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警備員ってなかなか

先日のこと。自分の住むマンションで、自転車に手押しポンプを使って空気を入れていた。

そうしたら、マンションの中にある工事現場の警備していた男性が寄ってきて、「もっと空気入りますよ、任せてください」とポンプを私から受け取って、ぐんぐん空気を入れてくれた。

「私はこう見えても自転車屋を経営してましてね。潰しちゃいましたけど」

いかつい男性だったが、話ぶりは優しかった。

そのいい印象が残っていたこともあり、

先日大宮ハローワークで開かれた警備の仕事、本音トークという説明会に参加した。


この仕事に就くというわけではなく、警備の仕事に興味があったからだ。

この本もおもしろかった。特に経験もいらず、高齢でもできる仕事ということでバカにされがちだが、この本も書くとおり、「人生の縮図」が見られそうだしね。

説明会は3つの会社の責任者が来ており、それぞれの業種の説明をしていた。警備員に違いなんてあんのか、と思うかもしれないが、

実は多種多様な勤務形態がある。


大きく言えば施設や人の警備・警護を専門的に行う仕事だ。仕事内容は「警備業法」という法律で定義され、以下の4種類ある。


ショッピングセンターなど人が集まる場所や、住宅、ビルなどの警備(1号警備)

工事現場やイベント会場などの一時的な警備(2号警備)

貴重品や金銭などの輸送や保管の警備(3号警備)

警察や自衛隊などの要請に応じて行う警備(4号警備)いわゆる、ボディガードだ。

警備員になるには、基本的には高卒以上の学歴と健康な身体が必要。また、1号~3号の警備を行う場合は、「第二種警備業務管理者」という資格が必要になる。

この資格は、警察署で行われる試験に合格することで取得できる。

ほほう。

学経年問わないとはいえ、一定レベルの知識が必要って事だ。


この日来た3つの会社は、いわゆる交通案内、病院などの施設警備、学校警備だった。

学校警備では、子供たちをはじめ、学校を出入りする人たちの安全を守る。ネックは喫煙なんだそうだ。学校施設は基本的に禁煙なのに、我慢できず陰で吸ってバレてしまう。

子供たちが勉強する場所でタバコのニオイがしたらすぐ分かってしまうわな。

病院警備は公立の小児科病院の駐車場を受け持つらしい。「難病のお子さんたちから、警備員さんありがとうといわれるのが一番うれしい」と担当者は言う。

こういう施設警備の仕事をする人は、さまざまな事情があってこそなんだろうし、病気を持つ子供を見て、いっそう感情がかき立てられるんじゃないかな。

さて、最後の

交通誘導員は、やはりタフな職場である。

猛暑の中、極寒の中、交代勤務とはいえ基本的に立ったまま仕事をするわけだ。

この会社では高速道路の工事区間で安全誘導の仕事をしていた人が、突っ込んできた車にはねられて亡くなってしまったそうだ。

「今日は本音を言います。危険はないとはいいません。だからこのシゴトが大切なんです。交通法規をしっかり学んで危険を避けることが大切」と担当者は力を込める。

その後質疑応答に移った。

よく若い人は全然質問しないなどと言われるが、この説明会に来た人たちは、どんどん質問を投げかける。

当たり前だよね。だって、働く気でいるんだから。「暑さ、寒さ対策はどうなっているのか」「面接して採用というけれど、どんな人が求められているのか」「半袖で勤務できるか」

感心したのは「作業服は買い取りか、貸与か」という質問。これは大きいよね。悪徳なところは、高額で買わせるのかもしれない。

3社とも貸与だそうだ。

「パソコンの知識が必要か」という質問もあった。入ってみたらWord、エクセル使わないといけないってのも戸惑うし。

「夜間勤務の時の仮眠時間はどのくらいか。何人と一緒に寝るのか。二段ベッドか」
いやー、迫力ある質問。もう完全に働く気持ちになっている。

会場にいた20人ほどを見ると、私を除いてほとんどがマスクをしている。

あんまり顔を見られたくないのかもしれない。邪推かな。

会場では80代になっても警備員として働いている寺田功さんのビデオが流された。100歳まで今の仕事をやりたいそうだ。
うううーあたまが下がる。下げすぎて床についてしまいそうだ。


われわれは必要な存在ー警備会社の説明資料

実際に面接を受けたい気持ちがしたが、いまは別のことをしなければならないし。

とりあえずは交通案内員さんをみたら、「いつもありがとう」ということにしたい。


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