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言葉の宝箱 1008【生きるって、むずかしい。けど、おもしろい】

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『海が見える家③ 逆風』はらだみずき(小学館文庫2021/9/12)

入社1ヶ月で会社を辞めた文哉は急逝した父が遺した
千葉県南房総の海が見える家で暮らして三年目を迎えた。
この春に起業した文哉の生活は順風にも見えたが、
直撃した大型の台風によって生活は一変してしまう。
通信手段すら途絶える中、
文哉は地域の人と共に復旧作業に取り組んでいく。
そんな時、学生時代の知人の訪問を受ける。
農業の師である幸吉、便利屋の和海らと深く交流し、
自給自足的な生活を目指す中で、
改めて自分がどうやって食っていくのか悩み、
模索する文哉に新たな決意が芽生えていく。シリーズ第3弾。

・今の世の中では、なにかが使えなくなれば、それを早々にあきらめ、
すぐに新しいものに買い換える。修理を申し込めば割高になる。
そういう仕組みを企業がつくり、
人々はそれに慣らされてしまった感がある。
それが政治家の言う「経済をまわす」ことだと思えてくる P10

・あれをやっておけばよかった、これをやっておけばよかった、
と今さらながら考えてしまう P58

・人間、かっこつけなくなったら終わりよ。
今の世の中、かっこわるいやつばかりだろ。
かっこわるくていいと開きなおってる。
見本となるべき政治家ですら、恥知らずなことを平気でやりやがんだ P87

・よい道具があればできる、というわけじゃない。
つまりは経験がものを言う P100

・人間の思いどおりにはいかない。それが自然なのだ P101

・便利だからといって、
ひとつのもんばかり頼るってことは、おっかねえのさ P103

・甘い考えは最初から持つもんじゃねえ。
期待すっから、裏切られたと思うんだべ P119

・ひまってのは、自分で自由に使える空き時間のことだろ。
それがあるって、ふつうに恵まれた人生だと思うよ P156

・現実だとしても、それを自分自身にあてはめる必要なんてあるのかな。
試しもせず、そういうものだとあきらめていたら、
それこそつまらないじゃないか P160

・よりお金を稼ぐことよりも、
よりお金を使わない暮らしのほうが、自分には合ってる P188

・だれかと楽しむことも大切だけど、ひとりで楽しめることも(略)
自立していればこそ、できるんじゃないかって思うんだ。
自立と楽しさは比例するってね P190

・親というのは、いつまでも親でありたいらしい。
早く自立したい子は、
そんな親の気持ちなど知ろうとせず、ただ心を閉ざしてしまう P208

・あきらめることは簡単だ。
ものごとには、なにかしら解決策がきっとある。
問題に向き合って、ひとつひとつハードルをクリアすれば、前に進める。
ゴールに近づける P244

・自分ができることをよそに任せてばかりいたら、
生きることの意味がわかんねぐならねえか。
実感できなくなるんじゃねえか P265

・生きものはみな殺生をして生きるのだ(略)
生きるために殺すのだ。それを他人に任せているのは人間くらいなものだ。それを忘れてはいけない(略)
食うということは、他者を食らうことでもある。
そういう現実からあまりにも遠くで暮らしている自分に気づいた P269

・生きるって、むずかしい(略)
けど、おもしろい P283

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