デルタ株の拡大は続くのか

2021年7月14日。
嫌な予感が再び頭をよぎるようになってきた。新型コロナウイルスの感染第4波が起こるのではないかという懸念である。そう思わせる根拠は3つ。

ひとつは新規感染者数が増加に転じたことである。デルタ株の感染比率が高まった6月時点で専門家の間から指摘が出ていたいが、その通りになった。それだけならばもちろん、危機感を持つことはない。市民が防止策を怠らなければ新規感染者数が大幅に増えることはないのだから。

土曜日にいつものように街中へと買い物に出かけた。人出はコロナ禍前と変わらない規模で、メイン通りのツァイルを歩くのに時間がかかった。

マスク姿はチラホラ見かける程度だった。市中心部での着用義務はすでになく、法令違反ではないのだが、大声で話しながら歩く人も多い過密状況である。筆者は怖いのでこれまで通りFFP2マスクをずっと着けていた。社会的距離を保てない場合は屋外でもマスクを着用した方が良いというのが専門家の助言である。

欧州諸国に目を向けるとデルタ株の威力は凄まじい。隣国オランダでは人口10万人当たりの新規感染者数が直近の底に当たる7月1日の24.6人から13日には11倍の270.5人へと拡大した。折れ線グラフはほぼ絶壁の上り勾配であり、これまでの感染の波のなかで最もきつい。デルタ株の感染が拡大するなかで、政府が感染防止規制を6月26日にほぼ全面解除したことが原因だ。

サッカー欧州選手権の決勝が行われたロンドンからの映像には正直なところ驚いた。会場でも街中でもマスクをつけずに熱狂するファンは文字通りの意味でファナティックだった。デルタ株の拡大は英国だけでなく欧州全域で近日中に急加速するのではなかろうか。英国を破って優勝したイタリアについては悪夢とならないことを祈るばかりである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?