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本当の貧しさ セネカ

Being poor is not having too little, it is wanting more.

わずかしか持たないから貧しいのではない。多くを望むから貧しいのだ。

havingとwantingが対語になってリズムを生みだしている。

とても2000年前の言葉とは思えない。

人間は、あれもこれも欲しがる。車が欲しい、最新の携帯が欲しい、都心部にタワーマンションが欲しい。私の家人が時々、そう言う。

欲望には切りがないけれど、満足は実は自分の心が決めるものだ。いくら所有欲をみたそうとしてもそれは不可能。

そう言いたい気持ちを抑えて、「そうだね。いいタイミングが来たら考えよう」となんとか、危機を切り抜ける(笑)

正直言って、今持っているものに幸せを見いだした方がいいよ。

そんなことを言うと、

人生後ろ向き、向上心のない怠け者と言われそう

だが、さにあらず。現に、哲学者セネカがそう言っている。

セネカは本名をルキウス・アンナエウス・セネカという、史実上の人物だ。

活躍したのは約2000年前とイエス・キリストと同世代であり、ストア学派の哲学者で劇作家、そしてローマ皇帝とも関わり、栄華を極めた政治家だった。

ストア学派は「自然に従え」と教える。ストア派の考えによれば、人間が抱く不安や欲望といった感情は不自然なものであり、本来の自然の法則からは外れている。

そういう感情は抑えねばならない。ストア学派の人が残した言葉が、豊かになった現代、よく読まれているのは皮肉だよね。

セネカは非常に弁論に優れ、それがために皇帝に嫉妬されて、殺されかけた。最後は自殺に追い込まれた。

彼の言葉は日本でも様々な形で出版され、読まれている。

彼の言葉に真実があるからだろう。貧しい人ってどういう人なのか。キケロの言葉を噛みしめて、自分に言い聞かせたい。

超意訳した、文響社のこの本が読みやすかった。


冒頭の写真はお借りしました。
https://www.stoicsimple.com/seneca-stoicism-quotes/

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