余白珈琲

小さな海町の坂の上、夫婦でコーヒー豆屋を営んでいます。ため息を、ほっとひと息に。 ht…

余白珈琲

小さな海町の坂の上、夫婦でコーヒー豆屋を営んでいます。ため息を、ほっとひと息に。 https://yohaku-coffee.com/

マガジン

  • 豆袋の野鳥印

    毎月、私たちの好きな野鳥のハンコをひとつ作って、「いつものブレンド」の豆袋に押しています。これはその記録です(2023年1月~)

  • コーヒー豆のこと

    おしながきです。どの豆も100g600円です(定期便550円)

  • 暑い日のコーヒーの愉しみ方

    暑い日のコーヒーの愉しみ方、ちょっとした工夫をまとめてみます。

  • 『台所珈琲の手びき』のこと

    2023年初秋に刊行した『台所珈琲の手びき』について書いた記事をまとめました。

  • お店のこと

    お店のことについて書いた記事をまとめました。

記事一覧

固定された記事

『台所珈琲の手びき』

【定価】本体600円+税 【判型】A5判(無線綴じ) 【頁数】40ページ 【発行年】2023年 ・初版(200冊)8月末 ・2刷(200冊)9月中旬 ・3刷(200冊)9月末 ・4刷(200冊)10…

余白珈琲
9か月前
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豆袋の野鳥印/その18(2024年6月)~コチドリ~

「いつものブレンド」の豆袋に押している野鳥印、2024年6月は「コチドリ」です。 黄色のアイリングがよく目立つ、小さなチドリ(全長16センチ、スズメよりやや大きいくら…

余白珈琲
5日前
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(追記)豆の値段

コーヒー豆の値段を「100g600円」にしています(定期便の場合は100g550円)。定番の「いつものブレンド」も、年に4回だけ登場する「季節の豆」も、すべて同じ値段です。 …

余白珈琲
2週間前
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ちょうどいいコーヒー牛乳(冷)のつくり方

冷たいコーヒー牛乳は、つくる順番にコツがあります。 ①いつも通り淹れ始める いつもホットコーヒーを淹れている、なじみのあるレシピでつくり始めます。豆の挽き方や湯…

余白珈琲
3週間前
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ミルの掃除

これからの季節におすすめなのが、ミルを掃除することです。 ドリップバッグなどをつくるときに、店で使っている電動ミルは、毎日分解して掃除するようにしています。一方…

余白珈琲
1か月前
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わが家のチーズケーキ

窓辺の掃除をして、風が気持ちよくて、畳に寝転がっていると、もう何もいらないなと思う。もう何もいらないなと思いながらも、昨晩焼いて冷やしていたチーズケーキはもちろ…

余白珈琲
1か月前
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お茶パックでつくる水出しコーヒー

氷を使わないアイスコーヒーとしては、水出しコーヒーがあります。 水出しのナイスなところのひとつは、風味の変化がゆるやかなところです。そのため、弁当的なコーヒーと…

余白珈琲
1か月前
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ちょうどいいアイスコーヒーのつくり方②(氷の調整)

もうひとつ、ちょうどいいアイスコーヒーをつくるための方法があります。それは、水割りにするということです。氷がとけて水になるのであれば、同じバランスで加水をしても…

余白珈琲
1か月前
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ちょうどいいアイスコーヒーのつくり方①(いつも通り)

まず、アイスコーヒーの基本から。 アイスコーヒーをつくるときには、ホットコーヒーを手がかりとします。自分にとってちょうどいい「いつもの」があれば、そこからつくっ…

余白珈琲
1か月前
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暑い日のコーヒー

「昼間は暑いくらいですね」という会話が増えてくると、それと呼応するように、お客さんからの注文に小さな変化があります。もちろん、季節を問わず同じ豆を好まれる方も多…

