五味洋治 Yoji Gomi

新聞社OBです。専門は朝鮮半島や北東アジアです。かつて書いた原稿の整理や、英語学習や読…

五味洋治 Yoji Gomi

新聞社OBです。専門は朝鮮半島や北東アジアです。かつて書いた原稿の整理や、英語学習や読書の記録などを残しています。いいね、フォロー、コメントは励みになります。

マガジン

  • 命がけで海外に渡った人たち

    歴史上、苦労して海外で学んだ人をまとめています。

  • 英語を学び、人生を学ぶ

    英文を読むことがあり、ついでに出会った言葉を書き残しておきます。暗記できるような比較的短めなものを選んでいます。自分用ですが、せっかくなので公開します。動画のリンクも入っています。お時間のあるとき、スマホで楽しんでください。

  • 韓国

    韓国の政治や外交、私の随想を集めしました。

  • 北朝鮮

    実状の分からない北朝鮮についてのさまざまな文章をランダムに集めています。

  • 日記とか雑記とか、思い出とか

    さまざまな文章を掲載しています。

最近の記事

命がけで海外に渡った人たち④ 南極探検に人生をかけた白瀬中尉

もう人類が宇宙に行く時代である。技術の進歩もあって極寒の南極に行き、さまざまな観測をすることは、容易になっている。 しかし、明治時代はまったく様相が違っていた。まさに未開の地に向かうことでした。 その南極を目指したのが、白瀬矗です。 南極まで1年2カ月(途中陸上での待機あり) 現在飛行機でシドニーまで約9時間半、シドニーから南極を上空から見るツアーで片道4時間の計12時間半 秋田県にある浄蓮寺の長男として生まれました。幼少期から活発で、危険な状況でも果敢に行動する腕白

    • ふさわしい時に輝けばいい。

      英語の名言、しばらく書いていなかった。ふと思いついてチャットGPTに最も引用されている名言は何かと聞いたら、写真の言葉を教えてくれた。 極めてシンプル。 Don’t Compare Yourself with Others. Be Like the Sun and the Moon and Shine When It’s Your Time. 自分を他人と比較してはいけない。太陽と月のように、ふさわしい時に輝けばいい。 この言葉には自信と忍耐の大切さが込められている。

      • 韓国の総選挙を語る

        韓国の大学院生ヨヒョンジュンさんと、4月10日の総選挙について語りました。2分あたりから始まります。 与党の責任者だったハンドンフン氏は、ほとぼりを冷ますため、海外留学するとの見方も出ているようです。 30代のヨさんは、入試不正の疑いがかけられている曺国さんは、個人的に支持できないと話していました。

        • 命がけで海外に渡った人たち③ ロンドンに留学した夏目漱石

          文豪という言葉がぴったりする作家と言えば、何と言っても夏目漱石でしょう。今も愛読者が多い彼は、明治時代に国費でロンドン留学を果たしています。 定期旅客船で向かったので、命がけというほどではなかったかもしれませんが、長い旅路でした。どんな思いで出かけていったのでしょうか? 明治33(1900)年9月8日、漱石は、横浜港からロンドンに向けて出発しました。 日本からロンドン直行便 約14時間半 漱石の船旅 40日間 船の名前は「プロイセン」号でした。東シナ海を南下し、上海、

        命がけで海外に渡った人たち④ 南極探検に人生をかけた白瀬中尉

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        • 命がけで海外に渡った人たち
          4本
        • 英語を学び、人生を学ぶ
          41本
        • 韓国
          78本
        • 北朝鮮
          88本
        • 日記とか雑記とか、思い出とか
          40本
        • 読書感想文
          31本

