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田中Pの身勝手な映画感想

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鑑賞して好みだった映画だけ感想を書いてます。限りなく備忘録です。すいません。
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記事一覧

映画「ミッシング」

映画「ミッシング」

監督:吉田恵輔

6歳の娘が行方不明になり、手がかりもなく懸命に探し続ける夫婦。夫婦間の温度差やマスコミの報道・SNSでの誹謗中傷によりいつしか母親は「心」をなくしていく。夫婦と周囲の人々の物語。物語なのかな?これは。属性を判断するのが難しい。見ててつらすぎるオススメしにくい映画です。
吉田監督の仕事だな〜ってまずは唸るしかない。ネタバレしたくないので展開や行方不明事件そのものについては書きません

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映画「正義の行方」

映画「正義の行方」

監督:木寺一孝

GW初日は158分の映画を見るに限る!体力使うし。って覚悟してても骨太が過ぎる飯塚事件のドキュメンタリーでした。158分あっという間。集中させられちゃう。でもしっかり首と腰には痛みを伴います。
※飯塚事件についてご存知ない方はwikiで読んでくださいませ。 

捜査した警察、再審請求する弁護士、報道し続ける新聞記者の3者の主張が聞けて多角的に事件をつかめる。とても分かりやすい。2

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映画「違う惑星の変な恋人」

映画「違う惑星の変な恋人」

監督:木村聡志

美容室で働くむっちゃん(莉子)は先輩のグリコ(筧美和子)と仲良くなる。グリコに復縁を迫るモー、グリコの知り合いでイケメンのベンジー、、4人の恋の矢印がグルッと絡み合う物語。
恋愛群像笑劇を好む演出家たちが嫉妬しそうな脚本!絶妙にいそうでいない人々による会話がいちいち面白いやつ。セリフの言い方とか間も良いのじゃろうけど、会話のセレクトというかネタが秀逸。長回しで会話を楽しむって観点

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映画「瞳をとじて」

映画「瞳をとじて」

監督:ビクトル・エリセ

ビクトル・エリセの31年ぶり長編映画。みなさん楽しみにしておられたのではないでしょうか、私もです。期待に違わぬ169分でした。生きて映画を見続けた者たちへのご褒美なのじゃろか。

あらすじこちら→「別れのまなざし」という映画の撮影中に主演俳優のフリオ・アレナスが失踪してしまう。状況から自殺と見られたが遺体はなく、、22年が経つ。映画の監督でフリオの親友だったミゲルはこの未

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映画「VORTEX」

映画「VORTEX」

監督:ギャスパー・ノエ

心臓に持病を抱える夫と認知症が重くなってきた妻。老老介護の末に人生最後が近づく2人のドキュメントのような物語。
12/8公開の今作ようやく観てきました。これは凄い!観た方がいいって言いたくなるヤツです。タイミング遅いですが。

凄いと言いつつも。最初に書きますが、この映画は誰かの批評や感想を気にするもんではありません。観た人の環境・状況で感じることが異なりすぎるはずなので

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2023年_ベスト映画

2023年_ベスト映画

大晦日の午前中に大掃除するのがルーティーンになってきまして。気がつけばなんとなく。掃除機かけて拭き掃除して映画のDVDとパンフレットの棚を拭いていると、、脱線。年末だし寅さんに会いたくなって"男はつらいよ"の第何作を見ようかな〜って展開に。で昼飯に蕎麦食べにいって午後ゆったりと「男はつらいよ第10作 寅次郎夢枕」を見ちゃう。最高ですね。
今年もいい映画見れたなって気になるからお安いご用。

202

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映画「モナ・リザ アンドザブラッドムーン」

映画「モナ・リザ アンドザブラッドムーン」

監督:アナ・リリ・アミリプール

12年間精神病院に隔離されていたモナ・リザ。
ある満月の夜、突如として特殊な能力が身につき病院から脱走する。12年ぶりの外の世界で彼女はどうなっちゃうのかって物語。