余白珈琲
1か月前
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『台所珈琲の手びき』5刷

昨年8月の暮れに刊行した『台所珈琲の手びき』を、2月に増刷いたしました。「200冊つくって、在庫が30冊になったらまた200冊つくる」ということをくり返しているのですが、…

余白珈琲
3か月前
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『ペーパー余白』について

『ペーパー余白』は、毎月発行しているコーヒー豆のオマケです。A4用紙1枚に、雑文と漫画、回文となぞなぞ、季節の記録などが載っています。2020年の1月号から始まって、な…

余白珈琲
6か月前
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冷めてもおいしいコーヒー

冬が近づいてくると、「そういえば、コーヒーが冷めるのもはやくなってきたなあ」ということを、ふと思ったりします。こればっかりは、逆らうことのできない移ろいです。で…

余白珈琲
7か月前
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『台所珈琲の手びき』4刷

10月が暮れていくなか、『台所珈琲の手びき』を再び増刷することができました。初版から200冊ずつ、これで4回目です。本当にありがとうございます。今後も細々と、しかし長…

余白珈琲
7か月前
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「星々」(彦井洋白『古歌小唄』より)

*季節の豆「星々」を焼くにあたって、想い口ずさむ小唄です(年の暮れ/12月限定)。 〽 あんまり高く 見上げたら お首が痛く なりますヨ あんまり遠く 見上げたら そ…

余白珈琲
7か月前
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「秋やき」(彦井洋白『古歌小唄』より)

*季節の豆「秋やき」を焼くにあたって、想い口ずさむ小唄です(初秋~晩秋/9月~11月限定)。 〽 ありゃイワシだな ありゃサバか 誰かが焼いた 魚のにおい 空にたなび…

余白珈琲
7か月前
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固定された記事

『台所珈琲の手びき』

【定価】本体600円+税 【判型】A5判(無線綴じ) 【頁数】40ページ 【発行年】2023年 ・初版(200冊)8月末 ・2刷(200冊)9月中旬 ・3刷(200冊)9月末 ・4刷(200冊)10月末 ・5刷(200冊)2024年2月末 【発行者】余白珈琲 *5刷以降は印刷の関係で、表紙が灰色から白色に変更となります。内容に変更はありません。 「憧れ」と「虚しさ」のあいだで、「愛おしさ」に揺られながら。降っても晴れても、自分でつくる今日の味。 生活のなかで愉しむコーヒ

豆袋の野鳥印/その18(2024年6月)~コチドリ~

「いつものブレンド」の豆袋に押している野鳥印、2024年6月は「コチドリ」です。 黄色のアイリングがよく目立つ、小さなチドリ(全長16センチ、スズメよりやや大きいくらい)。繁殖期(夏羽)にくっきりと出る、顔まわりから首や胸にかけての黒色模様も特徴的で、白く残っている額の部分は、まるで忍者の額当て。 3月ごろ、ツバメと同じような時期に渡って来て、秋に去って行く夏鳥ですが、西日本以南ではそのまま越冬する個体も少なくないようです。実際、私たちも冬のコチドリを見かけたことがありま

(追記)豆の値段

コーヒー豆の値段を「100g600円」にしています(定期便の場合は100g550円)。定番の「いつものブレンド」も、年に4回だけ登場する「季節の豆」も、すべて同じ値段です。 淹れ方や好みにもよりますが、「100g」というのは「7~8杯分」くらいの量です。つまりこれは、「1杯75円~85円」くらいの値付けということです。高くもないし安くもない、中途半端な値段かもしれません。 この値段は、わが家の金銭感覚によるところが大きいです。長い年月で積み上がった、逃れようのない、個人的

ちょうどいいコーヒー牛乳(冷)のつくり方

冷たいコーヒー牛乳は、つくる順番にコツがあります。 ①いつも通り淹れ始める いつもホットコーヒーを淹れている、なじみのあるレシピでつくり始めます。豆の挽き方や湯温、注ぎ方なども特別に変えることはありません。 ②抽出をふだんの半量で止める 単純に、半分しか抽出しないことによって、濃いめのホットコーヒーをつくります。 ③抽出したコーヒーと同量の牛乳を注ぐ コーヒーの入っているサーバーに牛乳を注ぎます(ぬるいコーヒー牛乳ができます)。コーヒーと牛乳が半々で、結果として、全体量

