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韓国

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韓国の政治や外交、私の随想を集めしました。
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2020年9月の記事一覧

南北分断と日本の責任3

ソ連は朝鮮半島まで手が回らなかったのです 

 北朝鮮でうたわれ、日本でもヒットした「イムジン河」という曲の2番に、こんな下りがあります。
 北の大地から 南の空へ飛んで行く鳥を見ながら「誰が祖国を 二つに分けてしまったの 誰が祖国を 分けてしまったの」
 北朝鮮に住む人々は、自由に往来できない南側をみて、こう嘆いたのでした。運命の「国境線」が決まった理由は、驚くほどシンプルであり、痛ましくさえあ

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日韓両国で安重根と伊藤博文の再評価を

2年前に書き、シンポジウムで発表した文書です。ご批判ください。 

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南北分断と日本の責任2

アメリカとソ連の朝鮮政策は対象的でした
 ところが日本軍が撤退するのと入れ替わりに、南部にはアメリカ軍が、北部にはソ連軍が進駐してきました。
 アメリカ軍が仁川に上陸したのは9月8日のことでした。ソ連軍はそれより先でした。8月24日には先遣隊が平壌に進駐していました。ソ連軍は朝鮮半島全体を制圧し、日本軍を武装解除させる時間が十分あったのですが、アメリカの提案を受け入れました。
 提案の内容は

 

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南北分断と日本の責任1

この文章は、朝鮮戦争が正式に終戦を迎えた場合に備えて書いたものです。発表の機会が無かったのでシリーズで紹介していきます。朝鮮半島の分断には日本の責任もあります

 私は分断の遠因は、日本の植民地支配だと考えています。分断がなければ朝鮮戦争も起きなかったでしょう。「何でも日本のせいにするな」「もう謝罪はこりごりだ」という人もいるでしょう。
 とりあえず説明していきましょう。聞きたくないこともあるかも

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首相交代の機会を生かすべきだ

言論振興財団のシンポジウムでの発言原稿です

皆さんこんにちは。
私は東京新聞で社説などを担当している論説委員の五味洋治と申します。

まず、辞任を表明した安倍首相の後任を選ぶ自民党総裁選挙が、まさに告示されるというタイミングで、このような会合を開いてくださいました陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所日本研究センター長、言論振興財団キムチョルン理事の皆様に感謝申し上げます。コロナ19に加え、韓国内の

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多文化共生関連のイベントでの原稿です

こんにちは。五味洋治と申します。私は1997年に韓国に留学して以降、朝鮮半島専門記者として過ごしてきました。

そのおかげで今があるわけです。
北浦和に20年ほど住んでいます。

もともとは川崎にすんでいて、指紋押捺問題をきっかけに韓国に関心を持ちました。会社の留学制度を使って韓国にいったわけですが、当時は韓国にいって語学を学ぶことは奇異の目で見られていました。勉強する教科書もなく、韓国の友人に大

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