チラシのビジュアルから想像つかなかったけど意外と痛快な映画でした。
ズラした設定(特殊能力)は1つだけにして脱走した先の世界や登場キャラはめっちゃリアルなのがいい。リアルタラしめてるのはニューオリン

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映画「ほかげ」

映画「ほかげ」

監督:塚本晋也

終戦直後、半焼けになった小さな居酒屋で一人暮らす女。体を売りながら絶望の淵で生きていた。ある日から家族をなくした子供と復員兵が店に入り浸るようになる。

日曜日の夜に萎えたなあ、、なるべく短く書こう。95分の尺でどっと疲れる映画でした。終戦後を描く塚本監督の角度が秀逸な上に役者の強い演技が圧となって見る者にのしかかる映画だから。
趣里さん素晴らしいですよほんとに。

戦争の悲劇を

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映画「まなみ100%」

映画「まなみ100%」

監督:川北ゆめき

ボクは器械体操部のまなみちゃんという平凡な女の子を好きになり、高校〜大学〜現在でいくつかの恋愛を経てもずっと好きだった。そしてまなみちゃんは自分ではない誰かと結婚する日が来る。淡い10年の物語。

冒頭に言ってしまうと、、、この映画の主人公が全然好きじゃないです。軽くて、ノリでうまくいっちゃうこともあるやつ。監督ご自身の回顧物語なので書くの心苦しいですが、映画の中のYUZUくん

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映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」

映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」

監督:オレシア・モルグレッツ・イサイェンコ

1939年。同じアパートに住むウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が第二次大戦に巻き込まれ翻弄されながらも子供達を守ろうと必死に生きる物語。

ソ連軍やナチス軍に侵攻される様子は現代のウクライナとも通ずるのです。 民族や信仰が異なっても子供たちを愛し、守ろうとする心は同じなので家族同士が団結するんですね。今後戦争というものが無くなるとしたらこの

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映画「アフターサン」

映画「アフターサン」

監督:シャーロット・ウェルズ

※書き終わった後に読み返してみたら少々ネタバレしちゃってました。すいません。これ以下読んでくださる場合ご了承ください。

20年前の夏。11歳のソフィが離れて暮らす父親カラムと過ごした夏休み、を振り返っている物語だと思います。
説明ない系の映画で父娘がトルコのリゾート地で遊ぶ姿がしばらく続くので途中少々退屈でした。二人の会話や振る舞いからカラムは離婚して母親側にソフ

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映画「セールス・ガールの考現学」

映画「セールス・ガールの考現学」

監督:センゲドルジ・ジャンチブドルジ

国立大学生で原子力工学を学ぶサロール。同級生に頼まれてアダルトショップでバイトを始めることに。ショップオーナーのカティアは高級住宅に住む金持ち熟女でどうやら有名人。サロールは1日の売り上げをカティアに届ける内に親密になり、今まで親の言うとおりに生きてきた自分がこのままで良いのか考えると共に性についても目覚めてくる。モンゴル映画。

これは発掘感ある。都会が舞

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映画「トリとロキタ」

映画「トリとロキタ」

監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ

アフリカからベルギーへ渡った17歳のロキタと12歳のトリは道すがら姉弟と偽り、支え合って暮らす。ビザのないロキタは祖国にいる家族に送金するためにドラッグの売人を手伝い、さらに危険な闇仕事を始めてしまう。

ダルデンヌ先生やってくれちゃった、という感想です。先生が時々選ぶ手法。心にデカい重りをつけられちゃうやつです。誰の何が原因でこんなことになったのか

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映画「死体の人」

映画「死体の人」

監督:草刈勲

死体役ばかり演じるうだつの上がらない俳優吉田広志(奥野瑛太)。ある日家に呼んだデリヘル嬢のカナ(唐田えりか)が忘れていった妊娠検査薬を何気なく使ってみるとなんと陽性反応が出る。
あらすじを読むと飛ばした設定のSF恋愛コメディか?と想像しちゃってた。が、、いい意味で裏切られた!というかある意味ではファンタスティックなコメディかもw ジャンルなんてどうでもいいか。

"友達"とか"恋人

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