ミルの掃除

これからの季節におすすめなのが、ミルを掃除することです。 ドリップバッグなどをつくるときに、店で使っている電動ミルは、毎日分解して掃除するようにしています。一方、家で普通に使っているミルは、ふと思い立ったときにだけ分解します(季節に一回くらいでしょうか……)。毎日掃除する店のミルでも、たった一日で結構な微粉がたまります。 ミルを掃除すると、コーヒーの味が原点にかえって、とてもすっきりします。後味がのびやかになって、冷めたときに味が膨らみます。 こればっかりは、工夫などは

わが家のチーズケーキ

窓辺の掃除をして、風が気持ちよくて、畳に寝転がっていると、もう何もいらないなと思う。もう何もいらないなと思いながらも、昨晩焼いて冷やしていたチーズケーキはもちろん愉しみで、台所へ向かい、深やきのコーヒーを淹れる。 久々にチーズケーキが食べたいな、つくるか、と思い立ったとき、昔の『ペーパー余白』にレシピを載せたことがあったなと思い出し、ぺらぺらめくっていると、第3号(発行は2020年の3月)にあった。今の気分的に、生クリームがやたらと偉そうに見えたので、かわりに水切りヨーグル

お茶パックでつくる水出しコーヒー

氷を使わないアイスコーヒーとしては、水出しコーヒーがあります。 水出しのナイスなところのひとつは、風味の変化がゆるやかなところです。そのため、弁当的なコーヒーとして最高です。前日に仕込んでおいて、ボトルに入れて職場に持って行くとか、そういうときにぴったりです。 また、ひとり暮らしを始めたときに冷凍庫なしの生活だったことを思うと、氷が不要だというのは、なかなか嬉しいところです。 当店でも毎年5月ごろから、「水出しコーヒーのもと」(あとは漬けるだけのもの)を販売していますが

ちょうどいいアイスコーヒーのつくり方②(氷の調整)

もうひとつ、ちょうどいいアイスコーヒーをつくるための方法があります。それは、水割りにするということです。氷がとけて水になるのであれば、同じバランスで加水をしても、ちょうどいいだろうという発想です。この方法は氷の量が少なくて済むので、冷たすぎるのが苦手な人にもおすすめです。 基本はここでも同じで「いつも通り」です。いつもの豆をつかい、いつも通りの豆の量で、いつも通りの挽き方や注ぎ方で淹れていきます。そして、抽出の量だけ、いつもの半量で止めます。 そこに、抽出したコーヒーと同

ちょうどいいアイスコーヒーのつくり方①(いつも通り)

まず、アイスコーヒーの基本から。 アイスコーヒーをつくるときには、ホットコーヒーを手がかりとします。自分にとってちょうどいい「いつもの」があれば、そこからつくっていくのが気楽です。別のものとして考えてしまい、「それ専用に豆を買わなければ」とか「挽き方や豆の量を変えなければ」とか、そうなると面倒で大変です。まずはいつも通り、慣れ親しんだところからやっていきましょう。 ≪いつもの豆をつかう≫ ホットとアイスとでは、味の感じ方が異なりますが、無理にアイスコーヒー用の豆を用意する

暑い日のコーヒー

「昼間は暑いくらいですね」という会話が増えてくると、それと呼応するように、お客さんからの注文に小さな変化があります。もちろん、季節を問わず同じ豆を好まれる方も多くいらっしゃるのですが、こういうタイミングでは、いつもの注文に「ひとつ浅いもの」あるいは「ひとつ深いもの」が混じったり、何かしらの移ろいがある方もめずらしくありません。 少々暑くなってくると、味の感じ方や欲する味わいが変わります。それはコーヒーに限らず、ふだんの食事でも同様なので、理屈はさておき、誰にでも思い当たるフ

