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「搾取都市 ソウル」を読んで

搾取都市というタイトルにぎょっとするが、韓国で実際に起きた考試院(受験生などが入居する狭い部屋の集まった簡易宿泊所)火災を手がかりに、ソウルの最底辺の住宅事情を探った力作。

チョッパンという聞き慣れない用語が出てくる。ソウルには結構、寝るだけのスペースしかないこういう部屋があるらしい。

読みどころは、この問題に関心をもった女性記者が、チョッパンのオーナーに迫って行く過程だ。

チョッパンの住人に体当たりし、抗議を受けながら、オーナーが裕福な人たちで、一種の貧困ビジネスをしていることを突き止める。

記者さん自身も、大学時代に住宅費が出せず「学期が始まるたびに、どこに住もうか悩んだ」という実体験が、取材の粘りに通じている。

新聞社はカネがないので、大がかりな調査報道はできないなどと言われるが、テーマは実は目の前にあると教えてくれる。

住宅用語や、地名がたくさん出てくるものの、伊東さんの訳が分かりやすく、日本のことを読んでいるような錯覚を覚えた。

ついでにイヘミ記者についてもいろいろ調べて見た。彼女のインタビュー記事は↓に


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