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「県立高校共学化」は時代の流れだ 

    

地元のミニコミ誌に書いた内容です。埼玉の県立高校のことです。



 私の家の近くに県立高校の名門、浦和高校がある。学生服姿で生き生きと通学している男子生徒をみると、こちらまで若くなる気がする。

 埼玉の県立高校は、男女別学が多い。浦和高校、浦和第一女子をはじめ、熊谷、川越など県内の主要都市にある県立高校は、男女別学のままだ。異性を気にせず勉学に打ち込め、進学実績が上がるというメリットはあるだろう。別学の県立高がなくなれば、私立に行くしかなく、経済負担が高まるとの指摘もある。

 地方でよくあることだが、どこの大学を出たかより、どこの高校を出たかで、その人が評価され、能力を判断される。

そのため、自分の出身高校が変わってほしくないという気持ちを持つのはよく分かる。

 しかし時代の流れは間違いなく「男女共学」だ。他県はもとより、独自性を重んじる私立高校でも、男女共学が広がっている。特に女子高は受験者が集まらず、次々と男子生徒を受け入れている。

 少子化が進む中、大学側も変わっていることに注目すべきだ。一発勝負の入学試験の成績よりも、高校での生徒の取り組みを評価する「推薦入学枠」を拡大しているのだ。難関大学への進学者が減ることを心配するのは杞憂というものだろう。

 埼玉県の男女共同参画苦情処理委員が最近、男女別学となっている県立高校の早期共学化を勧告したのも、当然のことだ。

例えば県立浦和高校の近くに住む女子生徒が、浦和高校の受験さえ許されないのは、教育の機会均等を図るべき公教育の本旨から外れている。

 これは実際に関係者から聞いた話だが、過去に浦和第一女子高を共学化する動きがあったが、当時の県知事の奥さんがこの学校の卒業生で、共学化に強く反対して、計画が流れてしまったという。若者を育てる学校が変化を嫌っていたら、学んでいる人も保守的になり、豊かな発想は持てないはずだ。

 もう今から半世紀近くも前になるが、私は長野県の県立男子高校に入学した。当時は実業や農業高校を除いて、別学が普通だった。

学校行事として12時間歩き続ける「強歩大会」や、運動会での激しい騎馬戦など「男らしさ」を重視した教育に重点が置かれていた。

 そんな環境から大学に進んだ私は、突然、同級生の女子学生に出会い、どう対応していいか戸惑った記憶がある。

 その私の母校も、共学化されている。公教育が率先して改革を進めるべきだ。

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