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北朝鮮

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実状の分からない北朝鮮についてのさまざまな文章をランダムに集めています。
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2020年11月の記事一覧

スポーツ大国のあやうい未来(2013年)

 2011 年に死去した金正日総書記の統治スタイルは「音楽
政治」と言われた。総書記には「音楽芸術論」という著作
もある。音楽を政治に取り込み、思想教育に役立てた。
 一方、息子の正恩第1書記は、「スポーツ政治」を目指し
ているようだが、あやうさもはらんでいる。

 正恩氏は、今年8月以降、夫婦そろって国内で開かれる
スポーツ大会を観戦する様子が朝鮮中央テレビでひんぱん
に放送されている。北朝鮮国

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イメージ戦略先行 改革はもたつく 金正恩氏の1年(2012年)

2012年にミニコミ誌に寄稿したものです。

 1年前に、頼りにしていた父親の金正日総書記が死去し、北朝鮮の指導者に押し上げられた金正恩・朝鮮労働党第一委員長。
 後継者になることは2010年に公表されおり、さまざまな形で人間像に関する報道が行われてきた。最高位のポストについてからの行動や発言を通して、徐々に実像が見えて来た。
 イメージ戦略には長けた若者だが、北朝鮮は実質的には何も変化していない

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北朝鮮は戦争をするか?(2013年)

 3回目の核実験を強行した北朝鮮に対して、国連安全保
障委員会が、制裁を強化する決議を採択した。これをきっ
かけに、北朝鮮は連日のように「ソウル、ワシントンを火
の海にする」「核の先制攻撃も辞さない」などと、危険な発
言を繰り返している。

 私は今年の初めに、北朝鮮が取る最悪のシナリオとして、
韓国と北朝鮮の対立が強まり、部分的な軍事衝突が起きる
可能性があると指摘した。
 ただし、過激な発言が

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北朝鮮でデジタル革命が進む(二〇一一年の原稿です)

 来年は、北朝鮮にとって記念すべき年になる。まず、故金日成主席生誕100年である。誕生日の4月15日には盛大な行事が行われるはずだ。2月16日は、金正日総書記の70回目の誕生日、後継者である3男正恩氏は30歳になる。こういった切りのいい年を北朝鮮は大変重視する。
 これと軌を一にする動きが平壌で進んでいる。社会のデジタル化だ。インターネットも自由に使えないのにデジタル化ができるのかと思う人も少なく

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