認知行動療法やアサーションなどの知識・実践で、就労移行やB型よりレベルが高く、実りのあるものになりやすいです(「働くって何だろう?」「報連相とは?」的なところから始まったりするので)。

デメリット①:就活は基本自分で

就労移行支援のような手厚い就職支援はありません。精神保健福祉士や臨床心理士が面談してくれることはありますが、職探しは基本セルフで。サポートしてくれるリワーク施設もあるかもですが、聞いたことがなく不明です。

 就活のモチベーション低下に悩んでいるリワーク参加者も何人か見てきました。

目指しているのは復職=就活はしない

なのでやる気を持ち続けるのは難しいように感じます。

デメリット②:退職者は利用できない場合あり

始めに書いたとおりです。僕が通っている所は退職者も受け入れていますが、利用が休職中の人に限定される所も多いです。まあそもそもリワークの言葉の意味がreturn to workの略だしね…


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説明は以上となります。

最後に、どの施設に行くにしても、見学は複数必ず行ってください。比較しないとなかなか善し悪しが分かりません。

自分の目で見て感じて、通所先を決めてもらえればと思います!

 

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