        記事

          命がけで海外に渡った人たち② ブラジル移民

          私は長野県生まれです。どうやら親戚の中にブラジルに移民した人がいると聞いたのは、最近のことです。 母方の「コマツ」姓を名乗り、かなり大きな農園を営んでいるそうです。母親はその親戚を知っていましたが、もう90歳を超えています。 思いついて改めて聞いてみたのですが、「コマツ農園としか分からない」との答えでした。そうですねえ、もう移民が始まってから100年以上経っていますから。 移民としてはアメリカ、ハワイなどがメインでした。 しかし、日本人が勢力を伸ばしたため、警戒され移

          命がけで海外に渡った人たち② ブラジル移民

          命がけで海外に渡った人①

          阿倍仲麻呂 ちょっと興味があって、命がけで外界を目指した人を調べてみた。今は、地球のどこに行くにも飛行機を使えば、乗り換えしたとしても2日程度で着くことができる。 しかし、つい100年ほど前まで、海外に行くことは命をかけた仕事であった。若者が内向き思考になっていると言われるが、いま1度、未知の世界に飛び込む勇気について書き留めておきたい。 まずは、何と言っても阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)でしょう。 仲麻呂が目指した唐の都、長安までは、海路と陸路で約30日かかりました。

          命がけで海外に渡った人①

          万景峰号が持ち出した金額

          万景峰号が日本から持ち出した額はどの程度になるのだろうか。 2003.06.28日付けの読売新聞に、その数字が載っている。 タイトルは「北朝鮮へ送金や持ち出し、3年で12 7億円 9割、渡航者運ぶ/財務省届け出分」というものだ。正式な発表ではなく、読売の独自記事のようだ。全てが不正持ち出しではなく、承認を受けているものもあることを念頭に置いて、読んでいただきたい。 その概略を抜き出しておく。 2002年までの3年間に、日本から北朝鮮へ送られた資金は、財務省が正規の届け出を

          万景峰号が持ち出した金額

          国交省からの調査を受ける

          万景峰の詳しい構造を書いた朝日新聞の記事があったので、転載しておきます。かなり不備があったまま運航されていたようだ。原文に手を加えてあります。 2003年8月25日、北朝鮮の貨客船「万景峰92」号が新潟市の新潟西港に入港しました。日本への入港は1月15日以来約7カ月ぶりでした。 この入港では、中古車7台、中古のトラック2台、マイクロバス・観光バス各1台、自動車部品、音響機器やビデオテープ、粉ミルク、卓球用具、冷凍牛肉などが北朝鮮に輸出されました。朝鮮総連や総連傘下の企業

          国交省からの調査を受ける

          万景峰号は、どう説明されたか

          北朝鮮帰国事業は、1959~1984年にかけて行われた。在日朝鮮・韓国人を中心に計約9万3千人が北朝鮮に渡った。朝鮮大学校生約200人も集団帰国している。 事業の当初から、北朝鮮は地上の楽園ではないとの声もあったが、これだけ長く続いた。 その後、1992年に万景峰92号が就航する。 この船がどういうものだったのか、「北朝鮮の真実 ー万景峰92号 北朝鮮家族訪問記」(きむやんそん著、アマゾンKindle版)に書かれている。 著者は、万景峰号に乗って親族を訪問するが、説明

          万景峰号は、どう説明されたか

          昭和47年に万景峰号はどう見られていたか

          ゆえあって北朝鮮の貨客船万景峰号について調べていたら、読売新聞の記事に出会った。昭和47年7月2日付だ。 横浜読売という県版の記事なのが貴重だ。記者の目を通して、一般市民の反応が分かる。 当時、革新系である飛鳥田市長は万景峰号の横浜港入港を認めていた。 歓迎する人もいたが、反対運動も激しく、結局数回の入港だけで終わっている。 この日の県版には、桜木町というコラムがある。 字が小さすぎてよく読めないが、大意は以下の通り。 まるで朝日新聞を読んでいるかのような内容だが、