『台所珈琲の手びき』5刷

昨年8月の暮れに刊行した『台所珈琲の手びき』を、2月に増刷いたしました。「200冊つくって、在庫が30冊になったらまた200冊つくる」ということをくり返しているのですが、これで5回目(累計発行1,000冊)になりました。 (※5刷以降は、印刷の関係で表紙の色が灰から白になります) この本は、そして、店もコーヒー豆も、まあ地味なものです。話題の中心をのぼっていくような感じはなく、いつもはしっこで、湯でも飲んでいるような感じです。 それでも誰かが気にとめてくれて、その存在を

『ペーパー余白』について

『ペーパー余白』は、毎月発行しているコーヒー豆のオマケです。A4用紙1枚に、雑文と漫画、回文となぞなぞ、季節の記録などが載っています。2020年の1月号から始まって、なんだかんだで毎月つくり続けています(毎月22日頃に発行)。 コーヒー豆を買うと最新号が付いてきます。最新号以外も、お好きそうなお客さんには気まぐれで入れています。 基本的にはフリーペーパーなのですが、特定のバックナンバーをお求めの場合や、オマケだけ欲しいという場合のみ、1枚30円いただいています(オンライン

冷めてもおいしいコーヒー

冬が近づいてくると、「そういえば、コーヒーが冷めるのもはやくなってきたなあ」ということを、ふと思ったりします。こればっかりは、逆らうことのできない移ろいです。でも、そのせいで気ぜわしくなるもの嫌なので、「冷めてもおいしい」ということを、店の味としてすごく大切にしています。焙煎もブレンドも、まずはそういう「味」から考えます。 誤解を恐れずに言えば、当店は「香り」に重きを置いていません。どうでもいいというわけではなく、「味」をつくっていく中で自然と付いてくるもの、くらいに思って

『台所珈琲の手びき』4刷

10月が暮れていくなか、『台所珈琲の手びき』を再び増刷することができました。初版から200冊ずつ、これで4回目です。本当にありがとうございます。今後も細々と、しかし長くつくり続けて、ちょっとずつ届けることができたらと思っています。 身の丈に合ったサイズで続けられるように、はじめから印刷は「200冊ずつ」と決めて、造りや装丁も無理をしないことにしていました。つくる側にとっても、手にとる側にとっても、気楽なものや構えずに済むものは、なんとなく和むような感覚があって、私たちはそれ

「星々」(彦井洋白『古歌小唄』より)

*季節の豆「星々」を焼くにあたって、想い口ずさむ小唄です(年の暮れ/12月限定)。 〽 あんまり高く 見上げたら お首が痛く なりますヨ あんまり遠く 見上げたら そこらの段差で こけますヨ 慣れないことは 無理をせず 明日のことは 明日にね まっくらくらくら 星ひとつ 歩くあなたも 星なのヨ あんまり長く 見上げたら 鼻先つんと 冷えますヨ あんまり深く 見上げたら そのまま空に 落ちますヨ 寒い夜には 無理をせず 燗でもつけて あたたかく こたつとろとろ 星ひとつ 眠

「秋やき」(彦井洋白『古歌小唄』より)

*季節の豆「秋やき」を焼くにあたって、想い口ずさむ小唄です(初秋~晩秋/9月~11月限定)。 〽 ありゃイワシだな ありゃサバか 誰かが焼いた 魚のにおい 空にたなびく うろこは光り やがて澄むのか 秋の雲 クヌギにコナラ こりゃクリか 誰かが貯めた 林のひびき 夏の記憶を ひとさじ入れて 口笛吹けば 秋の風 ラディダディダディダン マッチをひとすり 秋にともせば スズムシ鳴いた ラディダディダディダン けむりがひとすじ 秋を焼いたら お腹が鳴った