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09 叶わなかった夢


プロとして初めてコートに立った瞬間、
それは15年近く描き続けた夢を叶えた瞬間でもあった。
全身が細胞単位で喜びや幸せを感じているようだった。

この瞬間は今でも鮮明に覚えている。

三遠ネオフェニックスとの試合で残り時間もわずかというところで、コーチから名前を呼ばれて立ち上がり、サイドラインを跨いだ。
心臓の音がうるさいほど鳴っていたが、それ以上にブースターの声援が会場に鳴り響いていた。
点数に絡むことはなかったのだが、その日は興奮が冷めやらぬままだった。


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YOHAKU -余白-

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