          昭和47年に万景峰号はどう見られていたか

          韓国総選挙の行方 野党民主党有利動かず KBS調査

          4月10日に行われる韓国総選挙は、すでに世論調査の発表禁止期間に入っている。 世論調査が投票に影響を与えないためだが、ここからは、毎回噂が先行する。 ●●が調査した所では数字が大きく変わっている。●●候補があぶないなどなどだ。 この発表禁止期間を廃止すべきだという意見もあるようだが、論議がまとまらず今回も同じ措置が取られた。 韓国には世論調査機関が300あるとも言われるが、自動応答システムを使った携帯電話への無作為調査が多く、信頼度は今ひとつだ。 やはり大手放送局の

          韓国総選挙の行方 野党民主党有利動かず KBS調査

          初代と2代目の万景峰号

          新潟港と北朝鮮の元山港のあいだを不定期に就航する貨客船の名前。 1971年に初代が、1992年に現在の2代目が就航した。朝鮮総聯が窓口となり、在日コリアンの帰国事業や、在日朝鮮人の祖国訪問、朝鮮学校生の修学旅行、朝鮮に住む親戚などへの物資輸送などに使われてきた。 日本のメディアで、万景峰号と呼ばれているのは2代目の大型船の方である。 日本人拉致事件や核開発問題が発覚した後、日本国内で新潟への入港を阻止しようとする動きが激しくなった。北朝鮮への資金や物資輸送に使われている

          初代と2代目の万景峰号

          横田めぐみさん 万景峰号に乗ろうとしていた。

           先日、国会内で、北朝鮮の拉致問題に関する集会があった。そのものずばり。「北朝鮮拉致問題の解決」という本の出版記念を兼ねた講演会で、和田春樹東大名誉教授を始め、この問題の再検証をしている人たちが、本に書いた内容を踏まえて、解決への提言を行った。 長い間この問題に関心を持っていた私としても、興味深い話が多かった。ただ、再び国民の関心を集めるためには、相当新しい展開がなければ難しいだろう。  その中で、横田めぐみさんが、日本と北朝鮮を結んでいた貨客船、万景峰号に乗って帰国を図

          横田めぐみさん 万景峰号に乗ろうとしていた。

          誰もが老いを恐れる スフィト

          文中に願うという意味でdesire wishの2つが出てくる。どちらも「希望」や「願望」を表す単語だが、実はニュアンスが違う。 「desire」は、衝動や義務感のような、欲しくてしかたないことに対して使う。また、非常に強い欲望や情熱を表す。 「wish」は、手に入れられる可能性が低かったり、不可能なことに対して使う。非現実的な願望や過去の出来事の変更を意味する。 つまり、ああ長生きしたいと心から強く思うけれど、一方で老いさらばえた姿になりたくないと非現実的な妄想に浸る

          誰もが老いを恐れる スフィト

          曺国新党の人気上昇 韓国

          4月に行われる韓国の総選挙では、無数の新党が生まれている。 大政党の推薦を受けられなかった人たちが集まり、新党を作っているのだ。各政党の政策を見ると、国民が何を求めているのかも浮き彫りになる感じがする。 その中でも、日本でもおなじみ、曺国元法相が作った新党が、最大の話題だ。 曺国が率いる新党は、名前を「祖国革新党」に決定した。祖国と曺国は発音が同じだ。 この党は、光州の空を象徴する「トゥルーブルー」をシンボルカラーとして採用した。 また、白頭山の天地を象徴する「コバル

          曺国新党の人気上昇 韓国

          本当の貧しさ セネカ

          Being poor is not having too little, it is wanting more. わずかしか持たないから貧しいのではない。多くを望むから貧しいのだ。 havingとwantingが対語になってリズムを生みだしている。 とても2000年前の言葉とは思えない。 人間は、あれもこれも欲しがる。車が欲しい、最新の携帯が欲しい、都心部にタワーマンションが欲しい。私の家人が時々、そう言う。 欲望には切りがないけれど、満足は実は自分の心が決めるもの

          本当の貧しさ セネカ