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2024年読書評7 ホームズ 幽霊、探偵、くノ一

「シャーロックホームズの回想」
コナンドイル
何回も読み直しているのですが、大久保訳のものを読むことに。
なぜある小説に魅かれるのかというと、その主人公に会いたいから、というのが私の場合、理由かも知れません。
それゆえ、探偵小説は物語やトリックよりも探偵が魅力的であるかが私の場合、大事なのかも知れません。

私は音楽でも例えばストーンズとかクイーンとはあまり興味がなく、好みはすごく狭いです。
世にいろいろバンドがあるけれど、基本的に好きにならない。別に嫌いなわけではないけれど、興味が持てないわけです。

音楽は単にメロディや歌詞、歌唱力だけでなく、私の場合はミュージシャンを好きになるかどうか、というのもポイントなのです。フレディやミックは魅力的だと思いません。ジョンやポールの方がいい。
だからビートルズやポールサイモン、ビリージョエルなどが贔屓なのです。

小説でも守備範囲は狭く、昔はアイリッシュなどの翻訳もの、日本では都筑道夫だけ、でも近年は宮部みゆきを読み、さらに最近は松尾由美がひいき、という感じで、
東野圭吾は一冊途中まで読んだだけ、恩田陸は数冊、10冊くらいか、読みましたが。
新しい作家の本も手にするけれどほれ込むというのはないようです。

というわけで、ホームズものはホームズに会いたい、という理由で読むわけです。
でも何回も読んでいるのでマンネリしているので、今回はやっと読んだという感じです。

本作は短編2作目、最後の事件を含み、ホームズの学生の頃のエピソードもある。
ただ、本作だけではホームズの本当の魅力は出ていないと言えると思います。そういう意味ではドイルは本作で止めずに続けたことは正解だったと思います。


「オレンジ色の不思議」
斎藤洋
童話、ルドルフの作者の子供向け本。
中年のおじさんが不思議な少女と出会い、霊体験をするというもの。
このおじさんは、おそらく作者自身を投影させたもの。一方、少女は小学校高学年から中学生の年でいつもおしゃれな格好をしている美少女。だから、変態な性的関係を連想させるが、作中にも少女側が、おじさんに対し、世間からそうみられることを心配してるんでしょうとたしなめられたりする。

話は短編で、その都度、いきなり現れる少女に連れられ、おじさんは霊体験をするというもの。
私は先に「水色」を読んでいたのですが、こちらの方が先であるよう。少女はフェネック狐の子供だと主張するシーンがあります。
私は思うのですが、シリーズものというのは読者がどこから読んでも通じるように書かなけれないけないと。
都筑道夫はそれを徹底していました。この斎藤洋はその点、アマチュア。
大学教授がいくつも本を出しているけれど、「作家」になりたい人であり、なって鼻高々という印象を受けます。
でも作品の出来は良いと思いますが。

中で共感できたのは「花見が好きじゃない」という点。日本人は花見が好きというけれど、会社で強要されたりしているだけでほんの一部の人たちだけではないだろうか、そんなものが好きなのは。
そもそも地べたに座るのが難儀じゃないだろうか。
酒が好きじゃない人もいるし、飲むにしても静かに飲みたい人もいるはず。

そして作中おじさんが「看護婦」という呼び方の方が、看護師という呼び方よりもいいという点。
男女差別になるから看護婦という呼び方はいけないというが、いいじゃないかと。
私も昨今、世間に言葉を強制する社会が好きではありません。
・キエフをキーウと呼ぼうとか(ロシアが悪いんじゃなくて、プーチンが悪いのだ)
・女優を俳優と呼ぼうとか (ではアクトレスという言い方は間違いなのか、外国の男性名詞、女性名詞も間違いなのか、男女平等というなら女性がスカートを履くのはいけないのか、じゃあ、男性が長髪にしてもいいのだな)
・その他捜せば無数に出てくるでしょう。

私はこのような強制が嫌いですし、社会がこう宣言したから国民がロボットのように全員従うというのが、危険だとも思うのです。
もし有事=戦争の危険が迫ったら国民総勢、他国民を殺し、殺人者になってしまう危険があります。
日本人は「他人がやっているから自分も」という国民性があるので非常に危険です。

「なぞのなぞなぞ怪人」
斎藤洋
子供向けの本。
模型の船が欲しい小学生。何とかお金が欲しい。そんなところに探偵社が助手を募集。彼は探偵社の助手になる。
探偵は禿げ頭のおじいさん。日給250円で雇われる。
そこに大金持ちに持ち込まれたなぞなぞの怪文のなぞを解く依頼が来る

というもの。

まあ、子供向けの本なので、読み応えはありませんが、ちょっとやさしさがあっていい、という感じ。
ミステリものだったら、もう少し大人向けに書いた方が良かったな。

「月夜に見参」
斎藤洋
くノ一、時代小説。児童書。

児童書とはいえ、普通小説といってもいい書き方。
そのためか、子供のものとしては難しいというか、娯楽性がなく、大人のものとしても出来がよくない。

物語は:
江戸で同心が殺されたり、忍びが殺されたり、子供が誘拐される事件が相次ぐ。
そして忍びの一族にまだ少女だがくノ一の子がいて、事件を探る、というもの。

私は読んでいて、眠くて、あまり頭に入って来ませんでした。
あまり面白くはないということ。

この作家、多作家で、時代小説まで書くのかと感心して手に取ったのですが、もしかしたら歴代の捕り物帳に並ぶのではないかと期待したのですが、小説としては読みにくく、やはり万能というわけではなかったようです。
コナンドイルはたくさん著作があるのに、ホームズものしか注目されないように、この人は無数に著作があるけれどルドルフしか残らないのではないでしょうか。
数をこなしたらいいというものでもないのです。

赤川次郎に関しては、三毛猫シリーズの「心中海岸」までかな。他にジュブナイルものとして「死者の学園祭」とかライトなものはいいと思いますが。



ココナラ
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